目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「双極性障害」の治療法はご存じですか? 薬物療法の“副作用リスク”も医師が解説

「双極性障害」の治療法はご存じですか? 薬物療法の“副作用リスク”も医師が解説

 公開日:2024/09/20
医師を頼って!

「双極性障害」と診断されたら、治療法はあるのでしょうか。今回は、双極性障害の治し方・向き合い方について「Baseクリニック赤坂」の吉岡先生に解説していただきました。

吉岡 鉱平

監修医師
吉岡 鉱平(Baseクリニック赤坂)

プロフィールをもっと見る
Baseクリニック赤坂院長。福井大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学麻酔科を経て麻酔科専門医として活動後、精神医学研究所附属東京武蔵野病院で日本精神神経学会精神科医専門医を取得。2023年、東京都港区に「Baseクリニック赤坂」を開院。心と身体の土台(Base)からの健康をコンセプトにした医療の提供を心がけている。日本精神神経学会専門医、精神保健指定医、麻酔科標榜医、日本医師会認定産業医。

編集部編集部

双極性障害の治療は、どのようにおこなわれるのですか?

吉岡 鉱平先生吉岡先生

薬物療法と心理・社会的療法が主な治療法です。双極性障害の治療においては、うつ病治療で一般的に用いられる抗うつ薬や抗不安薬の内服で症状が増悪するリスクがあり、うつ病の治療で症状が改善しない場合は、漫然と治療を継続するべきではありません。薬物療法では、気分安定薬である「炭酸リチウム」や「バルプロ酸ナトリウム」、非定型抗精神病薬の「オランザピン」や「クエチアピン」などが状態に応じて処方されることが多いですね。

編集部編集部

薬物療法は副作用が心配です……。

吉岡 鉱平先生吉岡先生

双極性障害の治療薬には、定期的な血中濃度の定期的な測定や用法・容量を厳密に守る必要がある薬も含まれます。また、体重増加などの副作用が出る薬剤もあり、きちんとした診断のもとに症状と副作用のバランスを見ながら、どのように治療をおこなっていくか、医師とコミュニケーションを取りつつ薬を適切に選んでいくことが大切です。

編集部編集部

心理・社会的療法についても知りたいです。

吉岡 鉱平先生吉岡先生

軽症例の場合、薬物治療よりも、心理・社会的療法だけである程度改善することもあります。具体的には、食事や栄養素の見直し、睡眠や生活リズムの調整、無理のない範囲で運動習慣などの生活スタイルの改善と共に病気についての理解を深め、対処法を学びます。また、陥りやすい考え方のクセや行動パターンなどをある程度自覚できるように練習していきます。

編集部編集部

あらためて、双極性障害の治療とどのように向き合えばいいですか?

吉岡 鉱平先生吉岡先生

うつ病の治療を継続しているのに中々良くならない場合や、状態が良くなったり悪くなったりを周期的に繰り返しているような場合、双極Ⅱ型障害の可能性も含めて治療を再検討してみることが大切です。双極性障害の場合、うつ病の治療薬の漫然投与で症状が増悪してしまっているリスクもあります。丁寧に経過を追っていかなければ正しい診断に辿り着けない疾患なので、ちょっとした変化でも医師に報告することが大切です。

※この記事はMedical DOCにて【「双極性障害」を医師が徹底解説 診断基準や症状、うつ病との違いは?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師

注目記事