「アルツハイマー型認知症の原因」はご存知ですか?医師が徹底解説!
アルツハイマー型認知症の前兆となる初期症状とは?Medical DOC監修医がアルツハイマー型認知症の初期症状・原因・なりやすい人の特徴・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「アルツハイマー型認知症の初期症状」はご存知ですか?原因についても医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
上田 雅道(あたまと内科のうえだクリニック)
目次 -INDEX-
「アルツハイマー型認知症」とは?
アルツハイマー型認知症は認知症の中でもっとも多く、およそ65%をしめます。高齢者に多く、年齢とともに増えていきます。
アルツハイマー型認知症の主な原因
アルツハイマー型認知症の原因は完全には解明されていませんが、主な原因と考えられている要因は次の3つです。
- ・アミロイドβという異常なタンパク質が脳にたまる。
- ・タウというタンパク質が異常な形になってたまる。
- ・ある遺伝子を持っていて、脳に異常なタンパク質がたまる。
しかし、これらは病院で検査をすることは簡単ではありません。
そこでアルツハイマー型認知症の原因というわけではありませんが、アルツハイマー型認知症の可能性がある状態について解説します。
アルツハイマー型認知症は、海馬をふくむ側頭葉や頭頂葉を中心に大脳皮質が萎縮しており、CTやMRIで調べることができます。また脳の一部の領域で血流が低下している様子を脳血流シンチグラフィー検査で確認することができます。
脳の萎縮
アルツハイマー型認知症の症状が出始めたころには、海馬の萎縮がみられます。海馬は新しい情報を一時的に記憶しておく脳の領域と考えられています。海馬の機能が低下することでアルツハイマー型認知症では新しいことをすぐに忘れてしまうのです。海馬をふくめた側頭葉も早い段階で萎縮がみられます。CTやMRIで調べることができます。
脳の血流の低下
アルツハイマー型認知症では脳の機能が低下することで、特定の領域の血流が低下している様子を脳血流シンチグラフィー検査で確認することができます。側頭葉や頭頂葉、後部帯状回などの領域で血流が低下しやすくなります。
アミロイドの蓄積
脳にアミロイドβという異常なタンパク質がたまっている様子をアミロイドPETという検査で調べる方法があります。実際に検査できる病院は一部の施設に限られていて、保険の制約もあるため誰でも検査を受けられるというわけではありませんが、将来的には普及していく可能性があります。
「アルツハイマー型認知症の初期症状」についてよくある質問
ここまでアルツハイマー型認知症の初期症状などを紹介しました。ここでは「アルツハイマー型認知症の初期症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
軽度のアルツハイマー型認知症の症状について教えてください。
上田 雅道 医師
軽度のアルツハイマー型認知症では、新しいことを覚えられない、同じことを何度も聞き返す、年月日の感覚が不確か、日常的な買い物や料理で失敗する、意欲が低下する、といった症状がみられやすいです。
アルツハイマー型認知症で一番多い症状はどんな症状ですか?
上田 雅道 医師
アルツハイマー型認知症の症状でもっとも多く、目立つ症状は新しいことを覚えられない、という症状です。
アルツハイマー型認知症の初期症状が現れるのは発症から何年後でしょうか?
上田 雅道 医師
アルツハイマー型認知症は、初期症状がみられるようになった時期を発症と考えるといいと思います。脳の中では、症状がみられる10年あるいは20年も前から変化が始まっていると考えられていますが、症状がない段階ではあまり気にしなくていいと思います。
編集部まとめ
アルツハイマー型認知症は新しいことを覚えられないといった記憶障害で発症することが多く、年齢とともに患者さんの数も増えていきます。症状の進行はゆっくりですが、完治させることはむつかしく、進行とともに生活に困難もみられるようになります。やがて家族の協力や社会福祉サービスの利用、介護や看護も必要になります。
アルツハイマー型認知症を発症してもはじめのうちは症状は軽く、進行もゆっくりなため病院を受診してするきっかけをつかみにくいこともあります。気になる症状がみられたら、早めに病院を受診しましょう。薬を使った治療で進行を遅らせることもあります。
「アルツハイマー型認知症」と関連する病気
「アルツハイマー型認知症」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
脳神経科の病気
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
- 血管性認知症
認知症の症状を示す病気はたくさんありますが、アルツハイマー型認知症が最も多いと言われており、それに次ぐ病気として上記が挙げられます。
「アルツハイマー型認知症」と関連する症状
「アルツハイマー型認知症」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 記憶障害
- 意欲低下
- うつ
年齢問わず忘れてしまうことはありますが、同じことを何度も聞き返すことをはじめ、上記のような症状がある場合には、早めに医療機関で相談することをお勧めします。
参考文献