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「超加工食品の摂取量が多い」とどんな病気を発症しやすくなる?【医師監修】

 公開日:2025/06/23

スナック菓子や加工肉などに含まれる超加工食品。摂り過ぎることで生活習慣病のリスクが高まるといわれています。本記事では、超加工食品がもたらす健康への影響について紹介します。健康的な食習慣の第一歩に役立ててください。

日浦 悠斗

監修医師
日浦 悠斗(医師)

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福井大学医学部卒業。血清蛋白質と精神疾患の関係について研究をおこなう。日本精神科学会専門医。

1. 超加工食品とは何か?

1-1. 超加工食品の定義

「超加工食品(ultra-processed foods)」は、食品研究者のカルロス・モンテイロらによるNOVA分類において定義されたカテゴリの一つで、工業的に複数の工程を経て製造され、人間の台所では再現不可能な成分を含む食品のことを指します。
代表的な例としては以下のようなものがあります:
・清涼飲料水(加糖ソーダ、エナジードリンク)

・スナック菓子、チョコレートバー

・加工肉(ソーセージ、ハム)

・冷凍食品(冷凍ピザ、即席麺)

・市販のケーキ、ビスケット、菓子パン

1-2. 加工と超加工の違い

加工食品(例:漬物、納豆、パン)と超加工食品の違いは、「何が加えられているか」と「その加工の目的」にあります。加工食品は保存性や味を高めるための自然な加工にとどまる一方、超加工食品は嗜好性・常習性を高めるために化学的な添加物や人工成分を使用する点が特徴です。

3. 超加工食品がもたらす健康への影響

3-1. 生活習慣病との関連

超加工食品の多くは、高糖質・高脂質・高塩分・低食物繊維という特徴を持ちます。これらの要素は、以下の疾患リスクと関連があることが報告されています。
・2型糖尿病

・高血圧・動脈硬化

・脂質異常症(高LDLコレステロール)

・肥満および内臓脂肪の蓄積

3-2. がんリスクの上昇

フランスで行われたNutriNet-Santéコホート研究では、超加工食品の摂取量が多い人ほど、がん(特に乳がんや大腸がん)のリスクが高まることが報告されました。これは、添加物、保存料、人工甘味料、加工肉に含まれる発がん性物質の影響があると考えられています。

3-3. 精神的健康への影響

最近の研究では、超加工食品の摂取がうつ病や不安症状の増加とも関連している可能性が指摘されています。これは血糖値の急激な変動や腸内環境の悪化、慢性的な炎症の関与が考えられています。

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