「花咲乳がんの原因」はご存知ですか?医師が徹底解説!
花咲乳がんは乳がんの種類ではなく、乳がんが進行して皮膚に潰瘍ができた状態です。
花咲乳がんになると、潰瘍から強烈な悪臭がするといわれています。
本記事では、花咲乳がんで不快な臭いがする原因や治療法・悪臭のケア方法を解説します。
乳がんによる臭いが気になる方やケア方法が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
※この記事はMedical DOCにて『「花咲乳がん」を発症すると「どんな臭い」がする?原因や悪臭ケアも解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
上 昌広(医師)
目次 -INDEX-
花咲乳がんとは?
花咲乳がんは花咲乳がんという種類の乳がんではなく、乳がんが皮膚に広がり潰瘍ができた状態を指します。
乳がんは乳腺にできるがんで、近年は特に若い女性の罹患率が上がっており、女性が注意したいがんの一つです。
乳がんの進行度は病期(ステージ)で表し、花咲乳がんはステージ3B~3Cの局所進行乳がんです。
がん性皮膚潰瘍のこと
花咲乳がんは、がん性皮膚潰瘍のことを指します。がん性皮膚潰瘍とは、がんが皮膚に広がったり転移したりして生じる皮膚潰瘍です。
皮膚潰瘍は、皮膚や粘膜が傷ついて組織が欠損している状態です。
がん性皮膚潰瘍は肺がん・腎臓がんなどでもみられますが、特に乳がんでの発生率が高いといわれています。がん性皮膚潰瘍は、乳がんの患者さんの約5~10%でみられます。
浸出液や悪臭を伴う
花咲乳がんでは潰瘍による皮膚欠損・出血・痛みのほか、大量の浸出液や悪臭を伴うのが特徴です。皮膚にがんが広がって皮膚潰瘍ができると、皮膚の下の組織が露出して傷口から浸出液が多量に出てきます。
また、潰瘍部分からは特有の悪臭がします。
花咲乳がんの臭いの原因
花咲乳がんになると、皮膚潰瘍によって強烈な臭いが生じます。では、なぜがん性皮膚潰瘍で悪臭がするのでしょうか。花咲乳がんの臭いの原因としては、組織の壊死と嫌気性菌が挙げられます。
壊死した組織
悪臭の原因の一つは、潰瘍により壊死した組織です。花咲乳がんの初期段階では皮膚の下でがんが生じて硬くなったり赤くなったりし、腫瘤(できもの)ができます。
腫瘤が大きくなると壊死・自壊し、皮膚を破って潰瘍になります。組織の壊死で悪臭がするのは、壊死の過程で脂肪酸類が腐敗するためです。
臭いのある物質を産生する嫌気性菌
潰瘍部分で嫌気性菌が増殖することも、花咲乳がんで悪臭がする原因です。嫌気性菌は、腫瘍組織が壊死・自壊してできた潰瘍部分で増殖し、臭いのある物質を産生します。
嫌気性菌が作る臭い物質はプレトシンやカダベリンという物質で、腐敗臭がするのが特徴です。
花咲乳がんの臭いについてよくある質問
ここまで花咲乳がんの臭いの原因・治療法・悪臭のケア方法などを紹介しました。ここでは「花咲乳がんの臭い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
消臭剤は花咲乳がんの臭いに効果がありますか?
上 昌広(医師)
消臭剤が花咲乳がんの臭いにどの程度効果があるかはわかっていません。完全に臭いを消すことは難しいかもしれませんが、臭いを和らげるために消臭剤や脱臭剤などを置いてもよいでしょう。
花咲乳がんを予防する方法はありますか?
上 昌広(医師)
花咲乳がんは、乳がんがステージ3まで進行した状態です。乳がんの予防には、飲酒を控えて適度な運動をすることや、体重管理で肥満を防ぐことが有効だといわれています。また、定期的に乳がん検診を受けることも大切です。定期健康診断では、一部自己負担で乳がん検診を受けられます。特に40歳以上の女性は2年に1回は乳がん検診を受けましょう。
編集部まとめ
本記事では、花咲乳がんの臭いの原因や治療法・悪臭のケア方法を解説しました。花咲乳がんは、乳がんが進行して皮膚に広がり潰瘍を形成した状態です。
悪臭は、潰瘍ができる過程で組織が壊死したり、潰瘍部分に嫌気性菌が増殖したりして発生します。
不快な臭いは患者さんの大きなストレスとなるので、洗浄や軟膏などによる丁寧なケアが大切です。
花咲乳がんと関連する病気
乳がんと関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する病気
- 乳腺症
- 線維腺腫
- 葉状腫瘍
乳房に発症する病気には、乳がんのほかにも以上のような病気があります。乳腺症や線維腺腫は良性ですが、葉状腫瘍は悪性の場合もあります。良性か悪性かは診察・検査をしないとわからないので、乳房に気になる症状がある場合は医療機関を受診しましょう。
花咲乳がんと関連する症状
乳がんと関連している、似ている症状は4個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 乳房のしこり
- 乳房の痛み
- 乳頭からの分泌液
- 乳房にくぼみができる
上記の症状は、乳腺症や脂肪壊死など乳がん以外の要因で生じることもあります。乳がんとの区別が難しい場合もあるので、気になる症状があるときは早めに乳腺科・乳腺外科などで診察を受けましょう。