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【闘病】顔の左側に異変、3日後には左手も使えなった…「視神経脊髄炎関連疾患」

 更新日:2025/06/18
【闘病】「今では出来なくなってしまったことも…」 視神経脊髄炎関連疾患を乗り越えて

突然現れた顔面や手の麻痺。多発性硬化症と診断されながらも、セカンドオピニオンを経て「視神経脊髄炎関連疾患」(かつての「視神経脊髄炎」は視神経脊髄炎関連疾患と呼ばれています)と判明した菊池未帆さん。原因がわからず不安を抱えた日々から、治療を続けながら寛解を維持する現在までの経緯をお聞きしました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年1月取材。

菊池未帆さん

体験者プロフィール
菊池 未帆

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東京都在住。1972年生まれ。家族構成1児の母。現在は母子家庭。診断時職業は派遣社員:インターネットサイトなどのクリエイティブ職。2018年に左手、左足が麻痺し、自宅近くの総合病院に入院。多発性硬化症と診断され、ステロイドパルス療法で急性期を乗り越える。現在はプレドニン、プレドニゾロンは服用しておらず、月に1度の血漿交換治療で寛解期が継続中。日々取り組んでいることは、ストレッチ、ベッドの上でできる簡単な筋トレを毎日3回。冬場はスキーへ行き、普段は積極的に有酸素運動をしている。

出口 誠

記事監修医師
出口 誠(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

顔面の左側と左手が突如動かなくなる

顔面の左側と左手が突如動かなくなる

編集部編集部

病気に気がついたきっかけを教えてください。

菊池未帆さん菊池さん

2018年11月ごろに、左顔面の動きが悪くなり、三日後には左手が使えなくなりました。それがきっかけですね。

編集部編集部

それが最初の異変だったのですか?

菊池未帆さん菊池さん

実は1992年にも似たような症状があり、都内の脳神経外科に入院して、検査を受けたものの、診断がつかず原因不明のままになっていました。2018年11月に症状が出た際は、自宅近くの総合病院を受診し、多発性硬化症との診断で、ステロイドパルス療法を2クール行い、2019年に入っても治療は続きました。

編集部編集部

菊池さんが患ったのは視神経脊髄炎関連疾患と聞いていますが、受診した病院ではどのような説明が?

菊池未帆さん菊池さん

脳神経内科を受診したのですが、「CTとMRIの結果、脳に何かしらの影がある。しかし、血管が切れたような像ではないので、もしかしたら多発性硬化症かもしれない」と伝えられました。脳脊髄液検査をするとも説明されました。

よくわからない病気に戸惑う

よくわからない病気に戸惑う

編集部編集部

多発性硬化症と言われた時、どのような心境でしたか?

菊池未帆さん菊池さん

聞いた事もない病気でしたので、ただただ戸惑うばかりでした。家族も私と同じで、よくわかってないような状態でしたね。

編集部編集部

医師から受けた治療方針などについても教えてください。

菊池未帆さん菊池さん

ステロイドパルス点滴をして、その後は薬の服用になると説明されました。ステロイドパルス(ソルメドロール)点滴、プレドニン、プレドニゾロンの服用、プログラフの服用がありました。

編集部編集部

その後の経過はどうでしたか?

菊池未帆さん菊池さん

ステロイドパルス療法1クールで症状は治まったものの、左手の麻痺が3ヶ月に一度ぐらいの頻度で再発し、その度にステロイドパルス療法を施すという繰り返しでした。また、ステロイドパルスの副作用により眠ることができなくなったり、食べ物の味も美味しく感じられなくなったりしました。

編集部編集部

セカンドオピニオンも受けられたそうですが、そこで視神経脊髄炎関連疾患と診断されるのですか?

菊池未帆さん菊池さん

はい。入院した最初の病院では多発性硬化症の専門医がいなかったので、専門医のいる病院でセカンドオピニオンを受けるようにと進言があり、受診することにしました。セカンドオピニオンではMRI、血液検査を受けた結果、多発性硬化症ではなく、似た病気である視神経脊髄炎関連疾患と診断されました。そのときのセカンドオピニオンの医師が現在の主治医です。

編集部編集部

現在の病院での治療はいかがですか?

菊池未帆さん菊池さん

2020年7月、血漿交換治療を開始しました。7回の血漿交換完了後に症状が悪化しましたが、その後にステロイドパルス療法3クールを行って、ほぼ寛解の状態になりました。プレドニン、プレドニゾロンを徐々に減量し、現在は月に1度の血漿交換治療だけで寛解期が継続中です。

(後編)【闘病】患者会との出会いとその後

※この記事はメディカルドックにて『【闘病】「今では出来なくなってしまったことも…」 視神経脊髄炎関連疾患を乗り越えて』と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師