抗生物質を勝手にやめると危険! 知らないと怖い耐性菌とは? 【専門家解説】

抗菌薬は症状が消えても体内に残る細菌をしっかり退治するため、医師の指示どおり最後まで飲み切ることが重要です。中途半端な服用は、薬が効かない耐性菌を生み出してしまう可能性も。今回は、抗菌薬の正しい使い方と耐性菌のリスクについて、薬剤師の森本さんに解説していただきました。

監修薬剤師:
森本 理恵子(薬剤師)
編集部
抗菌薬を処方された場合、症状がなくなればやめてもいいですか?
森本さん
症状が良くなっても体内には細菌が残っている可能性があるため、途中でやめてしまうと再度症状が出てしまうこともあります。また、中途半端に細菌が残ってしまうと耐性菌が生まれてしまう恐れがあるので、必ず飲みきるようにしてください。
編集部
耐性菌とはどのようなものでしょうか?
森本さん
「抗菌薬に対して抵抗力を持った菌」を耐性菌といい、抗菌薬の効きが悪いものやまったく効かないものがあります。また耐性を持たない別の細菌にその性質が伝達され広がります。この耐性菌は、抗菌薬の普及によって急速に広がり、現在では、抗菌薬の開発と細菌の耐性獲得がイタチごっこの状態となっており問題視されています。これ以上の耐性菌の広まりを防ぐために適切な抗菌薬の使用が求められています。
編集部
抗菌薬は何日間くらい処方されるのでしょうか?
森本さん
短い方では1日、長い方だと数ヶ月以上飲むこともあります。抗菌薬の種類や症状、服用目的によって飲む期間は異なります。処方に定められた期間しっかり飲み切るようにしましょう。
※この記事はメディカルドックにて【抗生物質の副作用を薬剤師が解説 抗生物質・抗菌薬の副作用症状と対策とは?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。