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「白内障手術」は入院? 日帰り? 医院選びのポイントや注意点を眼科医が解説!

 公開日:2025/03/08
白内障手術、どこで受けても同じ? 病院選びのポイントは?

「白内障」は、加齢を代表とするさまざまな原因で発症し、視力が低下する・目がかすむなどの症状が起こる病気です。年齢を重ねると大半の方が「白内障」を発症するようですが、手術での治療が可能です。そこで今回は、白内障手術の病院選びのポイントについて眼科医の長谷川 裕基先生(はせがわ眼科院長)に伺いました。

編集部編集部

白内障手術はどこの眼科で受けても同じですか?

長谷川 裕基先生長谷川先生

まず、入院できる施設日帰りのみの施設の両方があります。日帰りの場合には、付き添いが必須というわけではありませんが、眼帯をした状態でご自宅に帰らなければなりません。痛みを強く感じる手術ではありませんが、閉所恐怖症などの方や何らかの病気で体動が強い場合には全身麻酔ができる施設もありますし、笑気などの吸入麻酔を扱っている施設もあります。

編集部編集部

費用は同じですか?

長谷川 裕基先生長谷川先生

基本的に保険診療で施行することが多い手術ですが、選定療養という保険診療に眼内レンズの差額分を上乗せして行うことが可能です。選定療養には届出が必要ですので、それによりできる施設とできない施設があります。まれにですが、自由診療のみおすすめする施設もあります。レンズの種類も単一ではありません。今は普通に見えるようになるだけでなく、裸眼視力などでより良く見えるを追求する時代になっています。多焦点眼内レンズや乱視矯正眼内レンズなど付加価値レンズが存在しますが、扱っているかは施設によってまちまちです。保険診療で扱う焦点深度拡張型のレンズも存在しますが、全ての施設で扱っているわけではありません。緑内障がある方は「MIGS」と言って、低侵襲緑内障手術を併用して眼圧下降を期待することも可能ですが、これも施設基準の届出が必要になる手技です。

編集部編集部

病院を選ぶ際、ポイントなどありましたら教えてください。

長谷川 裕基先生長谷川先生

ご自身の身体の中にインプラントを入れる手術ですので、手術に対する説明を充分に受け、ご自身が納得頂くことが大事だと思います。例えば、術後のピントをどこに合わせるべきかについても、人それぞれの生活スタイルは違うのでご希望をお聞きしながら選択することが大切です。多くの場合、医師だけでは十分な説明が難しいため、場合によっては視能訓練士のいる施設だと、ピントの相談を詳しくできるかもしれません。

編集部編集部

注意すべき点はありますか?

長谷川 裕基先生長谷川先生

術後の管理も重要ですので、それをしっかりとしてくれる施設や通院しやすい施設が良いでしょう。手術なので、時として合併症も生じえます。注意していただきたいのが、自由診療で起きた合併症の治療は自由診療となる可能性もあるので、術後のトラブル防止のために術前に確認しておくことも重要です。

編集部編集部

あらためて、どのように白内障手術と向き合えばいいですか?

長谷川 裕基先生長谷川先生

患者さんからは「白内障手術は簡単なのでは?」と言われることもありますが、決して簡単には考えない方が良いと思っています。正しい知識を持って、医師や医療スタッフとのお話にしっかり耳を傾けて頂き、ご納得頂いて手術を受けることが大切です。

長谷川 裕基

監修医師
長谷川 裕基(はせがわ眼科)

プロフィールをもっと見る
日本大学医学部医学科卒業後、トヨタ記念病院や昭和大学病院などで、小児から高齢者までさまざまな目の疾患の治療に積極的に携わり経験を積む。平成27年11月、はせがわ眼科を開院、院長となる。日本眼科学会認定専門医。

※この記事はMedical DOCにて<【眼科医に聞く】白内障手術はどこで受ける? レンズにも種類がある?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師

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