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腸閉塞を予防する方法はある? 放置するとどうなるの?【医師解説】

 公開日:2024/11/29
予防法は…

腸閉塞を予防することは可能なのでしょうか? 何かよい方法はないのでしょうか? 治療法や対策について、おおつ消化器・呼吸器内科クリニックの大津先生に教えてもらいました。

大津 威一郎

監修医師
大津 威一郎(おおつ消化器・呼吸器内科クリニック)

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昭和大学医学部医学科卒業。その後、さいたま赤十字病院総合臨床内科、消化管内科などで経験を積む。2021年、埼玉県北足立郡に「おおつ消化器・呼吸器内科クリニック」を開院。「地域の方々に安心・安全で適切な医療を提供したい」という想いを掲げ、地域医療に貢献している。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本消化管学会胃腸科専門医、日本内科学会認定医、日本ヘリコバクター学会 H.pylori(ピロリ菌)感染症認定医、日本がん治療認定医機構認定医。

編集部編集部

腸閉塞はどのように治療するのですか?

大津 威一郎大津先生

腹部の診察やレントゲン、 CT検査などで原因を追求して、治療法を検討します。単純性腸閉塞や機能的腸閉塞に対しては、点滴治療で脱水や電解質異常に対する治療をおこないながら、絶飲食で腸管を安静にするのが主流です。また、必要があれば抗生物質を投与したり、鼻から小腸あたりまでイレウス管と呼ばれるチューブを挿入して腸管内容物の吸引や減圧をおこなったりすることもあります。いずれの治療も、効果が乏しい場合には手術が必要になります。

編集部編集部

複雑性(絞扼性)腸閉塞の場合は、どうですか?

大津 威一郎大津先生

この場合は、時間が経つと腸管が壊死してしまうため、一般的には緊急手術をします。癒着している部分を剥離したり、圧迫している部分を切除したりして、閉塞部位を解除します。また、腸管が壊死していれば、その部分の切除もおこないます。

編集部編集部

腸閉塞を予防するには、どのようなことに気をつけたらいいでしょうか?

大津 威一郎大津先生

腸閉塞には様々な原因があるため、これといった予防法はないかもしれません。しかし、「ゆっくりとよく噛んで食べる」、「水分をしっかりとる」、「暴飲暴食をしない」、「消化に悪いものや食物繊維の多いものを避ける」などを意識することは、腸閉塞の防止に役立つと考えられています。また、便秘は腸閉塞の原因になるため、便秘にならないような工夫も大切です。

編集部編集部

普段の食生活から意識することが必要なのですね。

大津 威一郎大津先生

はい。腸閉塞を予防するために、食べるものや食べ方などに一層注意を払い、気になることがあれば早めに検査を受けることをおすすめします。また、それ以外で気をつけていただきたいのが、腹部の手術歴がある人です。術後に癒着を起こしやすいことから、手術歴のない人に比べて腸閉塞になるリスクが高いことがわかっています。

編集部編集部

腸閉塞は自然治癒するのですか?

大津 威一郎大津先生

腸閉塞は自然によくなることは、ほとんどありません。むしろ、すぐに治療をしないと、どんどん腸管が拡張して命に関わる可能性もあります。とくに、排便が急に止まったり、腹痛や嘔吐、腹部膨満感があったりする場合は、早急に消化器科を受診しましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大津 威一郎大津先生

嘔吐や腹痛が続く場合は、早めに消化器科を受診しましょう。とくに複雑性腸閉塞が疑われる場合は、造影CTの検査をする必要があるため、ある程度設備の整った病院へ行った方がいいでしょう。また、先述したように腹部の手術をしたことのある人は、術後数十年経っても腸閉塞を起こすリスクがあります。そうしたことを常に頭の片隅に置き、「あれ、おかしいな」と思うことがあれば、消化器内科など専門機関で相談しましょう。

※この記事はMedical DOCにて【知っておきたい「腸閉塞」のリスクと対策、最悪の場合は命を落とすことも】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師