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「片頭痛」は治療できる? 日常生活でできる対策や気を付けたい生活習慣を医師が解説

 公開日:2025/01/02

片頭痛の治療は、日常生活の改善が非常に重要です。「山王クリニック品川」の山王先生によると、「頭痛ダイアリー」を活用することで改善がみられることもあるようです。上手に体質と向き合っていくための方法を詳しく伺いました。

山王 直子

監修医師
山王 直子(山王クリニック品川 院長)

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横浜市立大学医学部卒業、米国メイヨークリニック留学、博士号取得。日本医科大学脳神経外科学講師、日本医科大学多摩永山病院勤務を経た2004年、東京都港区に「山王クリニック品川」開院。未病の段階からの健康管理を呼びかけている。日本脳神経外科学会専門医・評議員、日本頭痛学会頭痛専門医、日本内分泌学会代議員、日本医師会認定健康スポーツ医。日本間脳下垂体腫瘍学会、日本内分泌病理学会の各会員。書籍、メディア出演、論文など多数。

編集部編集部

片頭痛は治療できるのでしょうか?

山王 直子山王先生

日常生活を改善するだけで、かなりの効果が期待できます。そのとき役に立つのが、いわゆる「頭痛ダイアリー」です。片頭痛が起きた日時とともに、食べた物やしていた事などを記録しておくんですね。スマホ用のアプリなども登場しています。

編集部編集部

なるほど! ログをとっておけば、片頭痛の原因が見つけられそうです。

山王 直子山王先生

片頭痛は、一定のサイクルを伴います。なかには「気圧の変化だった」という方もいらっしゃいますから、慣れないうちは、事細かに記録しておくことをお勧めします。あるいは、今月は食べ物、来月は気象・天気というように、原因がわかるまでジャンルを変えてみてもいいでしょう。

編集部編集部

どうしても特定の食べ物が好きなら、片頭痛のピークを避けてもいいわけですよね?

山王 直子山王先生

その答えは「頭痛ダイアリー」が教えてくれるはずです。まずは、自分の体質を把握すること。次に、その体質にあわせて、仕事やレジャーなどの予定を組み立てること。その際、スケジュールを詰めすぎないようにしてください。多少の流動性を持たせると、融通が利きます。

編集部編集部

生活や仕事のスケジュールにもメリハリが付きそうですね。

山王 直子山王先生

規則正しい生活は、片頭痛対策として有効です。頭痛はおなかがすきすぎても起きますから、三度の食事を欠かさないようにしましょう。また、自分に合った睡眠時間をとってください。寝始める時間は、できれば「日付の変わる前」が好ましいですね。睡眠時間は人それぞれですが、6時間から7時間をめどにしましょう。

編集部編集部

薬で片頭痛を軽減することはできますか?

山王 直子山王先生

できますが、生活や習慣を改めていただくことが先決です。そのうえで、どうしてもということであれば、受診してください。ただし、我慢は禁物で、脳血管を傷めてしまう恐れがあります。

編集部編集部

市販薬はどうなのでしょう?

山王 直子山王先生

間違ったのみ方をされる場合があるので、やはり専門の先生に診てもらうことをお勧めします。脳神経外科よりも、「頭痛外来」を標ぼうしている医院がお勧めです。お薬は、用法・用量を守らないと、かえって害になりかねません。依存症や薬物性の頭痛を引き起こすことも考えられます。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

山王 直子山王先生

スマホを寝る前に見るのは避けていただきたいですね。光の刺激が脳に過剰な興奮をもたらします。おそらく、夜の9時以降に見ないだけで、頭痛が半減するのではないでしょうか。首に負担がかかるため、首こり肩こりからくる緊張性頭痛と思われがちですが、たいていは片頭痛です。注意してください。

※この記事はメディカルドックにて【「片頭痛にチョコやカフェインは良くない」はホント?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師