「悪性リンパ腫を疑う3つの初期症状」はご存知ですか?子どもの初期症状も医師が解説!

悪性リンパ腫の初期症状とは?Medical DOC監修医が解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「悪性リンパ腫を疑う3つの初期症状」はご存知ですか?子どもの場合も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
杉山 圭司(医師)
目次 -INDEX-
「悪性リンパ腫」とは?
悪性リンパ腫は、白血球の1つであるリンパ球ががん化する血液がんです。リンパ球が存在する「リンパ系組織」にはリンパ節、胸腺、脾臓、扁桃といった臓器が含まれ、身体を病原体から守る役割を担っています。悪性リンパ腫はこれらのリンパ系組織の他、全身のあらゆる部位にできうるため、症状が出現する部位もさまざまです。本記事ではどんな時に悪性リンパ腫が疑われるか、悪性リンパ腫が見つかった時にどんな検査・治療をするのか解説します。
大人の悪性リンパ腫の前兆となる初期症状
首や脇の下のしこり
悪性リンパ腫の初期症状として、首や脇の下にしこりが見られることがあります。これは、リンパ節が腫れていること(リンパ節腫脹)による症状です。悪性リンパ腫によるリンパ節腫脹は一般的に痛みを伴いません。リンパ節腫脹は悪性リンパ腫のみならず、いろいろな原因で生じます。よくある原因は風邪や扁桃腺炎に伴うリンパ節腫脹です。
風邪症状や咽頭炎に伴うリンパ節腫脹であれば様子を見れば、そのうち自然と良くなります。何週間もずっとリンパ節が腫れていることが気になる場合や、首や脇の下、鼠径部(太ももの付け根の溝の内側部分)などのしこりがだんだん数が増え大きくなってきていることに気づいた場合は医療機関を受診しましょう。悪性リンパ腫の専門診療科は血液内科です。まずはかかりつけの内科を受診してください。リンパ節腫脹の原因は色々あります。悪性リンパ腫について詳しく調べる必要がある時は血液内科へ紹介してもらいましょう。
発熱
発熱は「B症状」と呼ばれる悪性リンパ腫の代表的な症状です。発熱はウィルスや細菌に感染して起きることが多いですが、検査をしても原因が見当たらない場合は悪性リンパ腫を含む他の原因についても考えます。
今起きている発熱が悪性リンパ腫のせいなのかどうか判断するのは非常に難しいです。医師は熱のパターンや、発熱以外の症状や所見、検査データなどを総合して、熱の原因を評価します。
皮膚のかゆみ
悪性リンパ腫、特に皮膚リンパ腫では皮膚のかゆみが生じることがあります。皮膚リンパ腫で最も多いのは菌状息肉症(きんじょうそくにくしゅ)と呼ばれるタイプです。最初は湿疹や乾燥肌のような、かさかさした赤みが身体に出てきます。この時点ではかゆみがあまりないことが多いです。その後、病気が進行すると皮膚に特徴的な盛り上がりが出てきてかゆみが生じます。また、全身が真っ赤になる紅皮症という状態になることもあります。アトピー性皮膚炎と似ていることがあるため、このような症状が出現した時には皮膚科を受診してください。必要に応じて血液内科に紹介してもらいましょう。
子どもの悪性リンパ腫の前兆となる初期症状
小児の悪性リンパ腫であっても、基本的には成人と同様の症状が出現します。ただし、小児は成人と異なり、症状を大人にうまく伝えることができないことがあるため、客観的な症状に注目する必要があります。
寝汗がひどい
寝汗、発熱、体重減少は「B症状」と呼ばれ、悪性リンパ腫の代表的な症状です。この時の寝汗は「寝具(マットレス以外の掛け布団,シーツなどを含む,寝間着は含まない)を変えなければならない程のずぶ濡れになる汗」と定義されており、ただの寝汗では説明ができないくらい汗の量が多い点が特徴です。厚着をして寝てしまった時や緊張している時、風邪を引いて高熱が出ている時も一時的にたくさん汗が出るようなことはあります。もし寝汗がひどくて気になるような場合は、まずかかりつけの小児科に相談してみましょう。
お腹のしこり
小児と成人では同じ悪性リンパ腫でも発生しやすいタイプが異なります。成人より小児で発生しやすい悪性リンパ腫の1つにバーキットリンパ腫というものがあります。このタイプはお腹の中でリンパ節が大きく腫れることがあります。お腹になにか硬いものが触れる時、それは悪性リンパ腫を含むしこりの病気かもしれません。この腹部腫瘤は腸管の一部が後ろの腸管に引き込まれ重なってしまう“腸重積”の原因となることもあり、腸重積になると腹痛や嘔吐が出現します。お腹によくわからない硬いものを触れるような場合は早めに小児科を受診し相談しましょう。
すぐに病院へ行くべき「悪性リンパ腫の初期症状」
ここまでは悪性リンパ腫の初期症状を紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
原因のわからない発熱としこりが続く場合は、かかりつけの内科へ
発熱とリンパ節腫脹、これらは上気道炎(風邪)や扁桃腺炎でも出現する一般的なものなので、リンパ節が腫れているからといってすぐに慌てる必要はありません。しかし、風邪が流行っている訳でもないのに発熱を繰り返している時や一度腫れたリンパ節がずっと腫れ続けているような場合は詳しい検査が必要です。まずはかかかりつけの内科への受診を検討してください。
受診・予防の目安となる「悪性リンパ腫」のセルフチェック法
- ・痛みのないしこりが長く続く場合
- ・痛みのないしこりが徐々に大きくなっている場合
- ・原因不明の発熱が続く場合
- ・寝汗がひどい場合
「悪性リンパ腫の初期症状」についてよくある質問
ここまで悪性リンパ腫の初期症状などを紹介しました。ここでは「悪性リンパ腫の初期症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
悪性リンパ腫を発症すると、どこにかゆみを感じることがありますか?
杉山 圭司 医師
悪性リンパ腫、特に皮膚リンパ腫では、皮膚に赤みがあってカサカサしている部分や皮膚の盛り上がっている部分にかゆみが出ます。全身が真っ赤になる紅皮症の場合は体全体がかゆくなります。
悪性リンパ腫を疑う首のしこりには、どのような特徴がありますか?
杉山 圭司 医師
悪性リンパ腫のしこりは痛みがなく、押しても硬くて動かないのが特徴です。風邪を引いた時などにできる反応性のリンパ節腫脹の場合は、丸くつるんとしていて触るとよく動きます。また、炎症を反映してしこりに触ると痛みを感じることがあります。
編集部まとめ
悪性リンパ腫の初期症状は一般的な風邪症状に似ている部分もあり、初期には見分けがつきにくいものです。原因不明の発熱や違和感のあるリンパ節の腫れを自覚した時には、悪性リンパ腫の可能性も考えて、一度かかりつけの医療機関を受診しましょう。
「悪性リンパ腫の初期症状」と関連する病気
「悪性リンパ腫の初期症状」と関連する病気は16個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
腫瘍性疾患の病気
- 咽頭癌
- 胸腺腫
悪性リンパ腫に似ている病気には風邪のような一般的なものから、白血病や結核のような重症な病気までいろいろなものがあります。
「悪性リンパ腫の初期症状」と関連する症状
「悪性リンパ腫の初期症状」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
発熱や全身倦怠感、リンパ節の腫れは一般的な病気でも見られる症状ですが、悪性リンパ腫や白血病、結核などの重篤な病気が原因のこともあります。繰り返す発熱やだんだん大きくなるリンパ節の腫れなどを自覚した時には早めに医療機関を受診しましょう。