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重度の不正咬合が及ぼす悪影響と、インプラントを矯正と併用した治療法

公開日:2022/04/27
重度の不正咬合が及ぼす悪影響と、インプラントを矯正と併用した治療法

俗にいう「出っ歯」や「受け口」などに代表される不正咬合が重度になると、噛み合わせが悪くなり、日常生活のさまざまなシーンにおいて支障を来します。そんな重度の不正咬合は、矯正治療とインプラント治療とを併用することで改善できる場合もあるといいます。そこで今回は、重度の不正咬合にも適応できるインプラントと矯正の併用治療について、医療法人大杉歯科医院の大杉和輝先生に話を聞きました。

大杉和輝医師

監修歯科医師
大杉 和輝(医療法人大杉歯科医院 院長)

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2015年愛知学院大学歯学部卒業。卒業後は医療法人社団石川歯科に勤務し、重度の歯周病治療やインプラント、審美歯科治療などを行う。2021年12月より大杉歯科医院院長に就任。「5D-Japan」所属。インプラント治療や歯周病治療、矯正治療において経験を積む医療スタッフと連携しながらチームでの医療を提供。世界レベルの技術獲得を目指し、日々歯科医療の技術研鑽に励む。

不正咬合とは

不正咬合とは

編集部編集部

不正咬合とはどんな状態なのでしょうか?

大杉和輝医師大杉先生

不正咬合とは、歯が揃っていなかったり上下の顎の位置が擦れていたりして噛み合わせが合っていない状態のことをいいます。

編集部編集部

不正咬合にはどんな種類があるのでしょうか?

大杉和輝医師大杉先生

上顎が出ている上顎前突(出っ歯)や、反対に下顎が出ている反対咬合(受け口)、八重歯や乱くい歯などの叢生(そうせい/重なって生えていること)、顎の骨が変形している顎変形症などが挙げられます。

編集部編集部

不正咬合で未治療の方もたくさんいらっしゃると思うのですが、必ずしも治療しなければならないものなのでしょうか?

大杉和輝医師大杉先生

不正咬合の場合でも、日常生活に支障を来さなければ、治療しなくても良いことはあります。しかし、極端に噛み合わせが合っていない場合、歯周病を発症しやすかったり将来的に奥歯を失ったりする可能性などがあります。そのため、今ある歯を守るために治療を勧めることはあります。ほかにも、審美的な面が気になりコンプレックスに感じている場合や、食事や歯磨きなどに支障を来している場合には、治療した方がいい場合もあります。

編集部編集部

不正咬合が重度の場合には、ほかにどのような影響があるのでしょうか?

大杉和輝医師大杉先生

日常生活のさまざまな場面で影響がみられることがあります。例えば、上顎前突の場合には、何かの拍子に顔面に怪我をした場合、前歯が折れてしまうといったことがあります。また、下顎前突で食べ物がうまく噛めず、消化不良を起こしやすいといったことも考えられます。ほかにも、顎変形症や開口などでうまく発音できないといったケースもあるでしょう。

不正咬合の治療

不正咬合の治療

編集部編集部

不正咬合の治療にはどんな方法があるのでしょうか?

大杉和輝医師大杉先生

不正咬合の治療として一般的に行われているのは矯正治療です。矯正治療にもさまざまな手法があり、ブラケットとワイヤーを装着するワイヤー矯正だけでも、歯の表面だけでなく裏側に装着して治療する方法もあります。また、マウスピース矯正のほか、夜間に装着するナイトガードと呼ばれるものもあります。

編集部編集部

矯正治療をすれば不正咬合は治るのでしょうか?

大杉和輝医師大杉先生

一概に治るとは言い切れません。患者様の中には、主に重度な場合など、状態によって矯正治療とほかの治療とを併用して行わなければならないケースもあるからです。

編集部編集部

そのような治療方針は、どうやって決まるのでしょうか?

大杉和輝医師大杉先生

CTレントゲンなどさまざまな検査を行い、効果的な治療法を打診した上で、患者様の希望や予算などに合わせて決定します。

インプラントと矯正の併用治療とは

インプラントと矯正の併用治療とは

編集部編集部

では、不正咬合が重度の場合、矯正治療と併用される治療法にはどんなものがありますか?

大杉和輝医師大杉先生

患者様の状態によっては、矯正治療とインプラント治療を併用して行うことがあります。

編集部編集部

それは矯正治療とインプラント治療を、同時に行うということですか?

大杉和輝医師大杉先生

一般的には、どちらかを先に行うことが多いですね。例えば、歯周病が進行していたり抜歯したりしていて、歯の本数が足りない場合などでは、先に歯周病治療やインプラント治療を行なって土台を作ってから矯正治療を始めます。反対に、歯が傾いている場合などには、先に矯正治療を行ない、足りない歯を補うためにインプラント治療を行うケースもあります。患者様の状態に応じて、臨機応変に対応する治療法ともいえますね。

編集部編集部

インプラントと矯正を組み合わせた治療には、どんなメリットがあるのでしょうか?

大杉和輝医師大杉先生

これも患者様の状態によってさまざまですが、不正咬合が重度の場合や失った歯が多い場合などでは、噛み合わせを改善できる可能性が高いでしょう。長期間歯がない状態が続くと、その近くにある歯が伸びたり傾いたりしてしまうことがあり、通常の治療では噛み合わせを改善することが困難なケースがあります。しかし、こうした場合にも矯正治療で傾いた歯を治してから足りない部分にインプラントを埋め込むことで、噛み合わせを改善することも可能になるのです。

編集部編集部

インプラントと矯正の併用治療をした場合には、どんなデメリットが考えられますか?

大杉和輝医師大杉先生

痛みや腫れ、炎症などが生じることがあります。抜歯したり、インプラント治療で顎の骨に穴を開けたり、歯ぐきを切開したりすることが必要な場合には、歯ぐきや顔が腫れることもあるでしょう。矯正治療では、歯が動く際の痛みを訴える方もいらっしゃいます。

編集部編集部

痛みや腫れを防ぎつつ治療を受けることはできますか?

大杉和輝医師大杉先生

それらが生じることを理解した上で治療に臨み、自宅でのケアや定期検診を怠らないようにしていただくほかありません。インプラント治療中や矯正治療中は、歯ぐきに炎症が生じたり、歯並びが変わったりするため、丁寧なケアをしなければ炎症を悪化させるほか、むし歯や歯周病などの原因になってしまうこともあります。そのため、定期検診でむし歯や歯周病のチェック、クリーニングを受け、歯磨きなどの自宅でのケアについても指導してもらうと良いでしょう。

編集部編集部

最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。

大杉和輝医師大杉先生

不正咬合であっても、日常生活に支障を来していなければ治療が不要なケースもあります。しかし、重度の不正咬合で噛み合わせが合っていない場合などでは、一度治療を検討した方が良いかもしれません。状態によっては、むし歯や歯周病を繰り返したり将来的に歯を多く失ったりする原因になることもありますので、お悩みがある方は一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

編集部まとめ

重度の不正咬合の場合でも、単体での矯正治療のほかインプラント治療と併用することで噛み合わせを改善できる可能性もあります。長年の噛み合わせの悪さやそれによって生活に支障が出ている場合には、一度歯科医で相談してみましょう。

医院情報

医療法人 大杉歯科医院

医療法人 大杉歯科医院
所在地 〒510-0303 三重県津市河芸町東千里175-2
アクセス 近鉄名古屋線「千里駅」徒歩4分
診療科目 歯科