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大人の喘息(ぜんそく)の治療方法と病院受診の目安・タイミングを解説

 公開日:2024/09/27
夜、眠れてる?

大人の喘息が疑われる場合、受診の目安にしたいのが「夜、眠れるかどうか」だと梅屋敷さわもとクリニックの澤本先生は言います。そこで、受診してどのような治療が受けられるのかについて、解説してもらいました。

※この記事はMedical DOCにて【「大人の喘息(ぜんそく)」を医師が解説 咳が出る人は注意!? 症状セルフチェックと治療法も】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

澤本 修一

監修医師
澤本 修一(梅屋敷さわもとクリニック)

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1987年帝京大学医学部卒。1993年都立広尾病院呼吸器科勤務、1994年帝京大学医学部附属病院第二内科勤務、1997年社会保険都南総合病院勤務、2002年梅屋敷診療所開設、院長。2020年に現在の場所に移転・名称を「梅屋敷さわもとクリニック」に変更。現在に至る。日本内科学会所属、日本アレルギー学会所属、日本呼吸器学会所属、認定内科医・認定産業医、身体障害者福祉法指定医(呼吸器機能障害)。

編集部編集部

大人の喘息はどうやって治療するのですか?

澤本 修一先生澤本先生

通常、薬物療法を行います。使用する薬には2種類あり、まず症状がなくても毎日使用するのが「長期管理薬(コントローラー)」。これは喘息の原因となっている気道の炎症を抑え、気道を広げることで発作を予防するのが目的です。気道の炎症を抑えるために吸入ステロイド薬を、気道を広げるために長時間作用性β2刺激薬などを使用します。

編集部編集部

もう一つの薬はなんですか?

澤本 修一先生澤本先生

発作が起きたときだけ使用する発作治療薬(リリーバー)です。これは気道を拡張するための薬で、主に短時間作用性吸入β2刺激薬を使用します。ただし、このリリーバーには炎症を抑える働きがないため、必ず発作が起きたときだけ使用します。

編集部編集部

それらの薬を使えばコントロールすることができるのですか?

澤本 修一先生澤本先生

長期管理薬を正しく使うことで、発作をコントロールすることは可能です。また医師の判断により、長期管理薬の使用を中止する場合もあります。しかし反対に発作が頻繁に起きたり、薬ではコントロールできなくなったりした時には受診が必要です。特に、苦しくて身動きできないくらい激しい発作のときには気道を拡張する薬を使いながら、救急外来を受診しましょう。

編集部編集部

それらの薬以外に用いられる薬はありますか?

澤本 修一先生澤本先生

ときどきステロイドの内服薬を処方される人がいます。確かに経口ステロイド薬は炎症を抑える強い作用がありますが、一方で長期間にわたって服用するとさまざまな副作用を生じることがあります。経口ステロイド薬の使用には十分注意し、できれば脱ステロイドをめざすことをお勧めします。

編集部編集部

最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあれば。

澤本 修一先生澤本先生

喘息かもしれないと思ったらできるだけ早めに受診しましょう。受診の目安として重要なのが、「夜、眠れるかどうか」。激しい咳のために夜、眠れないようならそれはコントロール不良ということ。日常生活に支障が及ぶことも多いので、早めに受診しましょう。また、「階段を登る」「重いものを持ち上げる」など、ちょっとした労作時に動悸や息切れをしはじめたら要注意。ただし、この症状は喘息だけでなく、COPDの典型的な症状でもあるので、正しく鑑別することが必要です。喘息とCOPDでは治療法がまったく異なるので、正しく診断をつけてくれる専門医を受診しましょう。

この記事の監修医師