胃・大腸の検査を受けるタイミングは「好発年齢の少し前」である理由【医師解説】
「胃カメラや大腸カメラを受けたことがない」「受けるべきタイミングが分からない」という方は多いと思いますが、受診のタイミングは目安として「40歳」だそうです。その理由について、「鎌倉逗子胃腸肛門内視鏡クリニック」の道躰先生にお聞きしました。
監修医師:
道躰 幸二朗(鎌倉逗子胃腸肛門内視鏡クリニック)
編集部
胃や大腸の検査を「受けるタイミング」って、なかなか自分では決められません。
道躰先生
ベストタイミングや受け時には色々な意見があると思うのですが、まずは「年齢」という切り口から考えていくのがいいと思います。自覚症状のない人がはじめて大腸カメラを受けるとしたら、「40歳」が統計上の目安となります。
編集部
大腸がんなどの好発年齢が40歳だからですか?
道躰先生
いいえ、それはもう少し後です。ただ、がんはなってからだと遅いので「好発年齢の少し前」を推奨タイミングにしています。とくに大腸がんは、大腸にできたポリープが長年をかけて育ち、やがて悪性化していくと考えられています。ですから、ポリープの段階で見つけて切除することが、大腸がん予防に直結するのです。
編集部
だとすると、胃がんと分けて考える必要がありそうです。
道躰先生
そうですね。胃カメラのベストタイミングは、「ピロリ菌が疑われたらすぐ」ですね。胃がんの原因のほとんどは、ピロリ菌感染によるものということが判明しています。加えて、除菌しても胃がんのリスクが残ることもわかっているのです。ピロリ菌の有無そのものが問われるので、健康診断のメニューなどで「ピロリ菌検査」を積極的に受けてください。