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「肝臓がんの前兆となる4つの初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2024/08/22
「肝臓がんの前兆となる4つの初期症状」はご存知ですか?予防法も医師が解説!

肝臓がんの初期症状とは?Medical DOC監修医が肝臓がんの初期症状・なりやすい人の特徴・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「肝臓がんの前兆となる4つの初期症状」はご存知ですか?予防法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

飯田 綾子

監修医師
飯田 綾子(医師)

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2009年奈良県立医科大学卒業。大阪市立大学医学部附属病院で初期臨床研修後、大阪市立総合医療センター消化器内科レジデントを経て、大阪市立大学大学医学部附属病院肝胆膵内科で学位を取得。現在は患者さんの不安に寄り添い、何でも相談できるかかりつけ医を目指して、大阪市内のクリニックで高血圧や糖尿病など主に慢性疾患の外来や在宅診療を行っている。消化器病専門医、肝臓専門医、総合内科専門医、認定産業医の資格を有する。

「肝臓がん」とは?

肝臓がんは大きく肝細胞がんと肝内胆管がんに分けられます。そのうち肝細胞がんが94%を占め、原因はC型肝炎ウイルスが最も多く、次いでB型肝炎ウイルス、アルコールと続きます。近年は抗ウイルス治療やワクチンの発達のおかげでウイルス性肝細胞がんは減少し、相対的に非アルコール性脂肪肝炎や原因不明の肝細胞がんが増加しています。今回は肝臓がん、特に肝細胞がんの初期症状、どんな人がかかりやすいのか、予防法はあるのかなど説明していきます。

肝臓がんの前兆となる初期症状

「肝臓は沈黙の臓器」と耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?その通り。肝臓の病気は自覚症状が出にくいという特徴があります。
実際、肝臓がんも初期の自覚症状に乏しく、がんが進行して初めて黄疸や腹水、右季肋部痛を認めることが多いです。肝臓がんは慢性肝炎や肝硬変が背景にあるため、肝臓がんの前兆となる初期症状とは、肝機能低下による種々の症状と言えます。全身倦怠感、黄疸、下肢のむくみ、腹水、肝性脳症などです。健診の血液検査や腹部エコーで慢性肝炎や肝硬変を指摘された場合は、定期的に血液検査や画像検査を行うことで肝臓がんを早期に発見することができます。

黄疸

黄疸が出ると、白目や皮膚が黄色っぽくなり、便が白っぽい、尿が黄褐色になります。これは、肝臓の機能が低下しビリルビンとよばれる色素を代謝できなくなることで起こる症状です。また、黄疸が出ると皮膚にかゆみを感じる方もいます。診断は血液検査で行いますので、黄疸が出ているかもと心配される方は一度近くの内科を受診してください。

下肢のむくみ

肝臓がんの初期症状として、下肢のむくみや腹水が出ることもあります。これは肝機能の低下により、肝臓で合成されるアルブミンというタンパク質が減少してしまい、血管内に水分を保持できないために起こります。塩分摂取を控えることで症状を落ち着かせることが期待できますが、改善しない場合は早めに内科を受診してください。血液検査や腹部超音波検査などを行い、利尿剤が必要となることもあります。

肝性脳症

頭がぼーっとしたり、手の指が震えたりするような場合、肝性脳症が出ている可能性があります。肝性脳症とは、肝臓の解毒機能が低下するために血液中のアンモニアなどの濃度が上昇することで起こります。便秘や高タンパクな食事、消化管出血などで悪化します。排便コントロールをしっかり行い、分枝鎖アミノ酸製剤を用いて再発しないように気を付ける必要があります。肝性脳症を疑う症状が出た場合は早めに近くの内科を受診してください。

右季肋部痛

右季肋部(きろくぶ)とは右側の脇腹、みぞおちのあたりのことを指します。肝臓がんの症状として、この部位に鈍い圧迫するような痛み、倦怠感、微熱などが出ることがあります。これは進行した肝臓がんに認められることがあり、このような症状がある場合は早めにかかりつけ医を受診してください。

「肝臓がんの初期症状」についてよくある質問

ここまで肝臓がんの初期症状を紹介しました。ここでは「肝臓がんの初期症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

肝臓がんを疑う初期症状が現れた場合、血液検査の数値はどのように変化しますか?

飯田 綾子飯田 綾子 医師

肝障害があるとAST、ALTという数値が上昇します。また黄疸などの症状であれば、総ビリルビンという値が上昇します。脚のむくみや腹水の増加がある場合はアルブミン(体内のタンパク質の一種)の低下が見られることが多く、また肝硬変があれば血小板数の低下を認めます。肝臓がんを疑って血液検査をする場合、腫瘍マーカーを調べることが多いと思います。肝細胞癌であればAFPやPIVKA-Ⅱという数値の上昇を認めることがあります。

編集部まとめ

肝臓は沈黙の臓器です。肝臓がんの予防、早期発見には食事、運動などの生活習慣の改善と定期的な健診が欠かせません。心地よい毎日を送るために、禁煙、アルコールや高脂肪食の過剰摂取を避け、適度な運動を心がけてください。年1回健診を受け、必要があればしっかり受診してください。そして、もし気になる症状が出た場合は迷わず、まずは内科を受診してください。血液検査で分かることがたくさんあります。

「肝臓がんの初期症状」と関連する病気

「肝臓がんの初期症状」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

下肢浮腫をきたす病気

黄疸をきたす病気

「肝臓がんの初期症状」と同様の症状が出た場合、上記の可能性もあります。原因により治療法も変わってくるので、症状が出た場合は早めに内科を受診してください。

「肝臓がんの初期症状」と関連する症状

「肝臓がんの初期症状」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 全身倦怠感
  • 食欲低下
  • 体が痒い
  • 手の平が赤い
  • 体がむくむ
  • 手足がつる

上記の症状が出た場合、肝機能が低下している可能性があります。症状が長引く場合は内科を受診してください。

この記事の監修医師