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「げっぷがよく出る」時に疑うべき病気・疾患はご存知ですか?【医師解説】

 公開日:2025/04/15

げっぷがよく出る時に疑うべき病気・疾患とは?Medical DOC監修医が解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「胃がんを疑うげっぷの特徴と初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

関口 雅則

監修医師
関口 雅則(医師)

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浜松医科大学医学部を卒業後、初期臨床研修を終了。その後、大学病院や市中病院で消化器内科医としてのキャリアを積み、現在に至る。内視鏡治療、炎症性腸疾患診療、消化管がんの化学療法を専門としている。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、総合内科専門医。

「胃がん」とは?

胃がんとは、胃がんは、胃の内壁を覆う粘膜細胞から発生する悪性腫瘍のことです。
胃がんは進行すると以下のような症状が現れることがあります。

  • ・消化不良
  • ・食欲不振と体重減少
  • ・胃痛
  • ・吐き気や嘔吐
  • ・黒色便(こくしょくべん:消化管出血の兆候となります)

一方で、初期の胃がんは症状がほとんどないか、非常に軽いことが多いと言われていますが、げっぷが胃がんを疑うきっかけになることもあります。今回の記事ではげっぷの症状も含めて、胃がんの初期症状について解説いたします。

げっぷがよく出る時に疑うべき病気・疾患

げっぷは生理的、つまり病気ではない場合でも出ますが、以下のような病気でもげっぷが出ることがあります。

食道裂孔ヘルニア

食道裂孔ヘルニアは、横隔膜の食道裂孔(開口部)を通じて、胃の一部が胸腔内に突出する状態です。通常、この症状は横隔膜の弱化や腹圧の上昇によって引き起こされます。加齢、肥満などが原因であることが多いです。
食道裂孔ヘルニアでは、胃の一部が横隔膜を突破して胸腔内に移動するため、胃酸と空気が食道に逆流しやすくなります。これによって、通常以上にげっぷが発生する原因となります。
予防や治療のためには、食事を小分けにし、就寝前の食事を避ける、体重を管理することが推奨されます。症状が重い場合は、制酸剤、プロトンポンプ阻害剤の投与や、最終手段として外科手術が行われることがあります。
胸焼けや胸痛、呑酸感(胃酸の逆流による不快感)、嘔吐などの症状が持続または悪化する場合は消化器科や外科を受診しましょう。

胃・十二指腸潰瘍

胃酸による胃または十二指腸の粘膜の損傷が原因で発生します。主要な原因にはヘリコバクター・ピロリ菌の感染、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)や抗血栓薬(血液が止まりにくくなる薬)の長期使用があります。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍が原因で胃の中の内容物の逆流が起きやすくなり、特に消化の過程が正常に進まない場合、ガスが発生しやすくなるため、げっぷが頻繁に起こるようになります。
治療法としては、食生活の見直しやストレスの管理も助けになります。その他、
激しい胃痛、食後の痛み、吐血や下血(黒色便)などの症状が現れた場合には、消化器科を受診しましょう。

機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシア(FD)は、胃や他の消化管に明らかな異常が疾患が見つからないにも関わらず、胃の不快感や痛み、げっぷ、吐き気などの症状が継続的に現れる病気です。
機能性ディスペプシアの治療には、ストレスや睡眠不足を避けることが重要です。また、食事の量を控えめにし、脂っこい食事の摂取を避けることが有効と考えられています。
また、薬物療法としては、プロトンポンプ阻害剤(PPI)やH2ブロッカーなどの酸を抑える薬、消化を助ける薬、消化管運動の機能を改善する薬、場合によっては抗うつ薬が使用されることもあります。
食後の違和感や痛みが数週間続いている、症状が日常生活に影響を及ぼしているような場合は、医療機関を受診することをお勧めします。

「胃がんの初期症状・げっぷ」についてよくある質問

ここまで胃がんの初期症状や胃がんを疑うげっぷの特徴を紹介しました。ここでは「胃がんの初期症状・げっぷ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

胃がんを疑う症状が現れた場合、どのように対処すればいいでしょうか?

関口 雅則関口 雅則 医師

胃がんを疑う症状には、胃の不快感や嘔気・嘔吐、食欲不振、体重減少、疲労感、黒色便(うんちが黒くなる)、あるいは今回の記事でご紹介したような特徴のあるげっぷなどがあります。こうした症状が現れた場合には、早急に消化器内科を受診し、内視鏡検査などの必要な検査を受け、正確な診断を受けることが重要です。

編集部まとめ

今回の記事では、胃がんの初期症状としてのげっぷにはどのような特徴が考えられるのかについて解説しました。
げっぷは、ほとんどが生理的、つまり病気ではない理由によるものです。しかし、中には胃がんを含めたなんらかの病気が隠れていることもあるので、「何かおかしいな」と思う場合には、消化器内科などの医療機関を受診するようにしましょう。
また、胃がんは、早期の段階では症状がないことも多いため、がん検診を受けるなどして早期発見・早期治療できるようにしたいものですね。

「胃がんの初期症状・げっぷ」と関連する病気

「胃がんの初期症状・げっぷ」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

げっぷは胃や食道が正常に機能しない際に生じることがあります。そのため、胸焼けなどの他の消化器症状と一緒にげっぷが生じる場合は、医療機関での適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

「胃がんの初期症状・げっぷ」と関連する症状

「胃がんの初期症状・げっぷ」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 食後の満腹感や早期満腹感
  • 慢性的な消化不良
  • 食欲不振
  • 体重の減少
  • 腹部の不快感や痛み
  • 吐き気や嘔吐
  • 黒色便・便に血が混じる

これらの症状は、単に胃がんに限らず他の消化器系の疾患でも見られることがあります。専門医の診察を受け、きちんと診断してもらうようにしましょう。

この記事の監修医師