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家庭でできる「経口補水液の作り方」はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/06/24

熱中症や脱水症状の対策として注目される経口補水液。体内の水分と電解質をすばやく補える点が特長です。この記事では、経口補水液の正しい作り方についてわかりやすく解説します。家庭での活用法も紹介しています。

久高 将太

監修医師
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)

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琉球大学医学部卒業。琉球大学病院内分泌代謝内科所属。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。日本専門医機構認定内科専門医、日本医師会認定産業医。

1. 経口補水液とは何か?

1-1. 経口補水液の定義

経口補水液(ORS)は、脱水症状の際に水分と電解質を補うための飲料で、世界保健機関(WHO)が提唱した成分配合に基づいています。
特に、下痢や嘔吐、発熱、運動後、熱中症時など、水と電解質のバランスが崩れたときに有効です。

1-2. 経口補水液とスポーツドリンクの違い

項目 経口補水液 スポーツドリンク
電解質濃度 高い(ナトリウム等) 低い
糖分 控えめ(ブドウ糖) 多い(砂糖)
用途 医療目的(脱水対策) 一般用途(運動時など)

4. 家庭でできる経口補水液の正しい作り方

4-1. WHO推奨の基本レシピ

WHOの経口補水液レシピは以下の通りです。
【材料(1リットル分)】
・水 1リットル(煮沸後冷ましたものが望ましい)

・食塩 3.5グラム(小さじ約半分)

・砂糖(またはブドウ糖) 20グラム(大さじ約2)

この配合により、ナトリウム約75mEq/L、グルコース約111mmol/Lとなり、効果的な吸収が期待できます。
【作り方のポイント】
・清潔な容器を用いる。

・水を煮沸して冷ました後に材料を正確に計量して混ぜる。

・砂糖と塩が完全に溶けるまでよく混ぜる。

・作り置きは冷蔵庫で保存し、24時間以内に使い切る。

4-2. 誤った作り方によるリスク

塩や砂糖の量が過剰または不足すると、逆に脱水症状や電解質異常を悪化させる恐れがあります。
例えば、塩分が多すぎると高ナトリウム血症、少なすぎると低ナトリウム血症を引き起こす可能性があります。また、砂糖が多すぎると下痢が悪化することもあります。
必ず正確な分量を守り、味があまりに塩辛かったり甘すぎたりする場合は調整が必要です。

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