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糖尿病の「GLP-1受容体作動薬」注射剤と飲み薬の違いとは? 特徴を薬剤師が解説

 公開日:2025/06/18
GLP-1受容体作動薬の正しい使い方について知る

糖尿病の治療は生活習慣の改善だけではなく、薬による治療も必要です。糖尿病の薬といえば、ひと昔前はインスリン注射というイメージがありましたが、近年は新薬の開発が目覚ましく、重症化予防の段階から使える薬が増えてきました。その中でも、最近は「GLP-1受容体作動薬」という薬が注目されています。安全に使用するために知っておくべき特徴について薬剤師の志田美春先生に解説していただきました。

志田 美春

監修薬剤師
志田 美春(COCO et al)

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神戸薬科大学で薬剤師免許、博士(薬学)号を取得。新卒で大手製薬会社に入社し、最先端の創薬研究に従事。転職先では培った技術を活かして、培養肉の基盤研究を推進。この研究活動が評価され、2023年度長井記念若手薬学研究者賞を受賞。その後、産学連携の事業開発を経て、2024年に研究コンサルタントとして独立。

編集部編集部

GLP-1受容体作動薬は飲み薬ですか? 注射ですか?

志田 美春さん志田さん

2024年4月現在、日本国内では8種類の製品が承認されており、そのうち7つが注射剤、1つが錠剤の飲み薬です。なお、8製品のうちリベルサス、オゼンピック、ウゴービは異なる製品ですが、薬効成分は全て同じセマグルチドという成分です。リベルサスは錠剤の飲み薬、オゼンピックとウゴービの2つは注射剤です。

編集部編集部

GLP-1受容体作動薬は、どのくらいの期間使い続けると効果が出るのでしょうか?

志田 美春さん志田さん

治療効果が十分で副作用が問題にならなければ、期間の上限は無く長期的に継続して使用することができます。継続的に使用できるかどうかは、使い始めてから数週間〜数か月の間でわかります。その間、必要に応じて薬の量や製品の種類を変更しながら、治療効果や副作用を観察して判断します。このような薬の調節は薬と身体との相性に大きな個人差がありますので必ずおこないます。

編集部編集部

GLP-1受容体作動薬は保険適用の薬ですか?

志田 美春さん志田さん

2024年4月現在、日本国内で保険適用可能なGLP-1受容体作動薬は8種類あります。しかし、GLP-1受容体作動薬に限らず、処方せん医薬品を保険適用で使用できるのはその医薬品の適応症と診断されている人の治療に使う場合のみです。医薬品の適応症は医薬品の添付文書の「効能・効果(適応)」の項目に記載されています。8製品の適応症はウゴービが肥満症、それ以外は2型糖尿病です。

※この記事はメディカルドックにて<糖尿病の治療薬「GLP-1受容体作動薬」の効果・副作用を薬剤師が解説 ダイエット目的の服用は危険?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修薬剤師

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