「うつ病」になりやすい人の食生活の特徴をご存じですか? 不足がちな栄養とは?

うつ病の発症には、ストレスや生活習慣だけでなく、食生活も大きく関係していることをご存じですか? 食事の内容によっては、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れ、気分の落ち込みや疲労感が強くなる可能性があります。特に、栄養不足や不規則な食事が続くと、うつ病のリスクが高まると考えられています。そこで、うつ病になりやすい人の食生活の特徴や、不足しがちな栄養素について、医師の種市先生に解説してもらいました。

監修医師:
種市 摂子(Dr.Ridente株式会社 代表取締役)
編集部
はじめに、うつ病になりやすい人の食生活の特徴を教えてください。
種市先生
不規則な食事や食事を抜くことが特徴の1つと言えます。このような食生活は血糖値の乱れを招き、気分の不安定さを引き起こす可能性があります。また、栄養面では必要なビタミンやアミノ酸などが不足していると考えられます。特に、加工食品やファストフードなどの栄養価の低い食品を過剰に摂取している場合、健康に悪影響を与える可能性があります。さらに、オメガ3脂肪酸が不足している食生活もうつ病のリスクを高める要因と報告されています。
編集部
反対に、うつ病になりにくい人の食生活にはどのような特徴がありますか?
種市先生
規則正しい食事をとっていることが挙げられます。加工食品を避け、栄養バランスの取れた食事を心がけている人が多いですね。魚や野菜の摂取がうつ病の予防や改善に有効であるという報告もされています。体に良い食事は、心にも良いのです。また、アルコールの過剰摂取は睡眠の質が悪化し、うつ病が長引く要因となります。良質な睡眠は健康を維持するために不可欠であり、うつ病リスクを軽減することにもつながります。
編集部
うつ病と食生活の関係について教えてください。
種市先生
高糖質や高脂肪、加工食品の摂取が多いと、脳の健康に悪影響を及ぼし、うつ病のリスクを高める可能性があります。特に、糖質の多い食品や飲料の過剰摂取は、血糖値の急激な変動を引き起こし、気分の変動や疲労感を引き起こすおそれがあります。また、ビタミンB群(特にビタミンB12と葉酸)、ビタミンD、アミノ酸、オメガ3脂肪酸、鉄分、亜鉛などの不足は、うつ病のリスクを高める可能性があります。反対に、食物繊維が豊富な食品や発酵食品、プロバイオティクスを含む食品は、腸内フローラの健康を維持し、うつ病のリスクを減少させる可能性が報告されています。
※この記事はMedical DOCにて【「うつ病予防に効果的な食事」をご存知ですか? 摂取すべき食品・栄養素を紹介】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。