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その飲み方で大丈夫? 薬の効果を台無しにするNG行動と注意点を薬剤師が解説

 公開日:2025/06/20
NG行動 薬の飲み方

の効果を最大限に引き出し、副作用を防ぐためには、「用法・用量を守ること」や「飲み忘れを防ぐ工夫」がとても重要です。さらに、薬の種類によっては、割ってはいけない、溶かしてはいけないなど、見落としがちな注意点も存在します。安全で確実な服用を行うために必要なポイントについて、薬剤師の糸井さんに詳しく伺いました。

糸井 陽介

監修薬剤師
糸井 陽介(薬剤師)

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明治薬科大学薬学部薬学科卒業。大学卒業後、埼玉県の上尾中央総合病院に就職。外科、消化器内科を軸に臨床に携わり、現在は集中治療室や化学療法室の薬剤師として従事。信念は「患者さんと対話して不安を解消する」こと。少しでも薬に関して興味を持ってもらえるよう薬剤師として啓蒙活動中。日本臨床腫瘍薬学会外来がん治療認定薬剤師、研修認定薬剤師、肝炎コーディネーター。

編集部編集部

薬を服用するにあたって注意しなければいけないことはありますか?

糸井 陽介さん糸井さん

用法用量を守ること」と「飲み忘れなく服用すること」が大切です。これは有効性、安全性どちらの面からも言える事です。安全面の話をするのであれば、一部の医薬品を除いて、一般に医薬品を服用したことで、入院治療が必要な程度の副作用が生じた時には「医薬品副作用被害救済制度」というものの適応になります。医療費や障害年金などの救済給付を受け取ることが出来る制度ですね。しかし、用法用量を守らないなどの適正な服用と判断されない場合についてはこの制度の対象外となります。また、薬の効き方や副作用の出方には服用する側の状態も左右されます。高齢者や透析を受けている方などは腎臓の薬物排泄能が低下しており、副作用の発現リスクが増加する可能性があります。そのため、個々に合った服用方法があることも念頭に入れておく必要があります。

編集部編集部

そのほかにも、注意するべきことはありますか?

糸井 陽介さん糸井さん

薬の製剤的特徴によっては割ってはいけないもの、溶かしてはいけないものがあります。そのような薬剤を割ったり、溶かしたりして服用してしまうと、薬の吸収量が著しく上昇して副作用リスクを高めてしまったり、あるいは胃酸などによる影響で薬剤の効力が損なわれ服用しているのに薬の効果が得られないという事態にもなりかねません。服用方法を変えたいという場合には必ず薬剤師に相談するようにしましょう。

編集部編集部

もし薬を飲み忘れた場合にはどうしたらよいでしょうか?

糸井 陽介さん糸井さん

基本的には飲み忘れに気づいた時点で服用していただく方が良いでしょう。しかし、2回分を一度に服用するといった服用の仕方はNGです。また、糖尿病薬や抗がん剤など、服用する時間あるいはタイミングにより注意が必要な薬剤については勝手な判断はせず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

編集部編集部

最後に読者へメッセージをお願いします。

糸井 陽介さん糸井さん

根本的な話として薬の飲み忘れが多ければ多いほど薬による治療効果は著しく低下してしまいます。ご自身の身体を思うのであれば、服用を忘れない方法を模索することもとても大切です。今はお薬カレンダーというものや薬局で一包化といって、1回分をすべて一つの包装に薬剤を入れて管理できるようにしています。ご自身の状況に合わせて活用すると飲み忘れ自体を減らすこともできるでしょう。

※この記事はメディカルドックにて【薬の効果は服用後どのくらいで現れる? 薬の持続時間を併せて薬剤師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修薬剤師

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