高血圧患者の約3人に1人! 「白衣高血圧症」の正しい見抜き方を看護師が解説

「病院で血圧を測ると、家庭での数値よりも高く表示された」そんな経験をしたことはありませんか? それは白衣高血圧かもしれません。見逃しがちなこの現象ですが、実は心疾患のリスクを高める可能性もあるため、決して軽視できないものです。なぜ白衣高血圧が起こるのか、誰に起きやすいのか、看護師の三木さんにお聞きしました。

監修看護師:
三木昭和(看護師)
編集部
病院の診療で血圧測定をすると、家庭で測定するよりも高い値になることがあります。これはなぜなのでしょうか?
三木さん
病院で測定する時だけ血圧が高い状態を、「白衣高血圧」と呼びます。白衣高血圧の原因は、病院や医師に対する不安や緊張、自律神経の乱れなどが考えられます。白衣高血圧は一時的な場合もありますが、心血管疾患のリスクが高まるという報告もあるため注意しましょう。そのため白衣高血圧の状態が続く場合は、医師の判断に従って治療を受けることも必要です。
編集部
白衣高血圧の判定方法はどのように行われるのでしょうか? 病院での測定だけでは不十分なのでしょうか?
三木さん
白衣高血圧の判定方法は、病院での測定と家庭での測定を比較することです。病院での測定だけでは、本当の血圧が分かりませんので、家庭での測定も必要です。自己測定の平均値と病院での測定値との差がある場合に、白衣高血圧と診断されます。
編集部
白衣高血圧は、どのくらいの頻度で起こるのでしょうか? また、どのような人が白衣高血圧になりやすいのでしょうか?
三木さん
白衣高血圧の頻度は、高血圧患者の約15~30%とされています。主に女性や高齢者、病院に慣れていない人などは白衣高血圧になりやすいと言われています。また、血圧が正常の方にも、白衣高血圧は認められます。ですので、性格的に過敏や神経質な人は病院に行く際の緊張感などで血圧が上がりやすいため注意しましょう。ほかには、糖尿病や腎臓病などの合併症がある人は、自律神経のバランスが乱れやすく白衣高血圧のリスクが高まります。
※この記事はメディカルドックにて【【看護師に聞く】病院だと血圧が高値になる「白衣高血圧」の原因を知っていますか?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
- メディカルドック
- メディカルドック