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「経口補水液の効果」とは?含まれている成分についても解説!【医師監修】

 公開日:2025/06/20

熱中症や脱水症状の対策として注目される経口補水液。体内の水分と電解質をすばやく補える点が特長です。この記事では、経口補水液の効果や成分についてわかりやすく解説します。

久高 将太

監修医師
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)

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琉球大学医学部卒業。琉球大学病院内分泌代謝内科所属。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。日本専門医機構認定内科専門医、日本医師会認定産業医。

1. 経口補水液とは何か?

1-1. 経口補水液の定義

経口補水液(ORS)は、脱水症状の際に水分と電解質を補うための飲料で、世界保健機関(WHO)が提唱した成分配合に基づいています。
特に、下痢や嘔吐、発熱、運動後、熱中症時など、水と電解質のバランスが崩れたときに有効です。

1-2. 経口補水液とスポーツドリンクの違い

項目 経口補水液 スポーツドリンク
電解質濃度 高い(ナトリウム等) 低い
糖分 控えめ(ブドウ糖) 多い(砂糖)
用途 医療目的(脱水対策) 一般用途(運動時など)

2. 経口補水液の効果と成分

2-1. 主な成分

WHOの標準的な経口補水液には以下のような成分が含まれています
・ナトリウム(Na⁺):水分を体内に保持する働き

・カリウム(K⁺):心臓や筋肉の働きを調整

・ブドウ糖(グルコース):ナトリウムの吸収を助ける

・塩化物(Cl⁻):体液の浸透圧を調整

・クエン酸または重炭酸ナトリウム:酸塩基平衡の維持

この組成によって、腸管から水分を効率よく吸収することが可能になります。

2-2. 脱水に対する効果

脱水状態では、単なる水分補給では電解質バランスが取れず、体液の調整が困難です。経口補水液は体内の浸透圧に合わせたバランスで作られているため、点滴と同様の効果を得られるとされています(軽度~中等度の脱水時)。

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