「心筋梗塞の主な3つの原因」はご存知ですか?医師が徹底解説!
心筋梗塞を発症すると体のどこに痛みを感じる?Medical DOC監修医が心筋梗塞の初期症状・痛みを感じる部位・原因・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「心筋梗塞」を発症すると体のどこに「痛み」を感じるの?初期症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
佐藤 浩樹(医師)
目次 -INDEX-
「心筋梗塞」とは?
心筋梗塞とは、心臓の筋肉に酸素を供給する血管である冠動脈が閉塞し、心臓の筋肉が壊死する疾患です。胸の痛み、胸部圧迫感、冷汗などの症状が現れます。命に関わる緊急性の高い疾患であり、迅速な診断と治療が必要です。治療には、血栓を溶かす薬物療法、閉塞した動脈を広げる経皮的冠動脈インターベンション(PCI)があります。その他、外科的治療である冠動脈バイパス術もあります。
心筋梗塞の主な原因
心臓の筋肉に血液を供給する冠動脈の閉塞で心筋梗塞は起こります。冠動脈を閉塞させる原因(危険因子)は、高血圧、高脂血症、糖尿病が代表的です。以下に各々の要点を説明します。
脂質異常症
脂質異常症は、血中のLDL-コレステロールや中性脂肪が高い状態です。LDL-コレステロールが高いと、余分なLDL-コレステロールが血管の内壁に溜まり、血管内に瘤のようなものを形成します。これを、プラークといいます。プラークは血管内腔を狭め、さらに、破れて血栓を形成することで冠動脈を閉塞させ心筋梗塞を起こします。一方で、HDL-コレステロールはプラークの形成を抑制します。したがって、HDL-コレステロールが低い状態も心筋梗塞の原因となります。これらの異常は動脈硬化の進展を早めますので、血液検査で異常が見つかった場合は、内科や循環器科を受診して適切な指示を受けて下さい。
高血圧
血圧が高い状態が続くと、冠動脈の壁に負担がかかるため、動脈硬化が進みやすくなり、血管を狭くします。加えて、プラークの形成を助長します。心筋梗塞以外の血管疾患の原因ともなります。健診などで異常が見つかった際は、内科や循環器科を受診して適切な指示を受けて下さい。特に、高血圧の初期はほぼ無症状です。そのため、知らず知らずのうちに血管を傷める状態が継続してしまうので要注意です。
糖尿病
高血糖が続くと、動脈の内側にある血管内皮細胞にダメージを与えます。そのため、血管のしなやかさが低下して、血管内壁が傷つき、動脈硬化の進展を助長します。初期の糖尿病は自覚症状を伴うことは少ないので気づかないことが多いです。健診などで高血糖を指摘された場合は、自覚症状の有無に関わらず、内科を受診して適切な指示をもらうことが重要です。
「心筋梗塞の痛み」についてよくある質問
ここまで心筋梗塞の痛みなどを紹介しました。ここでは「心筋梗塞の痛み」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
心筋梗塞を発症しても痛みを感じないことはありますか?
佐藤 浩樹 医師
無痛性心筋梗塞は無痛性心筋虚血の1つです。胸の痛みが出ない代わりに、息切れ、疲労感、胃部不快感、吐き気、冷や汗などが起こることがあります。病態として、以下のようなものが考えられています。
① 心臓に起きた虚血の範囲が狭かったり、程度が軽かったりして、痛みを感じない場合
② 痛みの閾値が上昇することにより、本来感じるはずの痛みがわからなくなった場合
などが原因として考えられています。高齢者、糖尿病患者、女性にみられることが多いです。無痛性心筋梗塞は、通常の心筋梗塞と同様に危険であり、早急な対応が必要です。心筋梗塞=胸の痛みは必ずしも当てはまらないことがあり注意を要します。
編集部まとめ
心筋梗塞は、胸の痛みが主症状ですが、胸部以外にも症状が起きる、緊急性の高い疾患です。迅速な診断と早期の治療がなにより重要です。発症には、悪い生活習慣が大きく関わります。生活習慣を改善して、予防に努めましょう。
「心筋梗塞」と関連する病気
「心筋梗塞」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
呼吸器科の病気
消化器科の病気
整形外科の病気
心筋梗塞と似た症状を呈する疾患は多いです。経過をみてよいものから、緊急性を要するものまでさまざまです。鑑別を要しますので、医療機関を早期に受診することをお勧めします。
「心筋梗塞」と関連する症状
「心筋梗塞」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
これらの症状は心筋梗塞以外の疾患でも起こります。命に関わる疾患も多いです。早めに医療機関を受診して、病気の鑑別、および治療の有無を診断してもらうことが極めて重要です。