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「朝の血圧が高いと現れる症状」はご存知ですか?考えられる病気も医師が解説!

 公開日:2025/07/04

朝の血圧が高いと現れる症状とは?Medical DOC監修医が朝の血圧が高い症状の特徴的な病気・疾患も解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「朝の血圧が高い」原因はご存知ですか?朝の血圧が高いと現れる症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

血圧とは?

血圧とは、血液が流れる時に血管の壁にかかる圧力のことで、以下の2種類があります。

l 収縮期血圧(最高血圧):心臓が収縮して血液を送り出す際の圧力
l 拡張期血圧(最低血圧):心臓が拡張して血液が戻る際の圧力

血圧の高さを決める要因は、「血液の量(心臓がどれだけ血液を送り出すか)」と「血管のしなやかさ(血液の流れやすさ)」などです。腎臓や神経系など多くの要因が、血圧の高さに関係します。

また、血圧は測定する場所によって、以下の2種類にも分けられます。

l 家庭血圧:毎日同じ時間に家庭で測る血圧
l 診察室血圧:受診する際、診察室で測る血圧

通常、家庭血圧よりも診察室血圧の方が高くなります。

朝の血圧が高いと現れる症状

朝の血圧が高い場合、血圧を測らなくても体調に異変を感じる場合があります。気になる症状がないか、チェックしてみてください。
なお、受診する際は家庭で測定した血圧の結果を持参すると、より正確性の高い診察が可能です。

頭痛

血圧が高いと、頭痛が出るケースがあります。血圧が高く、朝に飲む血圧の薬をまだ飲んでいない場合は、指示された量の薬を飲んで安静にしましょう。
その後、かかりつけの内科や循環器科へ受診します。ただし、息苦しさやしびれなどをともなうひどい頭痛の場合は、早急な受診が必要な場合があります。救急車の利用も検討してください。

めまい・ふらつき

朝の血圧が高いと、起き上がる時にふらついたり、目の前が暗くなったりすることがあります。
まずは安静にして、いつもの朝の薬を服用しましょう。落ち着いた場合は、かかりつけの内科や循環器科へ受診してください。
ただし、起き上がれないほどの強いめまいやふらつき、息苦しさなどがある場合は、脳や心臓の病気の可能性もあるため早急な受診が必要です。救急車の利用も検討しましょう。

朝のだるさ・疲労感

夜間の血圧が十分に下がらずに睡眠の質が悪くなると、朝起きたときに「疲れが取れていない」「だるい」などと感じる場合があります。原因としては、自律神経の乱れや睡眠時無呼吸症候群などが考えられます。
だるさや疲労感が続く場合は、かかりつけの内科や循環器科を受診しましょう。

動悸・息切れ

血圧が高い状態が続くと心臓に負担がかかり、動悸や息切れが出やすくなります。寝ている間や朝の血圧が高いと、心臓への負担がかかりやすく、心不全や心筋梗塞のリスクが高まることも分かっています。
朝の血圧が高い場合は、安静にして、いつもの朝の薬を服用しましょう。
薬を飲んで落ち着く場合は、かかりつけの内科や循環器科を受診します。しかし、胸の痛みをともなう強い動悸や、呼吸の苦しさが出るほどの息切れの場合は、救急車を呼ぶことも検討してください。

「朝の血圧が高い」症状の特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「朝の血圧が高い」に関する病気を紹介します。
どのような病気や症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

本態性高血圧(一次性高血圧)

血圧のコントロールが安定していないと、朝の血圧が高くなるケースがあります。
本態性高血圧とは、特定の疾患によるものではなく、生活習慣や遺伝的要因が関与すると考えられる高血圧です。高血圧の約90%を占めるといわれており、過剰な塩分摂取やストレス、生活習慣の乱れなどが関わるとされています。

受診先は、かかりつけの内科や循環器科です。今まで落ち着いていたのに、朝の血圧が上がるようになった場合は早めに受診しましょう。

睡眠時無呼吸症候群

眠っているときに何度も呼吸が止まったり浅くなったりして、血液中の酸素が足りなくなる病気「睡眠時無呼吸症候群」[友駒5] によって夜の血圧も上がり、結果として朝の血圧が高く[友駒6] なるケースがあります。
睡眠時無呼吸症候群の治療は、肥満の場合はダイエット、何かの病気が原因の場合はその病気の治療などです。また、CPAPというマスクを睡眠中につけて呼吸をラクにする治療法も一般的です。
ご家族から「いびきがすごい」「寝ている間に呼吸が止まっていた」と言われた、昼間の強い眠気があるなどの方は、かかりつけの内科や呼吸器内科、耳鼻咽喉科などを受診しましょう。

内分泌性高血圧(二次性高血圧)

高血圧には、特定の病気が原因となって起こる「二次性高血圧」というタイプがあります。
そのなかでも原発性アルドステロン症をはじめとする内分泌系の病気を原因とする高血圧(内分泌性高血圧)も、夜の血圧が下がりにくくなり、朝の血圧が高くなりやすいです。
原発性アルドステロン症の原因は、「副腎にできた腫瘍」と、「左右の副腎から過剰に分泌されるアルドステロン」の2種類です。
腫瘍が原因の場合は手術療法、アルドステロンの過剰分泌の場合は薬物療法をおこないます。
自覚症状は高血圧のみのケースが多く、自分で原発性アルドステロン症を疑うのは困難です。基本的にはかかりつけの内科を受診し、必要に応じて内分泌内科を紹介されることになるでしょう。

「朝の血圧が高い」についてよくある質問

ここまで朝の血圧が高い症状について紹介しました。ここでは「朝の血圧が高い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

血圧が一日の中で一番高いのはいつでしょうか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

​​血圧は常に変動しており、通常は日中に一番高くなります。また、季節で言うと、夏より
冬の方が血圧は高くなりやすい傾向があります。

朝の血圧の正常値について教えてください。

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

家庭血圧の正常値は、収縮期血圧(最高血圧)が115mmHg未満かつ拡張期血圧(最低血圧)が75mmHg未満です。
それよりも少し高い正常高値血圧は、収縮期血圧が115〜124mmHgかつ収縮期血圧が75mmHg未満です。

編集部まとめ 朝の血圧が高い時は内科・循環器科を受診しよう!

朝の血圧が高い場合、「早朝高血圧」という朝の血圧が高い状態や「夜間高血圧」で夜の血圧が下がり切っていない状態などの可能性があります。放置すると、脳や心臓の病気のリスクが上がるため、治療薬の変更や生活習慣の改善などが必要です。
気になる症状がある場合は、かかりつけの内科や循環器科を受診してみてくださいね。毎朝の血圧測定を体調維持に役立てましょう。

「朝の血圧が高い」の異常で考えられる病気

「朝の血圧が高い」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

  • 早朝高血圧
  • 夜間高血圧

呼吸器科の病気

腎臓科の病気

内分泌代謝科の病気

朝の血圧が高い場合は、早朝高血圧の可能性があります。心血管系の病気を合併する可能性も高いため、治療が必要な場合もあります。朝の高血圧に気がついたら、早めの受診を検討しましょう。

この記事の監修医師