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「経口補水液」を飲み過ぎるとどんな「副作用」が現れる?【医師監修】

 公開日:2025/07/02

熱中症や脱水症状の対策として注目される経口補水液。体内の水分と電解質をすばやく補える点が特長です。この記事では、経口補水液の飲み過ぎによる副作用についてわかりやすく解説します。

久高 将太

監修医師
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)

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琉球大学医学部卒業。琉球大学病院内分泌代謝内科所属。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。日本専門医機構認定内科専門医、日本医師会認定産業医。

1. 経口補水液とは何か?

1-1. 経口補水液の定義

経口補水液(ORS)は、脱水症状の際に水分と電解質を補うための飲料で、世界保健機関(WHO)が提唱した成分配合に基づいています。
特に、下痢や嘔吐、発熱、運動後、熱中症時など、水と電解質のバランスが崩れたときに有効です。

1-2. 経口補水液とスポーツドリンクの違い

項目 経口補水液 スポーツドリンク
電解質濃度 高い(ナトリウム等) 低い
糖分 控えめ(ブドウ糖) 多い(砂糖)
用途 医療目的(脱水対策) 一般用途(運動時など)

5. 飲み過ぎによる副作用とそのメカニズム

5-1. 水分・電解質バランスの崩れ

経口補水液を過剰に摂取すると、体内の電解質濃度が異常をきたすことがあります。
高ナトリウム血症(Hypernatremia):ナトリウムの過剰摂取により、喉の渇き、頭痛、血圧上昇、浮腫(むくみ)を起こす可能性

高カリウム血症(Hyperkalemia):腎機能が低下している人ではカリウムの排出が滞り、不整脈や筋力低下の原因に

5-2. 糖分の過剰摂取

ブドウ糖を含むため、過剰摂取で血糖値の上昇やインスリン負荷を引き起こします。
特に注意すべき人
・糖尿病患者

・インスリン抵抗性を持つ人(肥満・メタボ)

5-3. 消化器症状

濃度の高い液体を短時間に大量摂取すると、以下のような症状が見られることがあります:
・胃もたれ

・吐き気

・下痢(高浸透圧性の下痢)

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