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【闘病】セカンドオピニオンで納得してたら危なかった… 血液のがん「悪性リンパ腫」

 公開日:2025/07/06
【闘病】セカンドオピニオンで納得してたら… 「悪性リンパ腫」は5院目で判明

健康診断で偶然引っかかった腫瘍マーカーをきっかけに、「念のため」の受診を重ねたRoMiさん(仮称)。特に体調不良もなく、日々元気に過ごしていた矢先の「悪性リンパ腫」の告知は、電話で突然もたらされました。違和感に耳を傾け、自ら行動したからこそつながった早期発見と、抗がん剤治療・自家移植・放射線治療にわたる闘病の記録を語っていただきました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年3月取材。

> 【イラスト解説】「悪性リンパ腫の首のしこりの特徴」はご存知ですか?

RoMiさん

体験者プロフィール
RoMi(仮称)

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2019年3月29日、悪性リンパ腫と診断される(当時37歳)。同年4月よりR-CHOP療法(抗がん剤治療)+髄注(4回)→自家移植(造血幹細胞移植)→放射線治療(22回)を経て、2020年2月21日に寛解。2022年5月下旬~9月上旬、再発疑いで4度の生検も「異常なし」。現在、4ヵ月おきに経過観察中(取材時、現在は半年に1度)。職業はフリーの翻訳者(韓国語)兼ライター。

鎌田 百合

記事監修医師
鎌田 百合(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

「異常なし。半年後に再検査」と言われていた

「異常なし。半年後に再検査」と言われていた

編集部編集部

最初に不調や違和感を覚えたのはいつですか?

RoMiRoMiさん

診断の半年くらい前から、右の脇に痛みが走ることがありました。とくに激痛でもなく、生理前に胸のあたりや脇周辺が少し痛むような感覚でした。本当にその程度で、体調不良などは全くなかったのです。悪性リンパ腫の症状である発熱や体重減少、寝汗などもありませんでした。健康診断も毎年受けていました。30代ということもあり乳がん、婦人科疾患などもかなり細かくチェックしてもらっていたつもりです。

編集部編集部

そこからどうやって診断となったのですか?

RoMiRoMiさん

2018年秋の健康診断で、血液検査の「CA125」という項目が引っかかったのが最初でした。これは卵巣がん、婦人科系の病気で上昇する腫瘍マーカーらしいです。オプションで調べてもらったのですが、意図はなく何気なく追加したのを覚えています。ちなみに正常値が35以下のところ、私は100近くありました。

編集部編集部

それで再検査を受診されたのですか?

RoMiRoMiさん

検診センターからの紹介状を持参し、総合病院の婦人科を受診しました。結果は「異常なし」。子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、内膜症、特別な腫れなど、異常は見当たらなかったのですが、やはりCA125の数値は高く「半年後に再検査しましょう」ということで終了しました。

編集部編集部

異常なしと言われたのですね。

RoMiRoMiさん

そうです。その時は「半年後また検査しよう」と思って帰宅したのですが、後になって「そういえば脇に痛みが出ることがあった」と、ネット検索してみたところ「乳がんや乳腺炎の可能性もある」とのことでした。念には念を入れる気持ちで、改めて乳がん専門クリニックで乳がん検診を受けることにしました。この時点で右の脇が腫れてきていて(「豊胸してないですよね?」と聞かれました)、「リンパ節炎」と診断されました。しかし、エコーでは約7cmの「何か」が見えたそうで「こんなに腫れているのは見たことがないから、もし不安なら内科系を受診してください」とのアドバイスをいただきました。かかりつけのクリニックに相談したところ、先生も「腫れが気になる」とのことで、大学病院を紹介してくれました。このときには首の付け根のリンパ節も腫れていました。

編集部編集部

そこで診断されたのですか?

RoMiRoMiさん

はい。大学病院でもやはり「リンパ節の腫れが大きすぎる」と言われました。CT、乳腺外科でのエコー、そして検査入院での生検などの検査をして、2週間後「悪性リンパ腫」と告げられました。健康診断から4ヵ月弱経っていました。

電話で突然の告知

電話で突然の告知

編集部編集部

どのように告知されたのですか?

RoMiRoMiさん

生検手術から2週間後に、結果を聞くため受診予約をしていたのですが、その前日に主治医から電話がありました。「型(タイプ)がはっきりしないから、診察日を延ばしたい」とのことでした。悪性リンパ腫には型(タイプ)が数十種類あるようで、その型が判断できないということのようです。それまで「悪性リンパ腫疑い」としか聞かされていなかったのに、悪性リンパ腫という前提で話をされたので、この電話が私にとっての事実上の告知ということになりました。

編集部編集部

どんな気持ちでしたか?

RoMiRoMiさん

「電話で告げるんだ……」と思ったと同時に、何を言われたのか理解できなかったというか、他人事のように主治医の話を聞いていました。ただ、その電話で、私が主治医に最初に質問したのが「私、髪抜けるんですか?」だったことははっきりと覚えています。

編集部編集部

どんな病気なのでしょうか?

RoMiRoMiさん

悪性リンパ腫(型=T細胞/組織球に富むB細胞リンパ腫)。血液のがんです。まずは抗がん剤を6クール行い、その後、状況によって自家移植(造血幹細胞移植)も検討するということでした。ただ、年齢が30代と若かったので、体力的にも、再発防止のためにも自家移植はしたほうがいいとも説明されました。

編集部編集部

そのときの心境について教えてください。

RoMiRoMiさん

主治医と病院に任せようとしか考えていませんでした。主治医を信じようと思いました。ただ、抗がん剤に対する恐怖はありました。ドラマや映画で見る副作用のイメージがあまりにも強かったからです。

編集部編集部

実際の治療はどのようにすすめられましたか?

RoMiRoMiさん

2019年4月~2020年1月の間に、R-CHOP療法(抗がん剤治療)+髄注(4回)→自家移植→放射線治療(22回)を行いました。

編集部編集部

今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか?

RoMiRoMiさん

食事に気をつけていればよかったとか、空気のいい場所で過ごしていればよかったとか、適度に運動していればよかったとか、ストレスになることを避ければよかったとか、考えたらキリがありません。でも正直、病気になるのは運もあると思います。私は飲酒も喫煙もしませんので。逆に、セカンドオピニオンで安心してしまって、検査をストップしていたら今ごろどうなっていたのだろうと、たまに思うことがあります。私は5か所目の医療機関でがんと分かりましたので、病気になってよかったなんて1mmも思いませんが、自分の体に対する直感を信じたことはよかったと思います。

(後編)【闘病】便失禁、おむつ… これががん治療のリアル

※この記事はメディカルドックにて『【闘病】セカンドオピニオンで納得してたら… 「悪性リンパ腫」は5院目でやっと判明』と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

この記事の監修医師