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「梅毒」はコンドームをつけてもうつるってホント? 放置するリスクや治療法も医師が解説!

 公開日:2024/06/24
避妊しても 油断できない

「梅毒」はコンドームをつけてもうつる可能性があることをご存じですか? 梅毒を放置するリスクや治療法についても「シュシュレディースクリニック 戸田公園」の前出先生に解説していただきました。

※この記事はMedical DOCにて【「梅毒」はコンドームをつけてもうつるって本当? 医師が治療法や感染・放置するリスクも解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

前出 喜信

監修医師
前出 喜信(シュシュレディースクリニック 戸田公園)

プロフィールをもっと見る
日本産科婦人科学会認定専門医、日本性感染症学会認定医、日本周産期・新生児医学会周産期専門医。1997年、島根医科大学医学部(現・島根大学医学部)卒業後、島根大学医学部附属病院 産科婦人科 助教や鹿児島市立病院 総合周産期母子医療センター科長、熊本福田病院地域周産期医療センター 新生児科部長などを経て現職(シュシュレディースクリニック 戸田公園 院長)。「怖くない、痛くない、面倒くさくない」をモットーに、相談して良かったと安心していただけるような診療を日々心がけている。

編集部編集部

実際に「梅毒」と診断されたら、どんな治療をするのですか?

前出 喜信先生前出先生

薬物治療を行います。病期にもよりますが、ペニシリン系などの抗菌薬が有効で、内服治療が一般的に行われていますので、初期であれば入院の必要はありません。また近年、梅毒に対する抗菌薬の筋肉注射による治療が行われるようになりました。注射による治療のメリットは、内服のように毎日継続するのではなく、1回の注射による治療になるため、飲み忘れによる治療の中断がないことです。内服の治療にするか、注射の治療にするかは受診された医療機関で相談の上決定することになります。梅毒トレポネーマが中枢神経系に浸潤した「神経梅毒」が起こっている場合は、入院して抗菌薬の点滴治療が行われます。

編集部編集部

梅毒の治療について、注意点などはありますか?

前出 喜信先生前出先生

薬の内服期間は病期などを考慮して医師が判断しますが、大事な点は、症状が良くなっても自己判断で治療を中断しないようにすることです。症状が良くなったからといって、菌が完全にいなくなったわけではありません。医師から完治の診断が出るまでは、性交渉をはじめ感染拡大につながる行為は控えましょう。

編集部編集部

症状がなくなっても、安心してはいけないのですね。

前出 喜信先生前出先生

そうですね。さらに、医師から「完治」と言われて治療や通院が終了しても、今後の新たな感染を予防できるわけではありません。梅毒は「一度かかったら、もうかからない」というタイプの感染症ではないからです。このため性交渉の際の感染対策や、パートナーの治療などを疎かにしていると、再び梅毒にかかる可能性があります。

編集部編集部

最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。

前出 喜信先生前出先生

コロナ禍のステイホームで、性感染症も減るのではないかと期待されましたが、実際は減りませんでした。特に「梅毒」は、感染力が強く、コンドームをしていたからといって100%予防することはできない病気です。きちんと診断・治療がされていないと、さらに感染を広めてしまう可能性が非常に高くなります。性感染症の場合は、早期受診と早期の治療、およびパートナーとの同時治療を強くお勧めします。

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