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コーヒーは肝臓に悪い飲み物なの? 実際のところどうなの?【医師に聞く】

 公開日:2025/01/21
ズバリ聞く

コーヒーが肝臓に与える影響について、これまでさまざまな噂や説が飛び交ってきました。「コーヒーは肝臓に悪いのでは?」と思っている方もいるかもしれません。しかし、最新の研究では、コーヒーが肝臓に良い影響を与えることが明らかになっています。本記事では、佐藤将人先生に、コーヒーが肝臓に与える具体的なメリットや、肝臓の病気を持つ人にも良い理由について話を聞きました。

佐藤 将人

監修医師
佐藤 将人(SUGAR LLC)

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「健康的に豊かに生きる」を理念に人的資本経営コンサルティングを手がける企業SUGAR代表医師。宮城県仙台市を拠点に、社員の心身のメンテナンスや企業の組織運営などの経営を支援する事業を展開。医学の知見を生かし肉体改造してシックスパックを達成したり、精神心理的知見からメタ認知的活動に従事。東北大学医学部医学科卒業、日本医師会認定産業医、中小企業診断士、労働衛生コンサルタント(保健衛生)臨床心理士、JSPO公認スポーツドクター、日本肝臓学会専門医、日本外科学会専門医、元仙台市食育推進会議委員、ヴィーガン。

編集部編集部

ズバリ、コーヒーは肝臓に悪い飲み物なのでしょうか?

佐藤 将人先生佐藤先生

結論から言えば、「コーヒーは肝臓に悪い飲み物ではなく、肝臓に良い飲み物である」と多くの研究からわかっています。

編集部編集部

具体的に、コーヒーを飲むとどう肝臓に良いのでしょうか?

佐藤 将人先生佐藤先生

多くの研究の結果から、「コーヒーを1日に2~4杯(1杯100ml程度)飲む人は、コーヒーを飲まない人と比べて、肝臓が硬くなって機能が落ちてしまう病気である肝硬変のリスクが84%低くなる」と報告されています。また、「肝臓がんのリスクも最大で64%程度低くなる」こともわかっています。(※1・2)さらに、日本人を対象にした研究でも「コーヒーをほとんど飲まない人と比較して、コーヒーを毎日飲む人は肝がんの発症のリスクが51%低かった」ということが報告されています。(※3)

編集部編集部

すでに肝機能障害や脂肪肝などの肝臓の病気を抱えている人にとっても、コーヒーは肝臓に良い飲み物でしょうか?

佐藤 将人先生佐藤先生

はい。肝機能障害や脂肪肝などの人にとっても、コーヒーは健康に良い飲み物です。肝臓の病気がある人がコーヒーを飲むことで、病気の進行を遅らせたり、早くに亡くなってしまうリスクを下げたりすることができると言われています。

参考文献:

※1. Impact of coffee on liver diseases: a systematic review
Impact of coffee on liver diseases: a systematic review – PubMed (nih.gov)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24102757/

※2. Coffee consumption and risk of liver cancer: a meta-analysis
Coffee consumption and risk of liver cancer: a meta-analysis – PubMed (nih.gov)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17484871/

※3. Influence of coffee drinking on subsequent risk of hepatocellular carcinoma: a prospective study in Japan
Influence of coffee drinking on subsequent risk of hepatocellular carcinoma: a prospective study in Japan – PubMed (nih.gov)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15713964/

※この記事はMedical DOCにて【「コーヒーは肝臓に悪い飲み物」これって実際どうなの? 肝臓専門医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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