市販の「ロキソニン」や「イブプロフェン」で悪化する? 市販薬で注意したいこと【医師解説】
市販の痛み止めは、急性の痛みに対する一時的な対処として便利ですが、痛みの種類によっては逆効果となり症状を悪化させることがあります。ペインクリニック専門医の土橋先生に市販薬の服用方法についてお聞きしました。
監修医師:
土橋 富美子(どばし泌尿器科クリニック)
日本大学医学部卒業。国際医療福祉大学熱海病院麻酔科、国際医療福祉大学講師などを経て、2019年9月に熱海市にて「どばし泌尿器科クリニック」を夫婦で開業し、ペインクリニック内科を担当。日本麻酔科学会認定麻酔科専門医、日本ペインクリニック学会認定ペインクリニック専門医、緩和ケア研修修了。
編集部
どんな痛みでも、市販の痛み止めを服用して大丈夫なのでしょうか?
土橋先生
痛みには、急性痛と慢性痛がありますが、急性の痛みであれば、忙しいときや夜間などで病院に行けない場合は、とりあえずの処置として市販薬を飲むのも仕方ありません。ただ、痛みの種類によっては、余計に悪化することがありますから、できれば、時間があるときはペインクリニックにきてご相談いただいたほうが安全に、的確に、痛みを抑えることができます。
編集部
市販薬を飲んで、余計に症状が悪化するのはどんなときでしょう。
土橋先生
たとえば頭痛のときは、炎症や痛みを抑えるイブプロフェンという成分の入った薬が市販薬としてよく売られていますが、実は頭痛にも、3~4種類のタイプがあります。そのため、頭痛の種類によっては、イブプロフェンを飲むことでかえって悪化することもあります。また、おなかが痛いとき、原因が胃の粘膜の荒れの場合、痛み止め薬のロキソニンを飲んでしまうと、副作用として胃を荒らしてしまうことがあるため、さらに胃の粘膜を荒らして症状が悪化する場合もあります。副作用を避けるためには、できれば薬を飲む前に、何が原因の痛みなのがはっきりさせることが大切です。
※この記事はメディカルドックにて【「ロキソニン」や「カロナール」は、どんな痛みでも服用して大丈夫?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。