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「善玉コレステロール」を増やす「食べ物・飲み物」はご存知ですか?医師が解説!

 公開日:2024/12/12

血液中の善玉コレステロール(HDL)とは?Medical DOC監修医が基準値や気を付けるべき生活習慣や病気のリスク・対処法などを詳しく解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「善玉コレステロール」を増やす食べ物はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

血液中の善玉コレステロール(HDL)値が低い人が、増やすためには?

善玉コレステロールを増やす食べ物

善玉コレステロールを増やす食べ物としては、果物、野菜、未精製の穀物、ナッツ類、魚介類、ヨーグルトやチーズといった乳製品をバランスよく摂り、油はオリーブオイルを用い、肉は少量にとどめる、いわゆる「地中海食」が効果的と言われています。
地中海食の特徴としては不飽和脂肪酸が多く、ビタミンEやオメガ3脂肪酸などが悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールの生成の助けになるとされています。
飲み物としてはお茶、コーヒー、ココアなどがそれぞれカテキン、ニコチン酸、ポリフェノールの働きにより悪玉コレステロールを下げる効果が期待できます。
食事だけで賄えない場合はサプリを用いることも検討してみてください。フィッシュオイルは高脂血症の薬にも使われています。DHAやEPAの量が多く、純度の高いサプリメントがおすすめです。

善玉コレステロールを増やす生活習慣

善玉コレステロールを増やす方法として効果的な生活習慣には、適度な運動、禁煙、過度な飲酒を控えるなどが挙げられます。
運動は有酸素運動が効果的で、中性脂肪を燃焼させて善玉コレステロールを高める効果が期待できます。激しい運動である必要はありませんので、ウォーキングやジョギングなど、一回あたり30分程度、週3回以上が目安です。運動による肥満の解消も善玉コレステロールを高めるには有効です。
また、喫煙は善玉コレステロールを下げるとともに、悪玉コレステロールの増加につながります。過度な飲酒は肝臓に負担をかけ、コレステロールの代謝を妨げますので、善玉コレステロールを増やすには禁煙、酒量を減らすことも重要です。

「善玉コレステロール」についてよくある質問

ここまで善玉コレステロールについて紹介しました。ここでは「善玉コレステロール」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

悪玉コレステロールと善玉コレステロールの違いは何ですか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

悪玉コレステロールとは、LDLコレステロールとも呼ばれるもので、肝臓から全身にコレステロールを運ぶ働きがあります。しかし、悪玉コレステロールが多すぎると、血管壁にコレステロールがこびりついて動脈硬化や心臓病のリスクを高めます。
善玉コレステロールとは、HDLコレステロールとも呼ばれるもので、全身から余分なコレステロールを回収して肝臓に運ぶ働きがあります。善玉コレステロールは、動脈硬化や心臓病のリスクを低下させる効果があるとされています。
コレステロールは、細胞膜やホルモンの材料として必要なものですが、適切なバランスを保つことが重要です。
悪玉コレステロールは少なく、善玉コレステロールは適度に多い状態であることが望ましいです。

善玉コレステロール(HDL)が少ないとどんな健康リスクがありますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

善玉コレステロール(HDL)が少ないことで考えられる健康リスクとしては、血管が硬くなる、狭くなることによる動脈硬化や心臓病、脳卒中などが挙げられます。
また、糖尿病の方は脂質異常症になりやすいため、善玉コレステロールが下がり、負の相乗効果となりますので、生活習慣を見直すようにしてください。

血液検査で善玉コレステロール(HDL)が高いのは女性に多い現象ですか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

40才代までの女性は、ホルモンの作用により男性よりも善玉コレステロール値がおよそ10mg/dlほど高い傾向にあります。

善玉コレステロールが多いと長生きできますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

善玉コレステロールが多いと長生きできるかどうかは、一概には言えません。善玉コレステロールは、血管壁にこびりついたコレステロールを回収して肝臓に運ぶ働きがあり、動脈硬化や心臓病のリスクを低下させる効果があるとされています。しかし、善玉コレステロールが高すぎると、逆に心疾患やがんのリスクが上昇する可能性もあるという研究もあります。また、善玉コレステロールが高い人は、遺伝的な要因や飲酒の影響などが考えられます。
したがって、善玉コレステロールが多いだけでは、長生きできるとは限りません。

ヨーグルトを毎日食べると善玉コレステロールは増えますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

ヨーグルトに含まれる乳酸菌が腸内の善玉菌のバランスを整えることで、中性脂肪の代謝の促進やコレステロールの数値を正常化する働きが期待できる点はあります。
ただし、ヨーグルトに含まれる糖分や添加物がかえって脂質異常症を悪化させる可能性もあります。
ヨーグルトだけで善玉コレステロールが増えるとは言い難いため、召し上がる場合は無糖かつ低脂肪または無脂肪のものを選び、他の食品とのバランスを考えて摂取するようにしてください。

善玉コレステロール(HDL)の数値が高すぎても危険なのはなぜですか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

善玉コレステロールのすべてが悪玉コレステロールの運び屋ではないため、善玉コレステロールが多すぎても逆に動脈硬化が進む恐れがあります。他にも善玉コレステロール値が高すぎると心疾患やがんになる人が増えるとも考えられています。

まとめ 善玉コレステロールを正しく知って健康管理

コレステロールには善玉(HDL)と悪玉(LDL)がありますが、適正な範囲であればそのどちらも私たちの身体にとって無くてはならないものです。
生活習慣や食習慣などによって善玉と悪玉のバランスが崩れてしまうと、血管が傷んで恐ろしい病気を招くこともあります。
健康的な生活を送るために、日頃からの定期的な健康診断で身体の状態をチェックし、適度な運動とバランスの良い食事で身体を整えていきましょう。

「善玉コレステロール」の異常で考えられる病気

「善玉コレステロール」の異常から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

脳血管系の病気

  • 虚血性脳血管障害

腎泌尿器系の病気

内分泌代謝系の病気

消化器系の病気

悪玉(LDL)コレステロールが高いと血管が傷み、さまざまな病気を招きます。一方で善玉(HDL)コレステロールが高すぎてもまた病気のリスクが高まります。善玉を適正な範囲で高め、悪玉を減らすように生活習慣を整えていきましょう。

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