「乳がんの予防法」はご存知ですか?再発を予防する方法も医師が徹底解説!

乳がんの予防法とは?Medical DOC監修医が乳がんの予防法・再発を予防する方法を解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「乳がんを予防」する可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が徹底解説』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
山田 美紀(医師)
目次 -INDEX-
「乳がん」とは?
乳がんは乳房の組織にできる悪性腫瘍です。乳がんは検診や乳房のしこりで発見されることが多いです。乳がんは女性のがんの中では最多であり、日本では、9人に1人の女性が一生に1回は乳がんを経験するとされています。
乳がんの予防法
禁煙
喫煙はほぼ確実に乳がん発症の危険性を増加させます。喫煙している人も禁煙を始めた時点から乳がんの発症リスクが下がります。喫煙は乳がんに限らず、さまざまな病気の原因となります。少しでも早く禁煙しましょう。
過度の飲酒を控える
アルコール飲料の摂取は、閉経前後にかかわらず、乳がん発症リスクを上昇させてしまうことが分かっています。飲酒量が増えるほどリスクが高まるということもわかっています。乳がん予防の観点からは、過度の飲酒は控えた方が良いでしょう。
運動習慣
乳がんの発症にはエストロゲンという女性ホルモンが関与しています。そして、運動が性ホルモンに対して関連していることが知られています。閉経後では、運動習慣が乳がん発症リスクを下げることがほぼ確実とされています。閉経前では強度の高い運動をすることで乳がん発症リスクが低くなる可能性があります。閉経後の女性はウォーキングやジョギングなどの運動をぜひ習慣づけてみましょう。閉経前の女性もエアロビクス、水泳、ランニングなどの高強度の運動を行うとよいでしょう。
乳製品の適度な摂取
乳製品の摂取により、乳がんの発症リスクが下がる可能性があるといわれています。乳製品はビタミンDやカルシウムが豊富に含まれているため、乳がん発症リスクを減らすと考えられています。しかし、脂肪を多く含む乳製品を摂りすぎはリスクを高める可能性もあり、注意が必要です。
大豆やイソフラボンの摂取
大豆食品や大豆食品に含まれるイソフラボンが乳がんの発症リスクを減少させる可能性が示されています。サプリメントなどの高用量のイソフラボン摂取の安全性については証明されてないため、食事から摂取することをおすすめします。
乳がんの再発を予防する方法
たばこをやめる
たばこを吸うことにより、乳がんの再発リスクが増加する可能性があります。また、乳がんによる死亡リスクが高くなることもほぼ確実とされています。なるべく早く禁煙しましょう。
太らない
乳がんと診断された時点で肥満である場合、再発リスク、乳がん死亡リスク、全死亡リスクが高いことは確実とされています。また、乳がん診断時より体重が増加した場合も再発リスク、乳がん死亡リスク、全死亡リスクが高いことはほぼ確実です。太らないように生活習慣を心掛けましょう。
身体活動を高く保つ
乳がんの診断後に身体活動を高く保つことにより、乳がん死亡リスク、全死亡リスクが減ると研究で示されています。ウォーキングやランニングなどの有酸素運動が推奨されており、運動習慣を維持しましょう。
食事からのイソフラボンの摂取
食事によるイソフラボンの摂取は乳がん患者さんの再発リスクを減少させる可能性があるとされています。大豆食品からの適度なイソフラボンの摂取が勧められます。
薬物治療
乳がんの治療は手術などの局所治療と薬による全身治療を組み合わせて行います。乳がんを手術で切除した後、乳がんのタイプや患者さんの状態に合わせて、再発リスクをさげるための薬物治療を行います。
「乳がんの予防」についてよくある質問
ここまで乳がんの予防法などを紹介しました。ここでは「乳がんの予防」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
乳がんはマッサージで予防することはできますか?
山田 美紀 医師
乳がんはマッサージで予防することはできません。乳がんの治療後に腕のリンパ浮腫が生じた場合は、リンパマッサージとスリーブの装着で治療を行います。自己流ではなく、専門の看護師や理学療法士に相談しましょう。リンパ浮腫外来を受診することができます。
編集部まとめ
乳がんの予防法や乳がん再発の予防法についてご紹介しました。乳がんの一因として遺伝がありますが、多くは食生活などの環境要因が複雑に関わって発症していると考えられます。少しでもリスクを下げるために、喫煙や過度な飲酒は控え、バランスの取れた食生活と運動習慣を心がけましょう。
「乳がんの予防」と関連する病気
「乳がんの予防」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
婦人科の病気
- 卵巣がん(遺伝性乳がん卵巣がん症候群の場合)
内分泌代謝科の病気
遺伝性乳がん卵巣がん症候群の場合、乳がん発症リスクが高いです。定期的な検診が必要です。予防的乳房切除を保険適用で行うこともできます。糖尿病は乳がんのリスクです。糖尿病の治療をしっかりと行い、定期的な乳がん検診を行うことが大切です。
「乳がんの予防」と関連する症状
「乳がんの予防」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 乳房のしこり
- 血性乳頭分泌
- 乳頭乳輪のただれ
- 乳房の変形
これらは乳がんの代表的な症状です。しこりや血性乳頭分泌は良性乳腺疾患でも自覚することがあります。症状があれば、早めに乳腺科を受診しましょう。