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「朝の血圧が高い時の対処法」はご存知ですか?予防法も医師が解説!

 公開日:2025/07/05

朝の血圧が高い時の対処法とは?Medical DOC監修医が朝の血圧上昇を予防する方法も解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「朝の血圧が高い」原因はご存知ですか?朝の血圧が高いと現れる症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

血圧とは?

血圧とは、血液が流れる時に血管の壁にかかる圧力のことで、以下の2種類があります。

l 収縮期血圧(最高血圧):心臓が収縮して血液を送り出す際の圧力
l 拡張期血圧(最低血圧):心臓が拡張して血液が戻る際の圧力

血圧の高さを決める要因は、「血液の量(心臓がどれだけ血液を送り出すか)」と「血管のしなやかさ(血液の流れやすさ)」などです。腎臓や神経系など多くの要因が、血圧の高さに関係します。

また、血圧は測定する場所によって、以下の2種類にも分けられます。

l 家庭血圧:毎日同じ時間に家庭で測る血圧
l 診察室血圧:受診する際、診察室で測る血圧

通常、家庭血圧よりも診察室血圧の方が高くなります。

朝の血圧が高い時の対処法

朝の血圧が高い時は、以下の方法を試してみましょう。

安静にする

朝の血圧が高くても、少し安静にしていると落ち着くケースがあります。深呼吸をしてリラックスをする、横になって安静にするなどを試してみましょう。

しかし、時間が経っても体調が改善しない、毎朝血圧が高くて体調が悪いなどの場合は速やかに主治医や循環器内科を受診してください。

主治医を受診する

朝の血圧が高い日が続く場合は、早めに主治医を受診しましょう。

受診の際は、毎朝の血圧の数値を測定した時間や体調の変化(頭痛・めまいの有無など)メモしておくと診察の参考になります。病院や薬局で配布している「血圧手帳」を上手に活用してみてください。

救急車を呼ぶ

血圧の高さに加えて、強い頭痛や胸の痛み、意識がはっきりしないなどがある場合は早急な受診が必要です。直ちに救急車を呼び、設備の整った医療機関での治療を受けましょう。

朝の血圧上昇を予防する方法

朝の血圧上昇を予防する方法を紹介します。

朝の温度差を少なくする

暖かい場所から寒い場所へ移動すると、血管が収縮して血圧が急激に上がりやすくなります。とくに寒い冬の朝は、以下に注意して寒暖差による血圧上昇を抑えるよう心がけましょう。

・起床後すぐのトイレは、上着を羽織って暖かくして行く
・朝食準備や洗顔、ゴミ出しなど、寒い所に行く際は上着や靴下を着用する

身体を冷やさないよう、心がけてみてください。

質の良い睡眠や十分な休息をとる

睡眠不足や質の悪い睡眠は、自律神経を乱れさせ、朝の血圧を上げるリスクがあります。

眠りの質を高める対策をおこないましょう。
具体的には、日中はできるだけ日光を浴びる、寝る前スマートフォン、パソコンなどの使用を避ける、適度な運動をする、寝る前のカフェインやアルコールは避けるなどが挙げられます。
また、睡眠時無呼吸症候群がある方は、受診して適切な治療を受けましょう。

生活習慣を見直す

血圧を上げやすい生活習慣を見直すと、朝の血圧が落ち着くかもしれません。
以下の生活習慣を意識して生活してみましょう。

・食事の塩分を控える
・野菜や果物などを取り入れたバランスのよい食生活を送る
・禁煙する
・適度な運動をする

少しずつ、できることから始めてみてください。

医師と薬について相談する

血圧の薬を飲んでいても朝の血圧が高い場合、その時間は薬の効果が切れている可能性もあります。医師に相談し、服用時間や種類を調整するのも一つの方法です。ただし、自己判断で薬を調節するのは危険です。

毎朝の血圧や高い時の体調変化などを記録し、受診時に医師へ伝えてみてください。

「朝の血圧が高い」についてよくある質問

ここまで朝の血圧が高い症状について紹介しました。ここでは「朝の血圧が高い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

血圧が一日の中で一番高いのはいつでしょうか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

​​血圧は常に変動しており、通常は日中に一番高くなります。また、季節で言うと、夏より
冬の方が血圧は高くなりやすい傾向があります。

朝の血圧の正常値について教えてください。

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

家庭血圧の正常値は、収縮期血圧(最高血圧)が115mmHg未満かつ拡張期血圧(最低血圧)が75mmHg未満です。
それよりも少し高い正常高値血圧は、収縮期血圧が115〜124mmHgかつ収縮期血圧が75mmHg未満です。

編集部まとめ 朝の血圧が高い時は内科・循環器科を受診しよう!

朝の血圧が高い場合、「早朝高血圧」という朝の血圧が高い状態や「夜間高血圧」で夜の血圧が下がり切っていない状態などの可能性があります。放置すると、脳や心臓の病気のリスクが上がるため、治療薬の変更や生活習慣の改善などが必要です。
気になる症状がある場合は、かかりつけの内科や循環器科を受診してみてくださいね。毎朝の血圧測定を体調維持に役立てましょう。

「朝の血圧が高い」の異常で考えられる病気

「朝の血圧が高い」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

  • 早朝高血圧
  • 夜間高血圧

呼吸器科の病気

腎臓科の病気

内分泌代謝科の病気

朝の血圧が高い場合は、早朝高血圧の可能性があります。心血管系の病気を合併する可能性も高いため、治療が必要な場合もあります。朝の高血圧に気がついたら、早めの受診を検討しましょう。

この記事の監修医師