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眼精疲労の症状・原因・治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

眼精疲労(読み方:眼精疲労)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
木村 隆 医師(きむら眼科 院長)

眼精疲労とは

目の使用による眼の疲労が強くなり、休息や睡眠をとっても十分なかなか回復しない、重い症状のものを眼精疲労といいます。眼のかすみ、痛みなどの目の症状だけではなく、頭痛や肩こり、吐き気など全身症状を伴うことがあります。

木村隆 医師 きむら眼科 院長監修ドクターのコメント
パソコンでの事務作業やスマートフォンでゲームやネットサーフィンなどをする時間が長くなっている現代社会は、必然的に眼精疲労に悩まされる人が多くなっています。眼精疲労を予防するためには、パソコンやスマートフォンのディスプレイを見る時間をなるべく短時間にして、目にやさしい生活を心がけましょう。このほかにも、メガネやコンタクトレンズの度数の不適合から眼精疲労を起こしている方もいらっしゃいます。老眼が進行しているのに度数が弱い老眼鏡を使用していたり、逆に、少しでも見やすくしようと度を強くしすぎて過矯正となっていたりするのです。目に合っていないメガネやコンタクトレンズは、知らない間に眼精疲労を引き起こしますので、注意してください。

眼精疲労の症状

眼痛、眼のかすみ、まぶしさ、充血などの目の症状や頭痛、肩こり、吐き気が挙げられます。
進行すると、イライラや不安感、抑うつといった症状へ発展することもあります。

木村隆 医師 きむら眼科 院長ドクターの解説
スマートフォンの長時間使用が視力に与える影響は深刻です。私が診察した患者さんの中には、まだ10代の若さにもかかわらず、眼の調節力が著しく低下してしまい、まるで50代のような老眼になってしまった方もいらっしゃいました。また、眼精疲労は目だけでなく心身に様々な不調を引き起こします。深刻な症状に発展してしまう前に、眼科を受診してみてください。

眼精疲労の原因

「眼精疲労」は以下に挙げる多くの原因が考えられますが、特定することが難しい場合もあります。
・度の合わない眼鏡の使用
・老視(老眼)の初期などで無理な近業作業
・緑内障や白内障
・スマホ、パソコンなどの使用(VDT(visual display terminal)作業)
・全身疾患に伴うもの
・心因性
・環境によるもの
など。

眼精疲労の検査法

主に、視力検査、視野検査、眼圧検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査などの眼科の一般検査で眼疾患を除外しますが、調節検査が最も重要です。眼に原因がない場合は、全身検査が必要になることもあります。

木村隆 医師 きむら眼科 院長監修ドクターのコメント
調節検査とは、ピントを合わせる際に水晶体の厚みを調節する毛様体筋にかかる負荷を調べる検査です。調節検査を実施しているクリニックは限られていますが、実施していないクリニックでも、遠方視力と近方視力を測定して各年代の目安と比較することで、目の状態を調べることができます。

眼精疲労の治療方法

原因を検索して、その原因対策が必要です。目の病気があれば治療を行います。眼鏡が合わない場合は作り直したり、パソコンを使用する機会の多い人は、適度な休息を取って行ったりすることが大切です。
眼精疲労に特効薬はありませんが、ドライアイやアレルギー性結膜炎など見える像が乱れる原因となる疾患がある場合は、点眼薬の治療が効果的になることがあります。
また、一般的な内服薬にも眼精疲労に効果があるものもあります。

木村隆 医師 きむら眼科 院長監修ドクターのコメント
市販の目薬を使ってみても眼精疲労が改善しないと感じた場合は、眼科の治療を検討してみることをおすすめします。また、眼精疲労を治すためには目を休めることも大切ですが、仕事などでどうしても長時間のパソコン作業をやめることができない方もいらっしゃるでしょう。そんな場合は、ブルーライトをカットするメガネやシートなどを活用するのも一つの方法です。これらのアイテムで負担が軽減されたと感じる人は多いようです。また、パソコン作業が続く場合は目を休める時間をとって窓の外の景色を眺めたり、ディスプレイの高さを見やすく調整したり、室内の空気が乾燥しないよう加湿を心がけたりと、ちょっとした工夫の積み重ねで目にかかる負担を軽減できます。

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