「アルコール依存症」の6つの判断基準はご存じですか? アルコール中毒との違いも医師が解説!
「アルコール依存症」と「アルコール中毒」、その違いをご存じですか? アルコール依存症は、飲酒への強い渇望や制御困難、離脱症状などを特徴とし、生活や健康に悪影響が及んでも飲酒をやめられない状態を指します。一方、アルコール中毒は急性の飲酒による吐き気や意識障害などの症状です。今回は、アルコール依存症の6つの判断基準や中毒との違いを「ライトメンタルクリニック」の清水先生に解説していただきました。
監修医師:
清水 聖童(ライトメンタルクリニック)
編集部
手の震えとアルコール依存症って関係しているのでしょうか?
清水先生
「お酒をのむと手の震えが止まる人」は、アルコールによりリラックス作用が生じていると考えられます。昨今、チョコレートなどの一部に、「GABA(ギャバ)」という文字が使われていますよね。脳内にあるGABA受容体がアルコールと結びつくことで、リラックスや催眠効果を生むとされています。
編集部
手の震えを止めようと思って、アルコールに頼るようになると依存症ですか?
清水先生
お酒が抜けることでリラックスしなくなり、緊張状態に陥って手の震えを起こすことは考えられます。そこで問われるのが、元々の震えはどうして起こるのかです。手の震えの原因は多岐にわたるため、本当にアルコールが原因であるかどうかを、「医師の診察」によって明確にしておきたいですね。
編集部
具体的な「医師の診察」とは?
清水先生
アルコール依存症の診断基準は6つあり、このうち3つ以上を満たすと正式にアルコール依存症と診断されます。その6つとは、①飲酒への渇望、②飲酒量の制御困難、③離脱症状の証拠、④アルコールへの耐性、⑤飲酒中心の生活、⑥有害な結果になってもやめられない飲酒、の各所見です。「お酒をのむと手が震える」だけでは、正式な診断がつきません。
編集部
アルコール依存症は、アルコール中毒とは違うのですよね?
清水先生
急性アルコール中毒は、お酒を飲んだことによる症状で、吐き気や意識障害などを伴います。これはアルコール依存症とは全く異なる症状です。
※この記事はMedical DOCにて【お酒を飲まないと手が震えるってアルコール依存症なの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。