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「エアコン」で体調を崩しやすい人の特徴はご存じですか? 夏本番に向けて必見の“注意点”とは

 公開日:2024/07/15
冷房病 クーラー病

エアコンで体調を崩しやすい人の特徴はご存じですか? 夏本番が近づく中、エアコンの使用は欠かせません。エアコンで体調を崩さないために知っておくべきことを、医師の丸山先生に解説していただきました。

※この記事はMedical DOCにて【その夏バテ、もしかしたらエアコンが原因かも!? 医学的な視点から適切な温度設定や注意点を解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

丸山 潤

監修医師
丸山 潤(医師)

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群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター

編集部編集部

なぜ、エアコンが原因で体調を崩すのでしょうか?

丸山潤先生丸山先生

エアコンが原因で体調を崩す理由は、いくつか考えられます。まず、エアコンの風による体の冷えが影響します。人間は体温を一定に保つために、寒さに対しては体を温め、暑さに対しては汗をかくなどの調節機能を持っています。この調節は「自律神経」という交感神経と副交感神経からなるシステムによっておこなわれます。交感神経が優位になると、末梢血管が収縮して血流が悪くなり、手足が冷たくなります。一方、副交感神経が優位になると、末梢血管が拡張して血流が良くなり、手足が温かくなります。しかし、エアコンを使用することで、室内と室外の温度差がある場所を何度も行き来することになると、自律神経に負担がかかり、体調に異変が生じることがあるのです。

編集部編集部

ほかにもありますか?

丸山潤先生丸山先生

エアコンの冷たい風による乾燥も、体調に影響を与える要素です。エアコンが運転されている間に、室内の湿度は低下して乾燥します。この湿度の低い環境では、粘膜や皮膚の乾燥が進み、鼻や喉の粘膜が刺激を受けることによって免疫機能が低下して、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなる可能性があります。

編集部編集部

体の冷えやエアコンの風による乾燥などが原因なのですね。エアコンで体調を崩すと、どのような症状が出るのでしょうか?

丸山潤先生丸山先生

このようなエアコンによる体調不良は「冷房病(クーラー病)」とも呼ばれ、症状は多岐に渡ります。冷たい空気や冷えた環境が筋肉を収縮させ、血流が悪くなるために肩こりや頭痛が生じるほか、手足の冷え感やむかつき、食欲の低下、全身のだるさや疲れやすさも一般的な症状です。また、エアコンによって消化器官の機能が低下し、消化不良や腸の運動異常が引き起こされ、腹痛や下痢を招くこともあります。さらに女性の場合は、体内の温度調節が乱れて女性ホルモンのバランスにも影響が及び、生理不順や生理痛の症状が増強されることもあります。

編集部編集部

エアコンで体調を崩しやすい人の特徴はありますか?

丸山潤先生丸山先生

以下のような特徴を持っている人は、エアコンで体調を崩しやすいとされています。

・若い女性
季節の変わり目に頭痛やめまいなどの体調不良を訴える若い女性は、もともと自律神経が敏感である可能性があります。そのような人は室内外の気温変化により、自律神経が乱れやすいのです。

・高齢者
高齢者は体温調節能力が徐々に衰え、エアコンによる室温変化に身体がついていかない場合があります。高齢者の場合は症状を自覚するのに時間がかかり、状態が悪くなってから気づくケースもあるため周囲の人々は注意が必要です。

・子ども
小児(特に未就学児)は体温調節機能が未熟なため、エアコンによる外気温の変化に対し、体温管理を素早くおこなうことができず、体調を崩しやすい傾向があります。

・長時間エアコンの冷風に当たっている人
長時間、冷たい風にさらされることで、体が冷えてしまうと症状が出現しやすくなってしまいます。特にエアコンの風を直接浴びると、室温以上に体が冷えてしまうため避けるべきです。

この記事の監修医師

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