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「大腸ポリープを予防する可能性の高い食べ物」はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2024/12/31

大腸ポリープができやすい人の食生活とは?Medical DOC監修医が大腸ポリープができやすい人の食生活・特徴・原因・予防する食べ物・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「大腸ポリープができやすい人の食生活」はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

和田 蔵人

監修医師
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)

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佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。

「大腸ポリープ」とは?

ポリープとは、病名ではなく、粘膜の一部がいぼの様に盛り上がった腫瘤の総称です。大腸ポリープは大腸にできる球状の突起物のことをいいます。

大腸ポリープの種類

大腸ポリープは大きく分けて、腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに分類されます。これらのポリープは病理組織で区別されます。それぞれのポリープの違いについて解説しましょう。

腫瘍性ポリープ

腫瘍性ポリープは良性の「腺腫(せんしゅ)」と悪性のがんに分けられます。腺腫は大きくなるほどがんを含む可能性が高くなります。6mm以上の腺腫はがんを含む可能性が高くなるため切除が勧められます。大腸がんの大部分は腺腫ががん化したものです。ポリープを早期に診断し、がん化する前に切除することが必要です。ポリープの形状や見た目、個数や患者さんの全身状態から切除の判断をします。

非腫瘍性ポリープ

非腫瘍性ポリープは、「過誤腫性ポリープ」「炎症性ポリープ」「過形成性ポリープ」などに分類されます。非腫瘍性ポリープの多くは良性のため、切除せず経過観察をすることが多いです。しかし、大きくなると出血や、腸閉塞や腸重積の原因となることもあるため切除を検討することもあります。

大腸ポリープを予防する食べ物・食生活

肉食に偏らず、野菜などの食物繊維を摂り、過食を予防するバランスの良い食事が大切です。また、節酒も重要ですので、ぜひ実践しましょう。

食物繊維

大腸がんにおいて、食物繊維が非常に少ない人で大腸がんのリスクが高くなることが報告されています。予防するためのはっきりとした摂取量についてはわかっていません。多く摂ればとるほど大腸がんを予防できるというわけではないようです。しかし、食物繊維の摂取量不足は明らかな大腸がんのリスクとなるため、極端に野菜、キノコなどの食物繊維が少ない偏食にならないようにしましょう。

カルシウム・ビタミンDを含む食事

大腸がんのリスクはカルシウムの摂取量が少ない人と比較して、摂取量が多くなると、大腸がんの発生リスクが低くなりました。また、カルシウムとビタミンDの両方の摂取量が多いと大腸がんの発生リスクが低くなることもわかっています。カルシウムはがんの発生に関与する二次胆汁酸を吸着する事、細胞増殖や分化に直接作用してがんの発生を予防していると考えられています。ビタミンDはカルシウムの吸収に影響しているため、両方の摂取量が高い群で大腸がんのリスクが低くなったと考えられています。これからのさらなる研究が待たれますが、カルシウムやビタミンDを多く含む食事を摂ることも大腸がんを予防すると考えられます。
カルシウムが多い食材:牛乳、チーズ、ヨーグルト、煮干し、昆布、ひじき、ゴマ
ビタミンDが多い食材:きくらげ、シラス、鮭、いわし、さんま、しいたけ、卵黄

大腸ポリープの予防法

今までの危険因子をふまえ、予防法を考えましょう。

  • ・禁煙
  • ・節酒
  • ・適度なカロリー摂取
  • ・バランスの良い食事(肉食が過剰にならず、食物繊維をしっかりとる、カルシウムやビタミンDの摂取もする)
  • ・定期的な運動をして肥満を防ぐ

これらの事に気を付け、大腸がんを予防しましょう。特に家族歴がある方では注意が必要です。また、40代以上で定期的に大腸がん検診を受けることも非常に有効です。早期に治療をすれば大腸がんは完治が見込める病気です。症状が分かりづらいため、定期的ながん検診で早期に発見しましょう。

「大腸ポリープができやすい人の食事」についてよくある質問

ここまで大腸ポリープができやすい人の食事などを紹介しました。ここでは「大腸ポリープができやすい人の食事」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

大腸ポリープができるのは体質と関係ありますか?

和田 蔵人和田 蔵人 医師

遺伝的要因も関係があると考えられています。家族で大腸がんの既往がある方がいる場合には気を付ける必要があります。

大腸ポリープができた場合、控えた方がいい食品を教えてください。

和田 蔵人和田 蔵人 医師

大腸がんの危険因子となる食べ方をしないようにしましょう。具体的には、アルコール、赤肉や加工肉の食べ過ぎ、カロリーを多く摂りすぎて太らないようにすることが大切です。

大腸ポリープ切除後に控えた方がいい食品を教えてください。

和田 蔵人和田 蔵人 医師

ポリープを切除した直後はなるべく腸に負担をかけるものを避けて消化の良いものの摂取が勧められます。食物繊維が多い野菜や果物の摂取、脂っこいもの、刺激になるような香辛料、アルコールを避けましょう。
日にちが経った後は、大腸ポリープ・大腸がんを防ぐために赤肉・加工肉を避け、アルコールは適量で過剰にならないようにすることが勧められます。また、食物繊維はしっかり摂り、バランスの良い食事にしましょう。

編集部まとめ

大腸ポリープ・大腸がんは日本人で非常に多い病気であり、近年増加傾向です。大腸がんは、生活習慣を整えることで予防をすることもできます。禁煙・節酒とともに過剰なカロリーを避け、バランスの良い食事を摂り、適度な運動をすることが大切です。
しかし、大腸ポリープは自覚症状がないことが多く、40代を過ぎたころから定期的ながん検診を受け早期に大腸がんを発見し治療することも大切です。特に、家族歴がある方では注意が必要です。消化器内科で相談をしてみましょう。

「大腸ポリープができやすい人の食事」と関連する病気

「大腸ポリープができやすい人の食事」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

代謝・内分泌科の病気

循環器内科の病気

消化器内科の病気

大腸ポリープができやすい人の食事は食生活が乱れていることが多く、いわゆる生活習慣病の合併の可能性も高いです。これらの病気がある方では、大腸がんの危険性も高いと考え、定期的ながん検診を受けましょう。

「大腸ポリープができやすい人の食事」と関連する症状

「大腸ポリープができやすい人の食事」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 体重増加
  • 息切れ
  • 血が混ざった便

大腸ポリープの多くは症状がありません。しかし、肥満などの影響で大腸ポリープができやすく注意が必要です。また、大腸ポリープがある方では、便秘・下痢などの便通異常や消化管出血に伴う貧血などが起こることもあるため、症状がある場合には消化器内科を受診しましょう。

この記事の監修医師