脳の老化を食い止める! 記憶力を高める最強食材10選を管理栄養士が解説!

脳のパフォーマンスを高めるためには、どんな食材を選ぶべきなのでしょうか? 朝食にぴったりなヨーグルトや納豆、即効性のあるバナナ、脳神経に作用する魚介類、さらにはおやつとしてもおすすめのチョコレートまで、記憶力をサポートする栄養素が詰まった脳活食材を、管理栄養士の濱川さんにお聞きしました。

監修管理栄養士:
濱川 絢(管理栄養士)
編集部
どういった食材が脳機能の向上に役立つのか教えてください。
濱川さん
これから説明する食材は脳が活性化する栄養素や抗酸化物質が豊富に含まれています。積極的に摂取しましょう。まずはバナナですね。バナナは脳のエネルギー補給の代表になる食材です。体内に取り込んだ食材は消化吸収に時間がかかりますが、バナナには自身で分解する力(酵素)があるため、エネルギー補給に即効性があります。そのため、スポーツ選手や受験生など瞬時にパワーを発揮したい時などに摂取するのがおすすめです。
編集部
なるほど。食事のメインになるような食材では何がおすすめですか?
濱川さん
鮭やサバ、牡蠣などの魚介類ですね。魚に含まれるDHAやEPAなどの良質な魚油はオメガ3系脂肪酸と言われ、記憶に関わる脳神経を活性化させる働きがあります。また、DHAは脳に多く存在している栄養素の一つです。これらは体内で生成されないため、食事からの摂取で補う必要があります。また、牡蠣などに多く含まれる亜鉛は脳の記憶に関わる海馬に多く存在します。亜鉛が欠乏すると記憶障害を引き起こす原因となります。
編集部
ほかにもあれば教えてください。
濱川さん
豚肉はビタミンB群を豊富に含んだ食材です。ビタミンB群は神経伝達物質を作る働きがあります。また、糖質をエネルギーに変換するサポートをしてくれるため、炭水化物と一緒に摂取するのがおすすめです。また、卵黄に含まれる卵黄レシチンは脳機能をサポートする役割のあるフォスファジルコリンが多く含まれています。その他、レシチンに含まれるコリンは、記憶能力の向上・維持に不可欠なアセチルコリンの原料であり、脳機能を維持するには欠かせない成分です。
編集部
朝食時におすすめの食材はありますか?
濱川さん
ヨーグルトなどの乳製品・納豆などの発酵食品はいかがでしょうか。乳製品や発酵食品にはビフィズス菌や乳酸菌などの腸内に好影響を与える腸内細菌が多く含まれています。また、ブルーベリーに含まれるフラボノイドは記憶を司る海馬に関わるタンパク質を活性化させる働きがあります。その他、他の果物と比べて抗酸化物質が多い食材です。冷凍するとより効果が高まります。他にも脳の機能を助けてくれるビタミン類やミネラルも豊富です。
編集部
野菜についてはいかがでしょう?
濱川さん
おすすめはほうれん草やトマトです。ほうれん草に多く含まれている葉酸は、脳にダメージを与えるホモシステインを分解・減少させる効果があります。葉酸はビタミンB群の一種で、水に溶けやすい水溶性ビタミンです。スープなど水分ごと摂取できる調理方法がおすすめです。トマトに多く含まれているリコピンはカロテンの2倍・ビタミンEの100倍抗酸化力があると言われています。酸素消費量が多い脳は、酸化しやすい臓器とも言えます。酸化は脳の老化促進に繋がるため、抗酸化物質多いリコピンで酸化を抑えてあげましょう。
編集部
おやつで記憶力向上に効果的なものはありますか?
濱川さん
チョコレートを摂取すると、脳由来神経栄養因子(BDNF)の血中濃度の上昇が期待されます。BDNFは神経細胞を再生・成長を手助けする物質です。アルツハイマー型認知症の予防にも効果があり、記憶を司る海馬にも多く存在しています。チョコレートを摂取すると学習能力の向上が期待されるという実験結果も報告されています。
※この記事はメディカルドックにて【記憶力と食事の関係性を管理栄養士が解説 脳にいい食材を併せて紹介】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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