「大腸がんの罹患率が高い都道府県」はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/06/21

がんの罹患率には地域差があることをご存じでしょうか。特に大腸がん、胃がん、膵臓がんは都道府県ごとに傾向が異なります。この記事では、大腸がんの罹患率が高い都道府県について解説します。

監修医師:
日浦 悠斗(医師)
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福井大学医学部卒業。血清蛋白質と精神疾患の関係について研究をおこなう。日本精神科学会専門医。
目次 -INDEX-
1. 大腸がんの現状と統計
1-1. 大腸がんは日本人に多いがんの代表格
厚生労働省や国立がん研究センターの統計によると、大腸がんは日本人のがん罹患数で上位を占めています。
2021年の最新データでは、男女合わせて年間約15万人以上が新たに大腸がんと診断されました。
男性:胃がん・肺がんに次いで3位
女性:乳がんに次いで2位
高齢者に多く、60歳以上での発症が全体の7割以上を占めています。
1-2. 罹患率とは?
「罹患率」とは、一定期間内に新たにがんと診断された人の割合を指します。
人口10万人あたりで算出され、「年齢調整罹患率」として年齢構成の影響を除いて比較されます。
これにより都道府県ごとの「実質的ながんのなりやすさ」が見えるのです。
2. 大腸がんの罹患率が高い都道府県ランキング
最新の国立がん研究センターの公開データ(年齢調整罹患率、男女計)をもとに、罹患率が高い都道府県を紹介します。
2-1. 全国平均と比較したトップ5(2020年統計)
順位 | 都道府県 | 年齢調整罹患率(10万人あたり) |
---|---|---|
1位 | 福井県 | 約110人 |
2位 | 新潟県 | 約108人 |
3位 | 山形県 | 約106人 |
4位 | 秋田県 | 約105人 |
5位 | 富山県 | 約104人 |
全国平均は約95人前後であり、北陸・東北地方が目立って高いことがわかります。
2-2. 男女別の傾向
男性の罹患率が女性よりも高い傾向があります。
とくに北陸地方の男性では、女性の2倍以上の罹患率を示す地域も存在します。
このような男女差には、生活習慣・喫煙歴・飲酒量の違いなどが影響していると考えられています。