斜視とはどんな病気か?原因や治療法を紹介
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斜視とはどんな病気か?原因や治療法を紹介 2017.11.17

斜視は日本人のおよそ2~3%に見られる、珍しくない病気です。一般的には黒目の位置がずれてしまう病気というイメージがありますが、見た目の問題だけでなく、視力にも影響をおよぼすことがあります。子どもの頃に発症することが多く、症状が目に見えるため、早段階で気がつくことができますが、大人になってから発症することもあります。ここでは斜視について、Medical DOC編集部がお届けします。

斜視とはどんな病気?

斜視とは

通常、物を見るときには、右眼も左眼も常に連動して動き、見ようとする目標の方向へ向いています。ところが、この動きが上手くできず、片方の眼が見ようとしている目標を見ているのに対し、もう片方の眼が目標とは異なる方向を向いてしまう。つまり、左右の視線が一致しない状態になることを「斜視」といいます。

人は左右の眼を同時に使い、目の前の物を単一物として認識できる能力があります。これは、両目で見た情報を脳でまとめ、1つの新しい感覚として捉えているためです。この働きを両眼視といいます。斜視の場合、この両眼視ができないため、立体感を感じなくなったり、物が二重に見えたりするような異常を引き起こします。また、両眼視ができないことで、斜視ではない片方の眼で物を見てしまいます。そのため、使われない斜視がある方の眼の視力が育たず、弱視になりやすくなります。

このように、斜視は見た目の問題はもちろん、両眼視機能の異常、さらに弱視という視力に異常にも関係する病気です。

斜視の原因

斜視の原因としては、「眼を動かす筋肉や神経の異常」「両眼視の異常」「遠視」「視力の不良」が考えられます。

眼を動かす筋肉や神経に何らかの異常がある場合、眼球をうまく動かすことができず、眼の位置がずれてしまいます。両眼視の異常としては、遺伝や脳の一部の僅かな異常が原因となり、両眼視がうまくできない場合、それぞれの眼がバラバラの方向を見るようになってしまいます。

また、人は見る物に対してピントを合わせます。近くを見るときは眼が内側に寄ります。遠視の場合、ピント合わせを強く行わないとはっきり見えないため、眼がかなり内側に寄ってしまいます。このため斜視になる場合があります。

その他、視力の不良としては、病気や怪我によって片方の眼の視力が悪くなった場合、両眼視が出来ず、視力が悪い眼が斜視になる場合があります。

斜視の調べ方

斜視は両眼の位置が異なるため、見た目で判断することができます。少し暗い室内でペンライトなどを使い、顔から50センチメートルほど離れた位置から目と同じ高さで平行に目に光を当てます。光りの反射の様子を確認することで斜視かどうかを調べることができます。

両目とも黒目の中心で反射が見られれば斜視の心配はありません。片方の反射は中心なのに対し、もう片方が中心よりもずれた場所で反射が見られた場合は斜視が考えられます。

また、子どもの場合は家族が見つけてあげる必要があります。斜視は、弱視や物が立体的に見えないといった原因になるため、早期に治療することが大切です。

斜視の種類や治療法

斜視の種類

斜視には「内斜視」「外斜視」「上下斜視」の大きく3つの種類があります。

内斜視とは、黒目が内側に寄っている斜視のことです。生後6ヶ月頃までの赤ちゃんに起こる「乳児内斜視」、2歳以降に発症する「後天内斜視」、遠視が原因による「調節性内斜視」などがあります。

外斜視とは、黒目が外側に寄っている斜視のことです。常に外側を向いている「恒常性外斜視」、疲れがたまったときだけ外側を向く「間歇(かんけつ)性外斜視」があります。

上下斜視とは、黒目が上下に寄っている斜視のことです。目を上下左右に動かしたり回転させる動きがある上斜筋、下斜筋という筋肉が過剰に働きすぎたり、麻痺があることなどが原因により上下斜視になることがあります。

斜視の治療法

斜視の治療法には、「眼鏡」による治療と「手術」による治療の大きく2つがあります。

眼鏡による治療は、遠視が原因の「調節性内斜視」の場合に用いられる治療法です。強い遠視が原因となっていることから、眼鏡によって遠視を矯正することで目を正しい位置に戻すことができます。

調節性内斜視以外の斜視の治療では、一般的に手術が適応されます。手術自体は、点眼麻酔により痛みを伴わず、比較的短時間で終わるものが多くなっています。ただし、子どもの場合は手術中に動いてしまう可能性を考え全身麻酔を行います。

手術では、目を動かす役割のある外眼筋の位置をずらし、外眼筋の力を調節して目の位置を改善させます。どのくらい筋を移動させればよいのか、事前に計算を行ったうえで手術行われますが、個人差があるため僅かな誤差が生じることも考えられます。手術を受ける場合は、しっかりと医師の説明を受け、納得の上で受けることが大切です。

子どもに多い偽斜視とは?

偽斜視とは、本当は斜視ではないのに、斜視のように見える状態のことを言います。特に赤ちゃんに多く見られます。

赤ちゃんは鼻が低く、またその根元が未発達であることから両眼の間が広くなっていることから、白目の内側が見えない場合があります。そのため、内斜視に見えてしまうことがあります。

偽斜視は、鼻の根元の成長に従い、内斜視のように見えていたものが正常に見えるようになります。小鼻をつまんで確認することで、本物の斜視と区別することができます。

大人の斜視

斜視と肩こりの関係性

たまに外斜視になる「間歇(かんけつせい)性外斜視」の場合、視線を合わせるために必要以上の力が必要になります。若い頃は筋力があるため疲れを感じにくいですが、年齢を重ねるとともに力が弱まることで眼精疲労を感じやすくなります。その結果、視線を上手く合わせることができず、斜視が余計に目立ってしまうなど悪循環を引き起こします。

眼精疲労は肩こりや頭痛の原因になることもあります。症状があまりにひどい場合は適切な治療を受けることが大切です。

二重に見えるときは注意

大人の斜視において、「ものが二重にだぶって見える」場合があります。この場合、脳内の血管が詰まっているケースや、全身の筋肉の病気など他の疾患が原因となっている場合があります。このような場合、血液検査やMRIなど専門的な検査を行う必要があるため、早い段階で医療機関に相談してください。

斜視の予防法

視力の低下が斜視へつながるケースがあるため、眼を酷使しすぎないことが大切です。物を見るときの姿勢や、パソコン、スマートフォンなどの長時間の使用、暗い場所での読書など眼の疲れの原因となるようなことは控えましょう。

また、眼に疲れを感じたら目薬を使用したり、遠くの景色を眺めたりするのも効果的です。睡眠を良く取り眼を休ませましょう。

既に視力が落ちている場合は、両眼視が上手くできるように自分に合った眼鏡やコンタクトレンズなどで視力を矯正するようにしましょう。

斜視は外見だけでなく視力にも影響

斜視は、2つの眼で物を見る両眼視が上手く出来ていない状態です。視線がずれるなど、見た目の問題に注目されがちですが、片方の眼に負担がかかるのはもちろん、斜視のある眼の視力が育たず弱視になりやすくなるなど視力にも影響があります。また、視線を合わせるために必要以上の筋力を使うため、眼精疲労の原因となることもあります。

斜視は、眼鏡や手術など適切な治療により症状が改善する病気です。子どもだけでなく、大人になってから発症するケースもあります。日常的に目が疲れやすいといった症状はもちろん、簡単なセルフチェックで斜視を調べる事もできます。気になる場合は放置せずに、早めに医療機関に相談し適切な治療を受けるようにしましょう。