「昔の薬をとりあえず飲む」は危険! 薬剤師が教える服用NGなケースとは?

同じような症状が出たとき、手元にある薬を飲んでいいのか迷うこともありますよね。しかし、薬の種類によっては、自己判断で服用すると危険な場合もあります。では、どんな薬なら服用できて、どんな薬は避けるべきなのでしょうか? 古い薬の取り扱いについて、薬剤師の森本さんにお聞きしました。

監修薬剤師:
森本 夏子(薬剤師)
編集部
症状によって薬を飲んでいい場合と、悪い場合があるのですか?
森本さん
もし、以前処方された薬を飲む場合は、薬の保存状態がよくて期限が切れていない場合を前提とします。例えば、痰がらみをよくする薬や咳止めなど、同じような症状があれば病院に行くまでの応急処置的に飲むことは可能です。しかし、症状が異なったり、飲んでもよくならなかったりした場合は違う原因が考えられるので、医療機関へ早めに受診することをおすすめします。
編集部
抗生剤は飲んでもいいのでしょうか?
森本さん
抗生剤は、症状が以前と似ていたとしても飲まないでください。抗生剤を処方された場合は、飲み切ることが重要です。症状がよくなったと思って中途半端にやめてしまうと、その抗生剤に対しての耐性菌が出る可能性もあるからです。調子がよくなっても処方された分の抗生剤は飲み切りましょう。
編集部
何の薬か分からない場合は、さすがに服用しない方がいいですよね?
森本さん
何のお薬か全く分からない場合は、けっして飲まないでください。複数の薬を処方された際、薬袋にひとまとめにされて見分けがつかなくなってしまったときなどは、薬をもらった医療機関に聞いてください。薬の名前から検索したり、処方歴から探したりできます。名前が分からない場合でも、錠剤には一つひとつに名前や記号が刻印されているので、見分けることも可能です。医療機関に電話などで聞く場合は、色や大きさ、形だけでなく名前や刻印も分かる範囲で伝えてください。
※この記事はメディカルドックにて【以前処方してもらった薬って飲んでも大丈夫? それとも捨てた方がいい?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。