「ポルノ依存症の原因」はご存知ですか?【医師監修】

インターネットの普及により、ポルノコンテンツへのアクセスが容易になった現代社会では、ポルノ依存症が深刻な問題となっています。本記事では、ポルノ依存症の原因について詳しく解説します。自身や周囲の人々の健康を守るために、正しい知識を持つことが重要です。

監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
目次 -INDEX-
1. ポルノ依存症とは何か?
1-1. 定義と分類
ポルノ依存症は、ポルノグラフィ(性的な映像や画像、文章など)を過剰に視聴し、その行動を自制できなくなる状態を指します。現在、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)には正式な診断名として記載されていませんが、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD-11)では「強迫的性行動症」として位置づけられています。
1-2. 行動依存としての特徴
ポルノ依存症は、物質を使用しない「行動依存」の一種とされ、ギャンブル依存やゲーム依存と類似した特徴を持ちます。主な特徴として、以下のような行動が挙げられます
・ポルノ視聴の頻度や時間が増加し、日常生活に支障をきたす。
・視聴をやめたいと考えても、自制できない。
・視聴しないと不安やイライラを感じる。
・現実の人間関係や性的関係に興味を持てなくなる。
3. ポルノ依存症の原因とリスク要因
3-1. 脳の報酬系の影響
ポルノ視聴は、脳内のドーパミン報酬系を刺激し、快楽を得る行動として強化されます。この報酬系の過剰な刺激により、依存が形成されると考えられています。
3-2. 心理的要因
ストレス、孤独感、自己肯定感の低さ、過去のトラウマなどが、ポルノ依存症のリスク要因とされています。これらの心理的要因が、ポルノ視聴を現実逃避や感情の調整手段として利用する動機となることがあります。
3-3. 環境的要因
インターネットやスマートフォンの普及により、ポルノコンテンツへのアクセスが容易になったことも、依存症の増加に影響を与えています。特に若年層において、早期からの接触がリスクを高めるとされています。