「睡眠の質を下げる主な3つの原因」はご存知ですか?【医師監修】

「寝ても疲れが取れない」「夜中に何度も目が覚める」──そんな悩みを抱える方は少なくありません。良質な睡眠は、心身の健康を保つうえで欠かせない要素です。
しかし、単に「長く寝る」だけでは不十分。本記事では、「睡眠の質を下げる原因」について解説します。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
目次 -INDEX-
1. 睡眠の質とは何か?
1-1. 「質の高い睡眠」の定義
睡眠の質とは、単に「睡眠時間が長いかどうか」ではなく、「睡眠によって脳や体が十分に回復できたか」という視点が重要です。
睡眠の質が高い状態とは、以下のような条件を満たすことを指します
・寝つきが良い(入眠まで30分以内)
・夜中に目が覚めにくい
・朝すっきり起きられる
・日中に眠気を感じにくい
1-2. 睡眠の構造と周期
人の睡眠は「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が約90分ごとの周期で繰り返されます。
特に深いノンレム睡眠(徐波睡眠)が脳と体の回復に重要とされています。
この深い睡眠をいかに確保するかが「質の良い睡眠」の鍵となります。
2. 睡眠の質を下げる原因とは?
2-1. 生活習慣による影響
現代人の生活リズムは、睡眠にとって不利な要素が多く存在します。以下は代表的な例です
・寝る直前までスマートフォンやパソコンを使う(ブルーライト)
・寝る時間が不規則
・過度なストレスや緊張状態
・カフェインやアルコールの摂取
特に、就寝前の光刺激やカフェインの摂取は、メラトニンの分泌を抑制し、入眠を妨げます。
2-2. 環境要因
寝室の環境も睡眠の質に大きく影響します。以下の点が快眠の妨げになります
・室温や湿度が快適でない
・騒音・光の刺激がある
・マットレスや枕が体に合っていない
2-3. 睡眠障害の可能性
慢性的に眠れない場合、「睡眠時無呼吸症候群」「むずむず脚症候群」などの睡眠障害が原因のこともあります。
これらは専門的な治療が必要ですので、疑いがある場合は医療機関での受診をおすすめします。
参考文献
- 日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群診療ガイドライン」2022年版
- 日本睡眠学会 編「睡眠医療ハンドブック」メディカ出版, 2019年