「インフルエンザは初動が肝心」効果的なかかりはじめの過ごし方を医師が解説!
インフルエンザにかかった際、治療の効果を最大限に引き出すためには「早めの受診」が重要です。発症からの対応や効果的な治療法について「ソージュ山下町内科クリニック」の中村先生に詳しくお聞きしました。
監修医師:
中村 蓉子(ソージュ山下町内科クリニック 院長)
東京医科歯科大学医学部医学科入学後、海外留学を経て、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程神経病理学分野入学、修了。東京医科歯科大学医学部附属病院や横浜市立みなと赤十字病院へ勤務後の2020年、神奈川県横浜市に「ソージュ山下町内科クリニック」開院。予防の観点から、定期的に相談できるかかりつけ医を目指している。医学博士。日本内科学会認定内科医、産業医、協力難病指定医。
編集部
インフルエンザを治す、効果的な方法を教えてください。
中村先生
理想を言えば、「かかったかな」と思った段階で、“間違っていてもいい”ので、受診していただくことです。体内のウイルスが増殖しきってしまう前に、お薬で防いでいきましょう。その目安は、発症から48時間以内です。なお、インフルエンザの主な症状としては、38度以上の高熱や全身のだるさ、頭痛、関節痛などが挙げられます。風邪と違って、全身症状が現れるのが特徴です。
編集部
つまり、ウイルスの量が問われるわけですね?
中村先生
抗インフルエンザ薬の目的は、ウイルスの増殖を抑えることです。ウイルス退治は、自分の免疫力でおこないます。したがって、敵の少ない方が軽症で済むでしょう。ただし、インフルエンザの場合、発症から6時間以上たたないとウイルスを検知しきれません。早く受診していただくに越したことはないものの、検査では確定診断が付かず、総合判断により診断を付ける場合があります。
編集部
48時間が過ぎてしまうと、どうなるのでしょうか?
中村先生
インフルエンザウイルスはかなり増えているので、体の免疫システムが“大騒ぎ”になります。発熱やせきなどの重篤症状は、その大騒ぎの結果として起きると考えてください。なお、48時間は目安であり、当然にして個人差があります。
編集部
大騒ぎ後でも、諸症状の緩和薬は処方してもらえますよね?
中村先生
もちろんですが、ある程度の症状や違和感は残ります。それよりも、「あれ、おかしいぞ」という初期段階で治療してしまった方が、受ける影響としては少ないはずです。今後の仕事やレジャーなどの予定とも関わってきますよね。
※この記事はメディカルドックにて【インフルエンザにかかったとき、やるべきことは?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。