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「前立腺がん」検診は人間ドックで受けられる? 検査の種類と結果の見方を医師が解説

 公開日:2025/02/24
前立腺がん 検査方法

前立腺がん検診は、採血で行う「PSA検査」が基本で、日帰りで受けられる手軽な検査です。人間ドックのオプションや自治体のがん検診でも受けられ、費用は無料〜3000円程度が一般的です。しかし、PSAの数値が高かった場合には、前立腺MRIや、必要に応じて針生検など精密検査が行われます。今回は、新井先生に検診から精密検査までの流れを詳しく教えていただきました。

新井 学

監修医師
新井 学(あらい泌尿器科)

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1991年3月東京医科歯科大学医学部 卒業、東京医科歯科大学医学部附属病院(現・東京医科歯科大学病院)泌尿器科入局。藤沢市民病院泌尿器科、春日部市立病院(現・春日部市立医療センター)泌尿器科、東京都多摩老人医療センター(現・東京都立多摩北部医療センター)泌尿器科、中野総合病院泌尿器科、獨協医科大学越谷病院(現・獨協医科大学埼玉医療センター)泌尿器科准教授、獨協医科大学埼玉医療センター前立腺センター 教授、獨協医科大学埼玉医療センター総合がん診療センター センター長などを経て2023年4月あらい泌尿器科開院。日本泌尿器科学会専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医。

編集部編集部

前立腺がんの検診は日帰りで受けられるのですか?

新井 学先生新井先生

はい。PSA検査は採血により行われるため、人間ドックや自治体のがん検診でも受けることができ、日帰りで実施可能です。

編集部編集部

保険は適用になりますか?

新井 学先生新井先生

自覚症状がなく、検診の一環として前立腺がん検診を受ける場合には自費になります。人間ドックのオプションで前立腺がん検診を追加する場合には、だいたい2000〜3000円になります。自治体の前立腺がん検診を利用する場合には、無料〜2000円くらいが目安でしょう。

編集部編集部

PSAが高かった場合、どうしたら良いのですか?

新井 学先生新井先生

前立腺がんが疑われる場合には、前立腺MRI検査や直腸診などを行います。前立腺MRI検査は非常に感度が高く、がんの位置や、浸潤の有無、リンパ節への転移などを調べることができます。また直腸診とは医師が肛門から指を挿入して直腸の壁越しに前立腺を触診する検査です。前立腺の一部は直腸に接しているので、直腸に指を入れて前立腺に触れることで、前立腺にしこりはないかなどが確認できます。

編集部編集部

それらの検査で前立腺がんの疑いが強いとされた場合には?

新井 学先生新井先生

その場合には、前立腺針生検を行います。これはまず、前立腺にまんべんなく12カ所以上針を刺し、さらにMRIや直腸診でがんが疑われるところにも針を追加して組織を採取する検査です。組織を顕微鏡で観察し、がん細胞が見つかった場合には前立腺がんと確定診断されます。

編集部編集部

針生検は日帰りでもできるのですか?

新井 学先生新井先生

針生検の方法によって異なります。直腸から針を刺入する場合は麻酔を使わず、日帰りでもできますが、会陰部から針を刺入する場合には麻酔が必要となるので、通常は2〜3日入院していただきます。

編集部編集部

入院が必要なこともあるのですね。

新井 学先生新井先生

はい。特に早期がんの場合には、小さな病変にも針が当たるように針の本数が多くなるため、入院して麻酔下で検査をすることが推奨されています。

※この記事はメディカルドックにて【「前立腺がん」と診断される基準はご存じですか? 検査の内容やPSA値を医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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