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出っ歯の概要と抜かない矯正(非抜歯矯正)で治療する方法

 更新日:2023/03/27

噛み合わせが悪いことによるデメリットだけでなく、コンプレックスにもなりがちな「出っ歯」。ただ、抜歯して矯正することは怖いので、「なるべく歯を抜かずに矯正したい」と思っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、出っ歯の基準、原因、デメリット、抜かない矯正で出っ歯を治療する方法についてMedical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
上里 聡 歯科医師 こうざと矯正歯科クリニック 院長

 出っ歯の基準と原因

そもそも世間一般で言われている「出っ歯」とはどういう状態なのでしょうか?
また、出っ歯とはどのようにして形づくられるのでしょうか?ここでは、出っ歯の基準と原因、そしてデメリットについて解説していきます。

出っ歯の基準

出っ歯とは、正式名称「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼ばれる状態で、以下のような特徴があります。
・口を完全に閉じるのが難しく、無理矢理閉じると口元が歪んでしまう
・上の前歯が下の前歯に比べて大幅に前に出ている
人間の歯は、元々上の前歯が下の前歯よりも2~3mmほど前に出ています。学校保健法では、この数値が8mm以上の場合を「出っ歯」の基準としています。

出っ歯の原因

出っ歯の原因は、先天的なものと後天的なものにわけられます。
・先天的な原因
生まれつき上顎が下顎よりもかなり大きく、上顎が前歯ごと前に突き出してしまう人、もしくは下顎が上顎よりもかなり小さく、その結果上顎が前に突き出してしまう人の2パターンがあります。この先天的な出っ歯は全体の3~4割を占めるとされており、両親や祖父母から遺伝する傾向があるとされています。
・後天的な原因
残りの6~7割を占める後天的な出っ歯の人は、指しゃぶり、爪を噛む癖など、日頃の習慣が主な原因です。また、普段からよく口が半開きになる人は前歯に適切な圧力がかかりにくく、出っ歯になりがちなので気をつけてください。

出っ歯のデメリット

出っ歯には以下のようなデメリットがあります。
・審美性の低下
出っ歯になると、いわゆる「見た目」が悪くなってしまいます。これは周りよりも本人が特に気にしがちな点で、その人のコンプレックスの原因になりがちです。
・歯並びの悪化
出っ歯とは、言い換えればちゃんと噛み合わせができない、歯がキレイに生え揃っていない状態です。そのため、そのまま放置しておくと周りの他の歯にも影響を与え、どんどんと歯並びや噛み合わせが悪化していきます。
・口の中の乾燥
出っ歯の人は普通の人に比べて口が閉じにくいという特徴があります。そのため、口呼吸になりがちで、常に口が乾燥してしまうのです。口が乾燥すると殺菌効果のある唾液が現象し、虫歯や歯周病にかかりやすくなってしまいます。

 出っ歯における非抜歯矯正の手順と矯正のメリット


出っ歯は、「非抜歯矯正」いわゆる「抜かない矯正」によって治すことが可能です。ここでは、そんな歯を抜かない非抜歯矯正の手順とメリットについて解説していきます。

出っ歯における非抜歯矯正の手順

出っ歯の非抜歯矯正では、
1:まずは歯列を拡大し、前歯を正しい位置に戻す
2:その後に全体の歯並びを矯正する
といった手順が踏まれます。この「歯列を拡大する」という手順を踏まないと、ちゃんと矯正が行えずさらに歯並びが悪くなってしまうこともあるので気をつけてください。歯列を拡大する方法には、
・歯の側面を若干削って歯と歯の間のスペースを確保する
・歯列全体を横と前に広げてスペースを確保する
・奥歯を後ろに移動させて前歯のスペースを確保する
などがあります。

出っ歯矯正のメリット

出っ歯を矯正することには、以下のようなメリットがあります。
・虫歯や歯周病にかかりにくくなる
出っ歯の特徴のひとつである口呼吸になりやすい点が改善されるため、口の中が乾燥しにくくなり、結果として虫歯や歯周病にかかりにくくなります。また、出っ歯により悪化していた歯並びが改善されることによってブラッシングがしやすくなるのも、虫歯や歯周病予防の観点からみて非常に大きなメリットです。
・コンプレックスが解消される
出っ歯を改善することによって、それまで抱いていたコンプレックスが解消される場合も多々あります。このように、出っ歯の矯正には身体的なメリットだけでなく精神的なメリットもあるのです。

 出っ歯における非抜歯矯正の種類

ここからは、実際に矯正歯科で行われている3つの代表的な矯正法を紹介していきます。

ブラケット

ブラケットと呼ばれる金属製の矯正器具をつけて矯正する方法です。ブラケットは矯正治療の中でも効果が高く、大幅な歯列矯正でも確実に効果が期待できる一方、銀色の矯正器具が目立って恥ずかしいというデメリットもあります。そのため、最近では舌側(=歯の裏側)だけにブラケットをつける舌側矯正や、透明な樹脂やセラミックを使ったブラケットを使用する歯科医院も増えてきています。
ただ、舌側矯正の場合は表と裏両方にブラケットを装着する場合よりも矯正に時間がかかりますし、透明な樹脂やセラミックのブラケットは金属製のものに比べてもろい上に治療費が高い傾向にあるので、その点は気をつけてください。

マウスピース

矯正する範囲や幅が小さいときには、マウスピースを装着して矯正してくこともあります。マウスピースはブラケットに比べて目立ちにくいため、抵抗感も少なく導入しやすい治療法です。ただ、マウスピースは自分でつけたり外したりといった管理をしなくてはいけないため、装着時間を守らないと治療の効果が出にくいので気をつけてください。また、大幅な歯列矯正には適用できません。

矯正用インプラント

通常、インプラントとは歯を抜いてその部分に土台と仮歯を取り付ける治療法です。一方、矯正用インプラントとは、一時的にインプラントを顎の骨に埋め込んでおき、歯を動かす固定源として活用する治療法でインプラントアンカーとも呼ばれます。
「インプラントを使った治療」と聞くとかなり痛そうなイメージがありますが、違和感は矯正器具を装着すると同程度で、1週間も経てば慣れるでしょう。

 早めに矯正しよう!出っ歯は虫歯や歯周病の間接的原因

出っ歯は虫歯や歯周病に比べて「元からそういう人もいる」といった風に流されがちな状態です。
しかし、出っ歯はそのまま放っておくと歯全体の歯並びに悪影響を及ぼすだけでなく、口の中が乾燥することによって虫歯や歯周病の間接的な原因になってしまいます。出っ歯は「自分の歯をなるべく残したい!」といった人にも対応している非抜歯矯正で治せるため、出っ歯の基準を満たしている人はなるべく早い矯正治療の導入をおすすめします。
また、これまで矯正治療には「銀色の器具が目立って恥ずかしい」といったイメージがありました。しかし、最近では歯の裏側だけに矯正器具をつける舌側矯正や、透明の矯正器具など抵抗感なく装着できるものが増えてきています。出っ歯で悩んでいるという人は、ぜひ一度矯正治療を検討してみましょう。

上里 聡 歯科医師 こうざと矯正歯科クリニック 院長監修ドクターのコメント
矯正歯科治療は、正しい診断があってこそ良い結果を得ることができます。歯を抜かないことも大事なことですが、良い結果を得るために、どうしても歯を抜かなければいけない場合もあります。出っ歯の場合も、歯の大きさ、成長の有無、顎骨のボリュームによって可能かどうか決まってきます。担当の先生と診断の結果をしっかり検討して治療を受けていただくことで、間違いのない結果を得ることができます。まずは矯正歯科の先生にご相談ください。
 
監修ドクター:上里 聡 歯科医師 こうざと矯正歯科クリニック 院長

 抜かない矯正治療でおすすめの矯正歯科 四国編

こうざと矯正歯科クリニック

出典:http://www.kouzatokyousei.com/

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住所 香川県坂出市駒止町1-4-2
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日曜は休診の場合有
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