「ブロッコリー」が筋肉づくりに最適なワケと食べ方のコツを管理栄養士が解説

筋トレにブロッコリーが効くと耳にしたことはありませんか? 実はブロッコリーには、タンパク質やビタミンB群・C、カリウムなど、筋肉をつくるために欠かせない栄養素が豊富に含まれています。では、どのように食べれば筋肉への効果を最大限に引き出せるのでしょうか? 食べ合わせのコツや、動物性・植物性タンパク質の違いなど、管理栄養士の山本さんに聞きました。

監修管理栄養士:
山本 瞳(管理栄養士)
編集部
ブロッコリーにはどんな栄養素が含まれていますか? それぞれの栄養の特徴・筋肉に対する効果を教えてください。
山本さん
ブロッコリーには、ビタミンB群、ビタミンC、カリウムなどが豊富に含まれています。ビタミンB群は、糖質・脂質・タンパク質などを分解し、エネルギーに変える働きがあります。タンパク質などを多く摂取するほど、ビタミンB群の必要量が増えるため、筋肉のために積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCは疲労回復や筋肉を修復する効果があるため、こちらも筋肉のために積極的に取り入れたい栄養素です。カリウムは、体内の余分な水分・塩分を排出する作用があり、むくみの解消に効果が期待できます。
編集部
ブロッコリーがほかの野菜と違う点は何ですか?
山本さん
野菜の中でトップクラスのタンパク質含有量を誇り、ビタミンやミネラルが豊富で、スルフォラファンを含んでいることが挙げられます。スルフォラファンとは、フィトケミカル(植物に含まれる化学物質のこと)の一種で、強力な抗酸化作用やピロリ菌の除菌、発がん性物質の解毒などの効果がある、今注目の栄養素です。
編集部
筋肉や筋トレに効果的な食べ合わせについても教えてください。
山本さん
「アミノ酸スコア」を意識して食材を組み合わせることで、より効果的に栄養を摂取できます。アミノ酸スコアとは、タンパク質における必須アミノ酸の含有率を数値で示したもので、上限の100に近いほど良質なタンパク質であるとされています。ブロッコリーのアミノ酸スコアは80であるため、アミノ酸スコアがより高い動物性タンパク質と組み合わせることで、さらにバランス良く栄養を摂ることができます。動物性タンパク質の中でも比較的脂質が少ないささみや鶏むね肉、ノンオイルのツナ缶などを合わせるのがおすすめです。
編集部
動物性タンパク質と植物性タンパク質は何が違うのですか?
山本さん
肉や魚、卵などに含まれるのが動物性タンパク質で、大豆やナッツ、野菜などに含まれるのが植物性タンパク質です。動物性タンパク質は脂質が多くアミノ酸スコアも高い傾向にあり、植物性タンパク質はタンパク質量が少なめでアミノ酸スコアも低い傾向にあります。それぞれ足りない栄養素を補いつつ、脂質などが過剰摂取にならないようにバランスよく組み合わせることが大切です。
※この記事はメディカルドックにて【「マッチョがブロッコリーを食べている理由」をご存知ですか? ブロッコリーの効果を管理栄養士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。