生理中や性交渉は?「膣カンジダ」治療中のやってはいけないことを薬剤師が解説

「生理中でもカンジダの塗り薬を使っていいの?」「治療中に性交渉しても大丈夫?」気になる膣カンジダ治療中の疑問に対し、薬の使用タイミングや注意点、症状が長引いたときの対処法まで解説。誤った自己判断が治療の妨げにならないよう、知っておくべきポイントを薬剤師の山口さんにお聞きしました。

監修薬剤師:
山口 佳蓉(薬剤師)
編集部
カンジダの塗り薬は女性の生理中に使用できますか?
山口さん
生理中は衛生上よくないので、使用しないようにしてください。せっかく塗ったお薬も血液で流れてしまい、効果が得られない可能性があります。カンジダの塗り薬を使用中に生理になってしまった場合も、途中でお薬の使用を中止してください。また、膣錠も同じように、生理中の使用は控え、途中で生理になった場合は使用を中止してください。
編集部
カンジダの塗り薬の使用中に性交渉をしてもよいですか?
山口さん
カンジダ症の症状がある場合や治療中は、性交渉は避けてください。症状が治っておらず、カンジダの菌がいる状態で性交渉をすると、パートナーに感染する可能性があります。パートナーの方にも発疹やかゆみなど気になる症状がある場合は、必ず病院へ受診してもらいましょう。
編集部
塗り薬を使用し始めてからしばらく経過してもかゆみの症状が続いている場合は、塗り薬を続けても大丈夫ですか?
山口さん
処方薬を使用している場合は、医師の指示に従いましょう。ただし、一週間程度以上症状が続くようであれば再度受診を検討してください。市販薬の場合は、6日以上使用しても症状が続き、改善が見られないようであれば使用を中止して受診してください。
編集部
おりものと一緒に膣錠が溶けたものが出てきた場合は、新たに新しい膣錠をもう一度使用したほうがよいですか?
山口さん
新しいものを使用せずに様子をみてください。膣錠が溶けたものがおりものと一緒に出てきて驚かれる方もいるでしょう。これは、役目が終わった膣錠がおりものと一緒に体外へ出てきている状態です。膣内で役割を発揮した後のものなので心配はいりません。下着に付着するのが嫌な方は、おりものシートを使用してください。連日使用するタイプの膣錠は、通常通り次回のタイミングで使用しましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
山口さん
今回は、カンジダ症の中でも膣カンジダ治療のための塗り薬についてお伝えしました。カンジダ症は、正しく治療を行えば一週間ほどで改善が期待できます。自己判断で間違った薬の使い方やケアを行うと、症状が長引く可能性もありますので、不安のある方は医師や薬剤師に相談しましょう。
※この記事はメディカルドックにて【【薬剤師に聞く】「膣カンジダ」の塗り薬の正しい使い方を知っていますか? 処方薬と市販薬の違いや生理中の使用について】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。