処方薬の値段は薬局で違う? 価格の仕組みと安くするためのポイントを薬剤師が解説

処方薬の値段は薬局ごとに異なることがあり、どの薬局を利用するかによって料金が変わることもあります。調剤基本料は国の診療報酬制度に基づいて算出されており、規模や地域支援体制によって異なるため、一般の方には価格の比較が難しいのが実情です。薬局の料金について、薬剤師の鈴木さんにお話を伺いました。
編集部
処方薬の値段は、処方箋を持っていく薬局ごとに違うと思うのですが、どの薬局に持っていくと安くなるのですか?
鈴木さん
薬局によって料金が異なる調剤基本料は、国が定めた診療報酬制度の下で、薬局の規模や薬局で行っている地域支援体制などに従い算出されています。このため、どの薬局が安いのかは、一般の方にはわかりにくいというのが実情です。料金の差としては数十円程度となります。薬局ごとの調剤報酬については、薬局に掲示されていますので確認してみてください。支払い代金の総額が大きく変わるのは、薬剤料です。先発品からジェネリック医薬品に変更すると、安くなる可能性がありますので検討してみると良いでしょう。
編集部
使う薬局は1ヶ所にまとめた方が良いですか?
鈴木さん
薬局を1ヶ所にまとめた方が、薬剤服用歴や体質などを把握されやすくなります。また、患者さんにとっては、薬剤師にご自分の病気や体調について、総合的に相談しやすくなるでしょう。でも、仕事の合間に利用しやすい薬局や、自宅から近い薬局など、ライフスタイルにあわせて複数の薬局を使い分けるのも選択の1つです。複数の薬局利用の際には、特にお薬手帳の持参をお忘れなく。
編集部
最後に読者へメッセージをお願いします。
鈴木さん
一番大切なのは、ご自身にとって相談しやすい薬局・薬剤師に出会うことだと思います。薬局をうまく利用して健康的な生活を送っていただけると嬉しいです。

監修薬剤師:
鈴木 真理(薬剤師)
国内製薬会社にて9年間、医薬品の品質管理に従事。その後、病院での薬局勤務を経て、米国製薬会社の日本法人にて17年間、様々な新薬の臨床試験(治験)にかかわる。現在はフリーとなり、医療系のライターとして「一般の人にわかりやすいライティング」をモットーに活動中。
※この記事はメディカルドックにて【薬局とドラッグストア、処方箋の薬はどこで買うのがいいの? それぞれの違いやメリット・デメリットは?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。