「歯の痛み」は肩こりや神経痛が原因!? 隠れた非歯原性歯痛とは? 【医師解説】

「歯の痛み」と聞くと、多くの方がまず「むし歯」を思い浮かべることでしょう。しかし、歯科の病気の中にはむし歯以外にも歯の痛みを引き起こすものがあります。さらに、歯痛の中には歯や歯ぐきに明らかな異常がないにもかかわらず、「歯が痛い」と感じるケースもあるようです。そこでむし歯以外で歯の痛みを感じる非歯原性歯痛について、ふるた歯科医院の古田先生に解説してもらいました。
編集部
歯や歯ぐきに異常がなくても、歯が痛むこともあるのでしょうか?
古田先生
歯や歯ぐきに問題がなくても歯痛を訴えて来院される方も一定数いらっしゃいます。厳密に言うと、実際に歯が痛いわけでなく「歯が痛く感じる」というケースです。このように、歯や歯ぐきに異常がないのに感じる歯痛を、専門的に「非歯原性歯痛」と呼んでいます。
編集部
非歯原性歯痛は、何が原因で歯に痛みを感じるのでしょうか?
古田先生
非歯原性歯痛の原因は多岐にわたります。例えば、食べ物を噛むときに使う筋肉や首、肩の筋肉に痛みが生じた場合に、その関連痛として歯に痛みを感じることがあります。
編集部
肩こりや首のこりが原因で歯に痛みを感じることもあるのでしょうか?
古田先生
むし歯かなと思って検査したら、肩こりや首のこりが原因だったというケースは意外とよく見受けられます。その肩こりや首のこりが、噛み合わせや歯ぎしり・食いしばりに関連していることも少なくありません。非歯原性歯痛ではこのようにいくつかの要因が複合的に重なり、歯に痛みを感じるケースも多くみられます。
編集部
そのほかに、非歯原性歯痛が起こる原因で考えられるものはありますか?
古田先生
子どもの頃に水ぼうそうにかかった方が、発症する「帯状疱疹」でも初期に歯の痛みをともなうことがあります。そのほかに三叉神経痛、舌咽神経痛などの神経障害でも、それに関連して歯に痛みを感じることがあります。

監修歯科医師:
古田 絢也(ふるた歯科医院)
※この記事はメディカルドックにて<「歯の急な痛みや腫れでもすぐに歯医者に行けない場合」の応急処置 ポイントや注意点を歯科医が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。