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病気の原因にもなるストレスは、早めにチェックして対策を! 2018.09.30

この記事の監修ドクター:
降矢 英成 医師(赤坂溜池クリニック 院長)

 ストレスについて正しく学び、予防・改善に役立てましょう

社会生活や家庭での生活など外部からのさまざまな刺激により心や体に負担がかかることで、心身のバランスが乱れるてしまうことを指してストレスと呼ばれています。
このストレスは、不眠やうつ病、胃痛や頭痛、さらには胃・十二指腸潰瘍など、心と体に不調を引き起こす原因となることをご存知の方も多いことかと思います。
この記事をご参考に、あなたに合ったストレス予防・改善の方法を探してみてください。

 ストレスチェック・診断


まずはご自身のストレスについてしっかりと知る必要があります。
以下に簡易的なストレスチェック診断(10項目)をご紹介いたします。ご自身のストレス状態を知るためのチェックにお役立てください。

  • 職場や家庭での不満は決して口には出さない。
  • 睡眠時間が1日4時間以内、もしくは夜中に目が覚める。
  • 職場に苦手な上司・部下がいる。
  • 家族内で解決できない悩みがある。
  • 悩みを打ちあける親友がひとりもいない。
  • 金銭的なトラブルで悩んでいる。
  • 通勤時間が苦痛でしょうがない。
  • 休みは何もしないで過ごすことが多い。
  • 肌が荒れている。
  • イライラしやすい。

Yesと答えた項目が多ければ多いほどストレスを抱えている状態であると考えることができます。
反対に、あまり当てはまる項目が少ない人は普段の生活でストレスを受けることがあまりなく、精神的に穏やかに過ごすことができているといえるでしょう。
全く当てはまる項目がない、もしくは2~3項目だけという人は基本的にストレスによるダメージがほとんどありません。職場や家庭での人間関係も順調で問題は少なく、バランスの取れた距離感を保ちながら生活をしているといえます。
5~6項目当てはまる人は要注意です。ストレスに敏感で、これ以上負担がかかると心身に支障がきたすレベルです。日常生活で感じるストレスや不安材料を減らすように心がけましょう。趣味を持ったり、仕事以外の時間を大切にすると気がまぎるのでおすすめです。
7項目以上当てはまる人は、今すぐに休養が必要な状態です。社会によって受けるストレスがきわめて危険な状態にまで達しています。
ストレスを受けすぎる人は、近くに相談できる親しい人がいないことが多く、問題を一人で抱えがちです。我慢せずに彼氏・彼女や友人などに相談してみたり、必要があればカウンセリングなどを受けることをおすすめします。

 ストレスを引きおこす原因とは?

まずはストレスを引きおこす原因について考えてみましょう。

 仕事・職場でのストレス

仕事の量が多かったり、仕事時間が長く休日が少ないなど量によって生じるストレスがあります。
また、やる気が起こらなかったり、ノルマや責任を必要以上に課せられたり、技術的に困難など、仕事の質によってもストレスを感じてしまいます。
仕事が忙し過ぎたり合わない場合にはストレスが生じますが、逆に忙しくなくてもストレスが生じることもあります。
また、職場は人間関係が生じる場でもありますので、実は、仕事・職場でもっとも多いストレスの原因は「人間関係」ということが分かっています。

 恋愛でのストレス

失恋は平凡でありふれた経験であると同時に当事者にとっても強いショックとなり、ネガティブな心理的反応や情動反応を誘発することがあります。
コーピングとは「自らを攻撃したり、それを超越すると評価したりする特定の外的・内的要求を何とか平常心を保とうとする認知的・行動的努力」ですが、この恋愛コーピングが崩れると人によっては強烈なストレスを抱えてしまい、最悪な場合うつ病を患うこともあります。

 家庭・学校でのストレス

学校での勉強について行けず成績が落ちてしまい、ストレスを抱えるお子さんの数が増加傾向にあります。
また、いじめにあって強いストレスが生じ、誰にも相談せずひとりで抱えこんでしまい閉鎖的になっているお子さんもいます。
また、部活動でなかなか練習の成果を出せずに悩んだり、運動が苦手で体育祭が憂鬱になったりといったことが考えられます。
家庭では兄弟で比較されるなどして、肩身の狭い思いをするというケースもあります。
さらに進学への悩みなどからストレスを抱えてしまうこともあります。
体に大きな変化が現れる時期であるため、それ自体がストレスをためる要因にもなります。体形や髪形など、容姿のことで悩みやすい時期でもあります。
加えて、塾や習い事が忙しくてストレスをためているお子さんもいます。
また最近では、SNSやゲームなどの刺激がストレスの原因になっているとも言われています。
このように、複数の要因が組み合わさってストレスを引き起こしているケースも多くみられます。

 ストレスが原因で引きおこす病気とは?

 胃腸炎・潰瘍

仕事、受験、家庭などの問題に対する精神的なストレスにより、胃酸の分泌をコントロールする自律神経が乱れます。
それによって胃酸が大量に分泌されたり胃粘膜の血流が低下することによって胃腸炎を引きおこす場合があります。
また、ケガのような肉体的なストレスも同様に胃腸炎の原因になります。
ストレスは精神の乱れから生ずるものなので、身体的には影響がないと思われがちですが、体内の臓器とストレスは密接な関係にあります。
中でも特に胃や腸はストレスに敏感で、胃炎や過敏性腸症候群などの腹痛を発症するケースも多くみられます。
ストレスを感じると自律神経に異常をきたしてしまい、胃や腸に負担がかかることから胃腸炎を引き起こすといわれています。

 過敏性腸症候群

自分の感情をうまく言葉にして表現できなかったり、それを自覚できない「アレキシサイミア(失感情)」傾向の人が引きおこしやすい疾患です。
辛いという気持ちを感じたり、怒りや悲しみを言葉にして表現することができないので、その負担を身体が担ってしまい辛いと表現することで症状が起こります。
辛いという気持ちを意識できないとストレスに気づくことができないため、ストレスにさらされ続けるうちに身体が悲鳴をあげてしまうのです。

 不眠・不安障害

ストレス状態にあると、なかなか寝つけず不眠が起こりやすくなります。その原因となる物質は、ストレスホルモンと呼ばれる副腎皮質刺激ホルモン、コルチコトロピンです。
ストレスを引きおこすと、脳の視床下部にある神経細胞がコルチコトロピンホルモンを放出します。このホルモンが脳の下垂体に入ることによって睡眠を抑える作用を持つコルチコトロピンが分泌され不眠を起こし、さらには免疫機能をも低下させてしまいます。

 うつ病

うつ病とは、脳の神経伝達物質が不足し、結果として感情や思考の活動がうまくいかなくなる脳の病気です。何らかの強いストレスが原因となって起こることもあると考えられています。
さまざまなストレスのうちで特に多いのは「人間関係などのストレス」および「環境の変化からくるストレス」です。
例えば「身近な人の死」や「リストラ」などの悲しい出来事だけではなく、「昇進」や「結婚」といった嬉しい出来事や環境の変化などから起こることもあります。

 過食

ストレスの影響によって過食になってしまう場合もあります。
これは疲労などで日常生活や食生活が乱れた結果、セロトニンが不足してしまったことが原因だと考えられます。
セロトニンは脳内を安定させる重要な神経伝達物質です。セロトニンは同じ神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの分泌をコントロールする役割を担っています。
やる気などを助長してくれるドーパミンや不安感をあおるノルアドレナリンは分泌され過ぎるのも問題であり、脳や精神に負担をかけてしまう原因となります。
それらを抑えて心身のバランスを正常に保つのがセロトニンなのです。しかし、セロトニンが不足すると心身が乱れてストレスを感じやすくなってしまいます。
そのため、セロトニンが不足することによってストレスがたまり、ストレスから逃れるために過食をおこなってしまう構造ができあがるというわけなのです。
しかも、セロトニンは食欲をコントロールする作用も持っているため、セロトニンが不足すると過食になったり甘いものが欲しくなったりするのです。
さらに糖質の甘いものをとり過ぎるとカルシウムが消化されていくのでイライラすることが多くな、ストレスがたまっていくことによって負のスパイラルへと陥ります。セロトニンが不足すると心身も不安定になり、さらに不足していきます。
こうした悪循環から乗りきるのはかなり困難であり、その結果としてさらなる過食へとつながってしまうケースもあります。

 ストレスによる症状とは?

 ストレスで頭痛を引きおこすのはなぜか?

頭痛は脳に痛みが生じているのだと思われがちですが、実は脳には痛いと感じる感覚がありません。
ではなぜ頭痛を感じるのかというと、頭部には脳以外にも膜や筋肉、血管などの組織が存在しており、その組織部から痛みが生じているのです。
たとえば、ストレスがたまると交感神経が刺激され、身体は常に緊張状態のままになります。
緊張することにより身体全体が硬くなり、全身の血管が収縮して血の流れが悪くなり、それが頭痛を引きおこす原因になるというわけなのです。
逆に、緊張状態から解放された際に副交感神経が刺激され、血管が広まることによって血流が一気に頭部に流れ込むのも頭痛の原因です。
さらに、ストレスによってホルモンバランスが乱れた場合も自律神経の乱れにつながり、頭痛を引き起こす可能性が高くなります。

 ストレスによる胃痛

胃などの消化器官の働きは自律神経(交感神経と副交感神経)によっておこなわれています。
ストレスによる刺激が脳から副交感神経をとおって胃に伝えられ、過剰な胃酸分泌をうながし、さらに胃のぜんどう運動を促進します。
ストレスによる刺激は、もう一方では脳から交感神経にも伝わり、胃の血管を収縮させ、血流を減らし、胃の粘液の分泌を減少させます。
ストレスを受けると胃は、血液の循環が悪くなり粘液の分泌が減少して胃粘膜が薄くなり、胃を攻撃する胃酸の分泌が増えた状態になります。その結果、胃に炎症や潰瘍ができてしまうのです。

 ストレスによる抜け毛

ストレスが髪の毛や頭皮に与える影響には、非常に大きなものがあります。 ストレスがたまってしまうと抜け毛や薄毛の症状が悪化する可能性は高くなります。
ストレスにより血流が悪くなり、抜け毛や薄毛へとつながっていきます。
まず脳がストレスを感じると、交感神経が刺激を受け緊張して血管が収縮します。
血管が収縮することによって血流が悪くなり、頭皮や髪の毛に十分な栄養が行き届かなくなります。 その結果、栄養不足になり、髪の毛と毛根が細くなって最終的に抜けていきます。
またストレスによる睡眠不足は、ホルモンバランスを崩します。
ストレスによって成長ホルモンの分泌に異常が起こり、健康な髪の毛の成長を止めてしまう可能性があります。このようにストレスが髪の毛に与える悪影響は、とてつもなく大きなものなのです。

 ストレスによる肌荒れ

ストレスによる肌荒れの理由は、ストレスがたまることにより体内の血のめぐりが悪くなり、活性酸素が発生しやすくなるからです。
私たちが食事でとった栄養分は、血液によってそれぞれの細胞へと運ばれていきます。
しかし、血のめぐりが滞っていると肌細胞のすみずみまで行き届かなくなり、肌は栄養不足の状態になります。
新しい細胞を産み出す力も衰え、老廃物もたまりやすくなり、健康な肌の状態を保てなくなります。
また、ストレスを受けると体内に活性酸素が発生し、細胞を傷つけ免疫力を低下させることから、肌が本来の機能を発揮しなくなり、肌荒れやニキビ・吹き出物ができやすくなるのです。
趣味や軽い運動など、自分なりの気晴らしやストレス発散法を見つけておくことも健康な肌を守るための秘訣です。
神経の緩和に作用するビタミンB群などを補給するのもいいでしょう。

 ストレスによる吐き気

ストレスにより吐き気を感じたということは、脳幹内に存在する嘔吐中枢が刺激を受けていることを意味します。
嘔吐中枢は、咽頭の機械受容器、十二指腸の張力や化学受容器、脳幹の化学受容器引き金帯、内耳の半規管などからの刺激を受けることで、吐き気や嘔吐を引き起こすとされています。
食あたりや病気ではない場合、ストレスによる吐き気、嘔吐の可能性が考えられます。
不快ストレスは、視床下部という自律神経を調節する役割と、成長ホルモンなど分泌させる脳の総合中枢器官を刺激し、ホルモンの分泌バランスを崩します。
すると自律神経がうまく機能しなくなり、交感神経、副交感神経ともにホルモン分泌調節がバランスよく行われなくなる状態になります。
ホルモン分泌がバランスよく行われないことで、脳幹の化学受容器引き金帯が刺激され、吐き気と嘔吐などが引き起こされるのではないかと考えられています。

 ストレスによるめまい

めまいを訴えて病院を受診された方を検査しても、原因がわからないケースも多くみられます。
特にコレといっためまいの原因が断定できないときに考えられるのは、ストレスなどから来る自律神経の乱れによるものが多いのです。
自律神経の乱れによるめまいは、基本的には疲れなどからくる軽いめまいです。
しかし、めまいが長期間にわたって続くと生活に多大な影響を与えます。さらにストレスは、めまいを増長させることもあります。

 ストレス発散・解消法とは?

 リラックスすることで解消

 アロマや音楽で気分を落ち着かせる


アロマテラピーは、植物から出てくる香り成分を利用してリラックスやリフレッシュを促し、疲れきった心身を回復してくれる自然療法のことです。
好きな香りを嗅ぐのは誰にとっても心地よいことですが、本当にリラックスできるのか?と疑問に思う方も中にはいるかもしれません。
じつは嗅覚は、視覚や聴覚などの五感のうちで唯一、脳の「大脳新皮質」を経由せず、「大脳辺縁系」に直接伝わる貴重な感覚部なのです。
大脳辺縁系は感情や記憶などの働きをしてくれて、脳の中でもより本能に近い部分なのです。嗅覚はそこをダイレクトに刺激することができるので、自分の好きな香りを嗅ぐことで心身のリラックスや気分転換につながっていくのです。
さらに音楽療法は、心身障害児の治療などにも効果が確立されており、音楽の持つ力が様々な状況で注目されています。
一般的には、クラシックを聴くことでリラックスすることが出来ると考えられています。
しかし、音楽には好みの違いや音楽にまつわる個人的な思い入れなども大きな影響をもっているため、曲の選定は各々によってあわせて選ぶ必要があります。
例えば、ゆったりとしたクラシックを聴くよりも、ロックを聴いたときの爽快感の方が合う人もいます。

 運動によるストレス発散

運動のほうに神経を集中させることで、ストレスの原因を忘れて気分を変えることが出来ます。ストレスを解消するためには、好きなことや普段と違うことをおこなうことが大切です。
また、スポーツにおいて何か目標を定めることで、その目標を目指しネガティブな思考が軽減され効果を高めることが出来ることに加えて、爽快な達成感も味わうことが出来ます。
また、運動は疲労を回復させるとも言われており、栄養補給・睡眠と並んで疲労の3大回復方法とも言われています。
では、なぜ運動することによって疲労が回復できるのでしょうか?
その理由として、酸素の供給量が増加することによる免疫力の向上やホルモンバランスの正常化などが挙げられます。
激しすぎる運動は逆効果となることもありますが、適度に運動を取り入れることが大切なのです。
運動の中でも特に有酸素運動に関して言えることですが、気持ちがポジティブになる効果があると考えられています。
脳内麻薬とも言われる「β-エンドルフィン」が分泌されることで幸福感を得ることが出来るほか、リラックス効果のある「セロトニン」も分泌されます。
この効果によって、睡眠の質が上がったり集中力が増加するなど、さまざまな効果も期待できるのです。

 たくさん睡眠をとることでリフレッシュできる

脳は頭蓋骨に包まれていて、その中に入っている脳脊髄液という液体が脳のまわりを満たし守ってくれています。
この脳脊髄液が、脳にはないリンパと同じような働きをしていることが最近の研究で解かってきています。
常に脳脊髄液に囲まれている脳ですが、昼間など仕事をしている間は脳が働いているため、脳脊髄液によるリフレッシュは効率的に行われません。
寝ている時間に脳脊髄液は細胞の隅々まで浸透し、脳で発生した老廃物をキレイに掃除してくれるのです。
このリフレッシュ作業はストレスによるホルモンの活発を巧くコントロールしてくれます。良好な睡眠は脳のリフレッシュ機能を促し、ストレスホルモンを抑えてくれる役目を果たしてくれます。

降矢 英成 医師 赤坂溜池クリニック 院長監修ドクターのコメント
 現代社会で大きな問題となっているストレスの健康への影響をまとめた内容となっています。自分のストレス状態のおおまかなチェックから、原因にはどういうものがあるのかについて、そして、ストレスから生じる心身両面の症状・状態について、それぞれおおまかに知ることができます。お読みになって気になることがありましたら、さらにお近くの心療内科や神経科などに早めに相談されると宜しいかと思います。ストレスに対する知識をもち、早めに対処されることをお薦めいたします。
 
監修ドクター:降矢 英成 医師 赤坂溜池クリニック 院長


 この記事の監修ドクター

降矢 英成 医師 赤坂溜池クリニック 院長

出典:http://www.holisticmedicine.jp/
降矢 英成 医師
赤坂溜池クリニック 院長

PROFILE

略歴
1959年東京都出身
東京医科大学卒業
LCCストレス医学研究所心療内科帯津三敬病院勤務を経て、
ホリスティック医学の実践の場として、丸野医師と赤坂溜池クリニック開院
所属
日本心身医学会専門医
日本ホリスティック医学協会会長
日本メディカルハーブ協会副理事長
日本森林療法協会理事
日本フィトセラピー協会副理事長