「朝の血圧が高い」原因はご存知ですか?朝よりも夜の血圧が高い原因も医師が解説!

朝の血圧が高い原因とは?Medical DOC監修医が解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「朝の血圧が高い」原因はご存知ですか?朝の血圧が高いと現れる症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
血圧とは?
血圧とは、血液が流れる時に血管の壁にかかる圧力のことで、以下の2種類があります。
l 収縮期血圧(最高血圧):心臓が収縮して血液を送り出す際の圧力
l 拡張期血圧(最低血圧):心臓が拡張して血液が戻る際の圧力
血圧の高さを決める要因は、「血液の量(心臓がどれだけ血液を送り出すか)」と「血管のしなやかさ(血液の流れやすさ)」などです。腎臓や神経系など多くの要因が、血圧の高さに関係します。
また、血圧は測定する場所によって、以下の2種類にも分けられます。
l 家庭血圧:毎日同じ時間に家庭で測る血圧
l 診察室血圧:受診する際、診察室で測る血圧
通常、家庭血圧よりも診察室血圧の方が高くなります。
朝の血圧が高い原因
血圧は常に変動しており、通常は朝の目覚めと共に上昇して夜間や睡眠中は低くなります。
しかし、何らかの原因によって、朝の血圧が高くなるケースがあります。
ここからは、朝の血圧が高くなる原因を解説します。
早朝高血圧
「早朝高血圧」とは、診察室血圧が140/90mmHg未満の場合で、早朝に計測した家庭血圧の平均値が135/85mmHg以上の場合を指します。
早朝高血圧を放置すると、臓器に負担がかかったり脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などのリスクを高めたりするため、治療が必要です。
受診する医療機関は、かかりつけの内科もしくは循環器内科です。朝の血圧が高い日が続いたり、起きた時の頭痛やふらつきが続いたりする場合は、早めの受診を検討するとよいでしょう。
夜間高血圧
夜間高血圧とは、夜間血圧(眠っているときの血圧)の平均が120/70mmHg以上になる状態です。
夜に上がった血圧が朝まで下がらずに持続すると、朝の血圧が高くなるケースがあります。
夜間高血圧を放置すると、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などのリスクが上昇したり、認知機能・身体機能の低下につながったりするおそれがあります。
朝の血圧が高い日が続いたり、朝起きた時に頭痛やふらつきが出たりする場合は、早めにかかりつけの内科や循環器科を受診しましょう。
睡眠不足やストレス
睡眠不足やストレスによっても、朝の血圧が上がる可能性があります。睡眠不足やストレスは自律神経を乱し、血圧コントロールを悪化させるリスクも考えられます。
「夜眠れない」「イライラする日が続いている」などがある場合は、かかりつけ医または心療内科へ相談しましょう。
薬の効果が切れかかっている
血圧の薬を朝に服用している場合、朝起きてすぐは薬の効果が切れかかっている可能性があります。
ただし薬の種類によって作用する時間や強さは異なるため、自己判断で薬の服用タイミングや種類を変えてはいけません。
朝の血圧が高めの日が続く場合、測定した血圧の記録を次回の受診時にかかりつけ医へ見せて相談するとよいでしょう。
ただし、血圧上昇による頭痛やふらつきなどがある場合は、受診日を待たず、早めにかかりつけの内科や循環器科へ相談しましょう。
朝よりも夜の血圧が高い原因
通常の人の場合、自律神経のはたらきにより夜間血圧は活動している昼間よりも10〜20%低下するといわれています。しかし、何らかの原因によって夜の血圧が高くなるケースもあります。
夜間高血圧
「夜間高血圧」とは、睡眠中の血圧の平均が120/70mmHg以上になる状態を指します。高齢者や糖尿病、慢性腎臓病や睡眠時無呼吸症候群などがある方は、夜間高血圧になりやすいといわれています。
毎日の血圧を正しく測り、血圧の高い日が続く場合は早めにかかりつけの内科もしくは循環器科を受診しましょう。
自律神経の異常
自律神経は、呼吸・体温・血圧などを調整する働きがあります。この自律神経のバランスが乱れると、夜間の血圧が正常に下がらず、高血圧の状態が続くことがあります。
夜の血圧が高い日が続く、ふらつきや立ちくらみが出るなどの場合はかかりつけの内科や循環器科へ受診しましょう。
「朝の血圧が高い」についてよくある質問
ここまで朝の血圧が高い症状について紹介しました。ここでは「朝の血圧が高い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
血圧が一日の中で一番高いのはいつでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
血圧は常に変動しており、通常は日中に一番高くなります。また、季節で言うと、夏より
冬の方が血圧は高くなりやすい傾向があります。
朝の血圧の正常値について教えてください。
伊藤 陽子(医師)
家庭血圧の正常値は、収縮期血圧(最高血圧)が115mmHg未満かつ拡張期血圧(最低血圧)が75mmHg未満です。
それよりも少し高い正常高値血圧は、収縮期血圧が115〜124mmHgかつ収縮期血圧が75mmHg未満です。
編集部まとめ 朝の血圧が高い時は内科・循環器科を受診しよう!
朝の血圧が高い場合、「早朝高血圧」という朝の血圧が高い状態や「夜間高血圧」で夜の血圧が下がり切っていない状態などの可能性があります。放置すると、脳や心臓の病気のリスクが上がるため、治療薬の変更や生活習慣の改善などが必要です。
気になる症状がある場合は、かかりつけの内科や循環器科を受診してみてくださいね。毎朝の血圧測定を体調維持に役立てましょう。
「朝の血圧が高い」の異常で考えられる病気
「朝の血圧が高い」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
循環器科の病気
- 早朝高血圧
- 夜間高血圧
呼吸器科の病気
腎臓科の病気
内分泌代謝科の病気
朝の血圧が高い場合は、早朝高血圧の可能性があります。心血管系の病気を合併する可能性も高いため、治療が必要な場合もあります。朝の高血圧に気がついたら、早めの受診を検討しましょう。